2013年4~6月の読書記録

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読書管理アプリ,Bookdroid。これが無いと同じ本を買ってしまったり大変(笑)

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先日,3ヶ月もサボっていた月間走行記録を掲載しましたが,同じように3ヶ月にわたって毎月の読書記録もサボり続けていました。

夏休みの読書感想文のように,「早くやらなきゃいけないなぁ・・・」と思いつつ,たまりたまった読書記録は約30冊(雑誌類除く)。

面倒くさいので,一気に巨大な一覧表で掲載です。

あんまり物量が多いので,珍しくお勧め度(★3つ)をつけてみました。来月からは真面目にやる予定です・・・。

小説の部

3月ごろから,浅田次郎ばかりを読んでいますが,この3ヶ月も浅田次郎ばかり読んでいました。やめられないんだなぁ~

著者プチ感想
降霊会の夜
『降霊会の夜』
浅田次郎
久しぶりに重たい浅田次郎。誰にでも少なからず経験はあると思うのですが,「あの時,ああしてあげればよかった」「なんで,こうしなかったんだろう」という過去への思い。主人公は大切(と気づいていない)友達を捨てる,愛した女を捨てる,愛してくれた女を捨てる。そうして切り捨ててきた過去と,初老を迎えた主人公は「降霊」という現象を通じて向かい合う。しかし,そこには懐かしさや暖かさではなく,ただただひたすら悔悟の念だけが襲い,そこに救済はない。いつもは心温かく,涙を誘う作品が多い浅田次郎ですが,本書は果てしない孤独や切なさを残してエンディングを迎える。この重たさは並大抵ではなく,『多崎つくる・・・』とはレベルが違いすぎます。読んでしばらくは,ズド~ンと沈んでしまったので,同じように重たい過去を持つ人は要注意かも(おいらは,そんなではないけど)。

オススメ度:★★★
三人の悪党―きんぴか〈1〉 (光文社文庫) 血まみれのマリア―きんぴか〈2〉 (光文社文庫)
真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)

『三人の悪党-きんぴか(1)』
『血まみれのマリア-きんぴか(2)』
『真夜中の喝采-きんぴか(3)』
浅田次郎
あ~,面白い! 素直に大笑いして,胸がスカッとして,著者最高のエンターテイメント小説です。浅田次郎というと「泣かせの浅田次郎」という面が目立ちますが,実はギャグセンスもかなり良く,『プリズンホテル』や『ハッピー・リタイアメント』などでは,おっさんたちが繰り広げるドタバタがものすごく面白い。本書は,元○○という肩書きの燻ぶった3人が集まり,巨悪に立ち向かっていくというストーリーなんですが,とにかく随所にちりばめられたギャグが面白く,電車で読んでいると,自分が怪しいおじさんになってしまいます(ニヤニヤし続けている)。仕事で「あ~,イヤになる」なんて思ったときには,最高の1冊,いや,続編もあるので3冊です。

オススメ度:★★★
夏 プリズンホテル(1) (プリズンホテル) (集英社文庫) 秋 プリズンホテル(2) (プリズンホテル) (集英社文庫)
冬 プリズンホテル(3) (プリズンホテル) (集英社文庫) 春 プリズンホテル(4) (プリズンホテル) (集英社文庫)

『プリズンホテル(1)夏』
『プリズンホテル(2)秋』
『プリズンホテル(3)冬』
『プリズンホテル(4)春』
浅田次郎
ヤクザが経営する,ヤクザ専用のホテル,「プリズンホテル」(プリンスホテルではない)。このホテルを舞台に,人情話やどたばた劇が展開される全4巻。ヤクザが主人公(の一人)ということもあって,『きんぴか』に近い部分もあるのですが,こちらのほうが登場人物が多くて毎回話のバラエティーが広い。たいていは前半部分でドタバタ,ギャグを展開しつつ,ラストの方ではしんみりと〆にかかる,著者の魔法に毎回引っかかってしまいます。「きんぴか」と「プリズンホテル」があれば,泣かせ系の小説(鉄道屋など)の方は当分いいや,と思ってしまうくらいはまります。

オススメ度:★★★
王妃の館(上) (王妃の館) (集英社文庫) 王妃の館(下) (王妃の館) (集英社文庫)
『王妃の館(上・下)』
浅田次郎
倒産寸前のツアー会社が,歴史的に有名なホテルをわざとダブルブッキングして,昼間のツアー客と夜間のツアー客を強引に一部屋で入れ替えたツアーを始める。両方のツアー客が鉢合わせしないようにドタバタ劇が繰り広げられ,これだけでも十分楽しい。しかし,上下2巻もある本作では,ここに,ルイ14世の悲話というもうひとつのストーリーを組み入れ,単なるドタバタではなく,感動物のストーリーに仕上げてしまっている。もう,すごいよ,浅田次郎。なんでもありだ(笑) 幼いルイが語る純真無垢なセリフが感動的です!

オススメ度:★★★
オー・マイ・ガアッ! (集英社文庫)
『オー・マイ・ガアッ!』
浅田次郎
人生のツキに見放された3人(って,このパターン多いな,笑)がラスベガスで超巨大なジャックポットを引き当てるエンターテイメント小説。まぁ,いつものとおりなのですが,途中まではドタバタ,お笑い小説として展開していくのですが,最後の最後には「人としてどう生きるのか」というところに行き着き,プチ感動なラストを迎えます。『ハッピー・リタイアメント』でもそうだったけど,主人公が大金を手に入れてハッピーエンドではなく,それでも生きるうえでの「矜持」(著者が良く使う言葉で,おいらも大好き)を保つ。馬鹿笑いしつつ,考えさせるお笑い小説です(^^)

オススメ度:★★★
64(ロクヨン)
『64』
横山秀夫
重い。実に重い。世にたくさんある警察小説の中でも,本書ほど警察官の苦悩や正義感,組織の中に生きる人間の葛藤や出世欲など,ありとあらゆる感情が書き尽くされている本はないのではないかと思います。そもそも主人公が警察署の「広報官」なので,事件に直接関わるわけではないのですが,それだけに複雑な人間関係が主題になっています。そして,最後の最後には事件の真相が見えてきて,う~む,恐るべし横山やすし,いや,秀夫。クライマーズ・ハイでファンになっていらい,全ての著作を読んでいますが,本書はベスト3に入ると思います。

オススメ度:★★★
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
『色彩を持たない多崎つくると,
彼の巡礼の年』
村上春樹
超久しぶりの村上春樹をBOOK OFFで(笑)おいらは数年前までは,村上春樹のほぼ全著作を読み続けていましたが,『海辺のカフカ』あたりから飽き始め,『1Q84』の第1巻で決定的に飽きてしまいました(2,3巻未読)。というわけで,久しぶりに読んだ村上春樹ですが,少し面白い気がしないでもないのですが,やっぱりそんなに面白くないなぁ。過去の自分に対する後悔,そしてそれを辿る旅に出るわけですが,浅田次郎の『降霊会の夜』に比べたら浅すぎてなんともかんとも・・・。売れすぎて小説の厚みが無くなってきている感がします。ねじまき鳥とかダンスダンスダンスとか,懐かしいなぁ~

オススメ度:★★★



写真関係の本

今年の自転車トレーニングがイマイチ不真面目だった理由のひとつに,カメラ熱再燃があります。

昨年末にフルサイズデジタル一眼レフ(Nikno D600)を導入して以来,半年経っても,まだカメラ熱は高いままです。

著者プチ感想
円月撮法―アマチュア写真上達指南
『円月撮法
-アマチュア写真上達指南』
中村友一
う~,何書いてあるんだか良く分からんです。BOOKOFFで購入し,翌週,BOOKOFFに旅立っていきました・・・。

オススメ度:★
乗って・歩いて・撮って・食べる!都電荒川線フォトさんぽ (玄光社MOOK ゆる鉄ガイド)
『都電荒川線フォトさんぽ』
中井精也
写真仲間で,一度都電荒川線撮影に行こうということで購入。未だに行けてないんですが,おいらが初めて住んだ東京の街(町屋)も含めて,早く行きたいなぁ。本の方は,「ゆる鉄」でおなじみの中井精也カメラマンですから,下町情緒をゆるく写した,楽しい鉄道写真が満載です。

オススメ度:★★
うめ版 新明解国語辞典×梅佳代
『うめ版 新明解国語辞典×梅佳代』
梅佳代
梅佳代さんの写真はいつも本当に面白い。過去に,『UMEP』や『男子』なんかを見ていたのですが,本書も被写体に対する好奇心と愛情にあふれています。一応,「辞書」という形式になっているため,あいうえお順に出てきていますが,要するにいつもの梅佳代写真に,あいうえお順に楽しいタイトルが付いている感じです。たぶん,おいらには真似することができない作風ですが,本当に楽しい写真家です。

オススメ度:★★★
ポートレート・レタッチ プロ技テクニック (玄光社MOOK)
『ポートレート・レタッチ
プロ技テクニック』
新宮武彦
風景やおっさん(笑)を撮るときとは違い,女性の写真を撮るときはいつもより気を使ってしまいます。やっぱり,可能な限り,綺麗に撮ってあげたいし,喜んでもらいたい。本書はタイトルこそ「レタッチ」ですが,実はとても大事な「撮影」の方にも力を入れています。一番参考になったのは,撮影時の光やカメラの特性を反映すべく,キチンとカラーチャートを写しこんで撮影すること。そのために,X-RITEのマクベスカラーチャートを1個購入してしまいましたが,その後の撮影では明らかに肌色の再現性が高まり,好評です(^^)よかった~

オススメ度:★★★
一眼レフ or ミラーレスで楽しむ 写真ライフ、カメラ生活
『一眼レフ or ミラーレスで楽しむ
写真ライフ,カメラ生活』
MdN
BOOK OFFで100円で購入。あんまり面白くなくて,翌週にBOOK OFFへ。最近,あまりにも軽い入門書が増えすぎている気がします。どの本を見ても,露出(ほんのちょっと),エフェクト,構図を紹介しておしまい。ほどほどに綺麗に見える,ほんわか写真ばかりが紹介されていて,なんだか区別が付きません。「○○手帖」なんて本,多すぎません!?

オススメ度:★
お散歩写真概論
『お散歩写真概論』
高橋美江
「写真」のほんの入り口を,ほんの少しだけしか紹介しない入門書が多い中で,ちょっと異彩だった本書。カメラの操作方法などはさておき,どんな視点で被写体を見ているか,探しているかに主眼をあてて書かれています。自転車やクルマだと難しいのですが,徒歩の散歩でカメラを持っていくと,実に色んなものが被写体として目に飛び込んできます。本書は,そんな「面白いものの見つけ方」を紹介した,面白い本でした。BOOK OFFに行きましたが・・・。

オススメ度:★★
デジタルフォト達人への道 2
『デジタルフォト達人への道2』
Scott Keylby
ケルビー氏の『デジタルフォト達人への道』シリーズ第2巻。このおじさんは,本当に面白い。写真解説書を書かせるだけではもったいないくらい,ユーモア・ギャグのセンスが優れています。毎回楽しいのですが,本作ではカメラの内蔵ストロボが駄目駄目なことに触れ,「あらゆる写真を駄目にする機能が詰め込まれている」「クリップオンストロボを交わせるために,あえてしょぼいストロボを内蔵させている」など,くそみそに書いていて,胸がすっとします(笑)本当,なんで,世の中の99%のカメラには絶対に役に立たないストロボが装備されているんでしょうね? おいらのD600にも付いていやがるけど・・・。

オススメ度:★★★
【バーゲンブック】 風景を撮る-フォト・アート・テクニック4
『風景を撮る』
ジョン・ヘッジコー
ケルビー氏とは正反対(?)に,写真に対する真摯な思いを真面目に書き上げる,ヘッジコー氏。おそらく,手持ちで写真を撮ったことはないのではないか(=三脚)という真面目さです。その真面目なヘッジコー氏がまじめに書いた,風景写真の撮り方です。内容的には「THE BOOK OF PHOTOGRAPY」とかぶるところが多いですが,風景を正確に描写することに関して,真面目に書かれていて好感が持てます。いまの世の中では,まったく流行らない内容ですが・・・。

オススメ度:★★
デジタル一眼レフの疑問200+8 (SOFTBANK MOOK)
『デジタル一眼レフの疑問200+8』
ソフトバンクMOOK
デジタル一眼レフを使う上で知らなくても困らないけど,知っておいたら少しだけ役に立つかもしれないマメチシキを208個も紹介した本。CCDやCMOSのベイヤー配列なんて,知っていても写真のできばえに何の関係もありませんが,カメラ仲間との飲み会では,もしかしたら「へぇ~」と思われるかもしれない。そんなレベルのマメチシキ満載です。読み終わったら,200個くらいは忘れてしまいましたが・・・。

オススメ度:★
レンズ至上主義! (平凡社新書)
『レンズ至上主義!』
赤城耕一
久しぶりに面白いカメラ本に遭遇!月刊誌などでよく見かける赤城耕一さんのレンズに対する愛が詰まった本です。冒頭で,「レンズの良し悪しが写真のできばえに影響することはない」と言い切り,本書の存在意義が危ぶまれます(笑)その一方で,「このレンズだから,このときの光を捉えることができた」という思いが大事で,そのために色んなレンズを集めては使っているとも。そう,まさにそんなものだと思います。光学的にはごくごく僅かな差かもしれないですが,それを使う人間・フォトグラファーがその差を感じ取って,自分のものにすることが写真,レンズ交換の楽しさだと思います。後半は各カメラメーカーに対する著者独断の思いが書かれていて,これまた面白い。

オススメ度:★★★



自転車関係

ようやく最後に自転車関係本ですが,ヤビツ&富士ヒルクライムシーズンを迎えていたことから,(手遅れという噂もありますが)トレーニング関係の本をよく読みました。

著者プチ感想
自転車競技のためのフィロソフィー
『自転車競技のための
フィロソフィー』
柿木克之
パワートレーニング(パワー計を用いたトレーニング)について,わりと具体的に書かれた入門書です。竹谷賢二さんの『バイシクル・トレーニング・ブック』とかぶる内容もありますが,よりパワートレーニングよりの内容です。ぜひやってみたいと思いつつ,いまだにトレーニングできてないのでダメなのですが・・・。やり始めたら,もう1回読み返してみます!

オススメ度:★★
統計学が最強の学問である
『統計学が最強の学問である』
西内啓
電車の中吊り広告や書店での平積みに引かれて購入(弱いのよ・・・)。タイトルに偽りなく,「あらゆる学問の中で,いかに統計学が圧倒的に優れているか」を全編に渡って力説。むしろ,他学問を小ばかにするくらい,統計学への熱い愛を語り続けます。おいらも昔から統計学が好きで(だからこんな本を買うのだけど),仕事上で誤った統計処理を見かけるたびに燃えているのですが,そのおいらから見ても,ちょっと本書は統計学に偏りすぎ,原理主義っぽいかも。確かに,ある疫病について詳細な発症メカニズムを解明するよりも,統計学(コホート調査など)でやったほうが手っ取り早く原因が判明することがあります。しかし,それを持って「最強」というのはどうかなぁ。一歩譲って,「最速」というのが統計学の位置づけのような気がします。ちょっと気合が入りすぎなところが怖い1冊でした。

オススメ度:★
新版 これでなっとく 使えるスポーツサイエンス (KSスポーツ医科学書)
『これでなっとく
使えるスポーツサイエンス』
講談社
これは,先日の「即金よりチキン」で紹介済みの本。自転車専用の本ではなく,スポーツ全般,特に時給系スポーツをやる人が思う色んな疑問に答える本。「ウォームアップの効果はどれくらい持つか」「筋肉痛があるときはトレーニングをやめるべきか」「当日朝は何を食べるべきか」など,楽しく役に立つQ&Aが載っていて役に立つ本です。

オススメ度:★★★
栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング
『栗村修のかなり本気の
ロードバイクトレーニング』
栗村修
いろんな自転車トレーニング本を読んでいますが,この本で特徴的なのは,「トレーニングは試合の環境に慣れること」「心拍を上げるトレーニングは間違い。レースでは下げたいのだから逆」といったところです。今まで,マフェトン先生の教えもあって,非常に低負荷(60% MAX-HRくらい)のローラー台ばかりやっていたおいらにはメカラウロコでした。著者は栗村さんだから,読み物としても十分面白いし(^^)

オススメ度:★★★
したたかな生命
『したたかな生命』
北野宏明
竹内薫
ロバスト(外乱に強い)なシステムはどうやったら作れるのか?森に隣接する村を火災から守るために塀を作ると反対側からの火災に弱い。そこで街全部を塀で囲むと,火災時に逃げ場がなくて窒息する。周りの森を全部切ると洪水にやられる・・・。外乱に「強い」システムを作ると,必ず,別の穴が見つかってしまう。そこで,何億年も世代を重ねている生物に着目し,もっと,「しなやかに」対応することがロバストなシステムだと言います。ココまではものすご~く面白かったのですが,後半は二人の意見がかみ合わなかったり,猛烈に難しい生化学の用語が飛び交いすぎて付いていけませんでした~(涙)

オススメ度:★

以上で,3か月分の雑誌を除く読書記録を掲載しました。

いやはや大変な物量でした。

来月からは,もう少し真面目に,毎月掲載を目指します(^^)


■「本」カテゴリー内の前後記事
2013年07月04日 | カテゴリ:  | ID: 10707
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