2012年9月の読書記録
ちょいと遅くなりましたが,月間読書感想のコーナーです。
9月は雑誌(自転車&カメラ)ばっかり読んでいた月でしたが,なんとか,5冊を読破することができました。
9月の,雑誌を除いた主な読書は以下のとおりです。
タイトル・著者 | プチ感想 |
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『海』 小川洋子 | おいら自身では,『博士の愛した数式』『猫と抱いて象と泳ぐ』に続いて,小川洋子3冊目。前回読んだ『猫と・・・』と同様,「静謐」という言葉がピッタリな連作短編集。和文タイピストと活字管理人の言葉だけのエロティックな物語,言葉を失った少女と男の交流,旗をなくしたツアーガイドの息子と老人の冒険など,全部で7つの短編が収められています。どの短編も,少し現実離れしているのですが,共通して,小さな喪失感とそれを温かく包む優しさが感じられます。急に管理職に任用されて心がやさぐれている人なんかにオススメです(笑) |
『霞町物語』 浅田次郎 | 5年ぶりくらいの再読。そして,再涙(?) した浅田次郎の自伝的小説。高度成長(の前くらい)の東京麻布にある写真館を営む家族と,ディスコや車,酒,タバコと刹那的に享楽する高校生の「僕」。主人公の格好いい青春物語でもあり,今は失われた(のかもしれない),江戸っ子の見栄っ張りな生き様がたまらなくいい。特に,カメラ好きのおいらは,老写真師である祖父がライカを手にしたまま亡くなったシーンで号泣してしまいました。何度読んでもいい小説です。 |
『感じる科学』 さくら剛 | なんとなく分かっているんだけど,詳しくは分からない,という科学のテーマをとても面白く解説した本。取り上げているのは,相対理論,量子論,宇宙論,進化論など。どれも,身近な男子中学生の行動なんかに例えていてすごく面白い。合コンで「量子力学について教えて♪」とか聞かれたときに,楽しく答えられる可能性大です(そんな女子見たこと無いけど・・・) |
『深夜特急』 沢木耕太郎 | こんなに有名な小説なのに,この年になってようやく読み始めました。乗り合いバスだけで,インド~ロンドンを旅する話なのですが,まだ1巻に着手したばかりで,香港・マカオにいます。でも,読み始めた途端にワクワクしてしまい,毎晩,風呂の中で気分は旅行者になっています(^^) |
『日本経済に関する 7年間の疑問』 村上龍 | だいぶ古い本ですが,これまた再読。今はどの政党も目先の人気しか考えない。「民意」なんて浮ついたものを掴もうとするなら,原発全廃,税金全部無し,福祉は最高にすればいい。将来の財政破綻なんて知ったことじゃない。そもそも,国民は政治家に「期待」するのがおかしい。政治家は国民に約束をして,国民は政治家を信頼して,約束を果たす様子をモニターすべき。約束を守らない政党は論外だし,まともな約束も実績も無い新党に淡く「期待する」のはいつか裏切られる。書かれてから10年も経った本なのに,今の日本にピッタリなのが逆に悲しいかもです・・・。 |
全部で5冊読んでいますが,そのうち2冊(霞町物語,日本経済に関する7年間の疑問)は再読です。
霞町物語は浅田次郎の連作小説ですが,氏の中でも特に好きな小説です(他に好きなのは,『鉄道員』『メトロに乗って』)。
自伝的要素が強い,男子高校生の青春物語なのですが,とにかく格好いいし,周囲の人物達の江戸っ子の見栄っ張りな生き方に惹かれてしまいます。
今月は,新規に読んだ3冊も含め,どれもとても素晴らしい読書タイムを過ごすことができる,お気に入りの本でした。
来月以降の予定
今まで,おいらの読書する場所は,その90%が風呂で占められていました。
往復で2時間はかかる通勤電車(しかも座れる)で読めればいいのですが,座ったとたんに睡魔に襲われてしまう謎の現象(^^;)により,通勤時の読書はほとんどしていませんでした。
しかし,10月の異動で電車通勤は片道1時間半に長くなり,悲しいことにまったく座ることができないのですが,その代わり,電車に乗った途端に眠くなる,という難病が解消されました(笑)
幸か不幸か座れないおかげで,読書タイムは激増しましたので,今までよりももっといろんな本に挑戦していきたいところです。
相変わらず,ビジネス本にはほとんど興味が無く,小説や知的好奇心を満たす本ばかりですが・・・。
とりあえず,現在手持ちの見読本は以下の8冊。まずは,深夜特急全6巻を読破せねば!(^^)
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