2013年7~8月の読書記録

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いつもいつも,遅れがちになる「月間読書記録」ですが,今月もぶっちぎりで遅れています。

前回が6月でしたから,今回は7~8月の読書記録です。相変わらず,おっさんっぽい小説主体で読んでいます(^^)

ようやく,浅田次郎以外の本にも着手するようになってきました。

著者プチ感想
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
『ビブリア古書堂の事件手帖4』
三上 延

こんなに騒がれる(?)前に1~3巻は読んでいたのですが,なんとなく4巻は遠ざかっていました(剛力効果?)。

たまたまBOOKOFFで105円で購入できたので読んでみました。が,なんだか,「古書を巡る謎解き」部分がややこしくて,ぜんぜん分からん。主人公と栞子の関係もゆっくり進んではいますが,ちょっと読者サービス(?)が増えすぎてきているような気も。

まぁ,105円で3日間楽しめたのでいいといえば,いいのですが,定価だと高いなぁ。

震度0 (朝日文庫 よ 15-1)
『震度0』
横山 秀夫

最近,また読み始めた横山秀夫。

阪神大震災が発生した日の朝から,「N県」の県警幹部の「警務部長」が登庁しなくなり,行方が分からなくなります。課長の行方を案じるのかと思いきや,県警幹部の面々は,さまざまな思惑から情報を隠したり,衝突したり,密かに裏工作をしたり・・・。

前回読んだ「64」同様,警察組織内のドロドロぶりがひどいです。みんな,ぜんぜん仕事しないで,自分の出世と組織のメンツだけで頑張っている。でも,最後の最後には警察官の良心が垣間見られるところもあり救われます。震災はほどんとストーリーと関係ないのですが,「未曾有の災害」と「しょうもない警察内部闘争」という対比で,人間の卑小さ,自然の力を描いているのかもしれません。

が,今回の舞台となった「N県」には住みたくないなぁ,県警トップがグダグダなんだもの(笑)

陽だまりの彼女 (新潮文庫)
『陽だまりの彼女』
越谷 オサム

先月,映画「風たちぬ」を見に行ったときに予告編でやっていたので,気になって読んで見ました(ロケ地が湘南なんですよね)。

社会人になってから,仕事先で中学のときの同級生女子と再会して,恋に落ちていくという話。ちと強引なところもありますが,面白く,楽しいラブストーリーとして読めました。

物語の前半(いや,8割くらいまで)に多数の伏線が張ってあるので,もう一度読み返してみると「あぁ,こういうことか」と納得できて2度楽しめます。

ただ,書店に並んでいる本書の帯に「今年一番のオススメです」「号泣しました」「涙が止まりませんでした」とかいう書店員の言葉が書かれていましたが,いくらなんでもそれは無いでしょう。ちゃんと止まりましたよ(笑)

地下鉄に乗って (講談社文庫)
『地下鉄(メトロ)に乗って』
浅田 次郎

ずいぶん前に読んだのですが結末を忘れてしまったので,もう一回読んでみました。

著者が得意とする,戦後の混乱期を舞台にした,親と子の物語。

仕事に疲れた帰り道,地下鉄から地上に出ると,昭和の時代が広がっていたところから物語が始まります。軽い言葉で言えば「タイムスリップ物」なのですが,行き来する世界が,現代と終戦直後の混乱期ですから,明るくハッピーなだけのタイムスリップではありません。

反目してきた父親の過去を知り,自殺してしまった兄の姿に涙する。そして,自らの出生の秘密にも・・・。

なんといっても,ラストの衝撃はどうしようもないくらい,胸にグサッときます。2回読んでも刺さりました(笑)今から20年前の新人浅田次郎の作です。恐るべき新人です。

活動寫眞の女 (集英社文庫)
『活動寫眞の女』
浅田 次郎

超簡単に言えば,「幽霊になった女優を巡る青春」みたいな感じで,どこかで良く見かける設定のストーリかもしれません。しかし,どこにも無い,温かく,切なさもある小説です。映画(いや,活動写真だ),京都,大学,初恋,幽霊,戦争,活動屋・・・。

昭和と言う時代の,さらに短い期間に確かにあった,古きよき時代を描きます。主人公をはじめとする登場人物たちのひたむきさ,そしておおらかさが,「幽霊」という設定にも関わらず,温かさを感じました。素直に心温まるいい浅田ワールドです。

ロング・ロング・アゴー (新潮文庫)
『ロング・ロング・アゴー』
重松 清

久しぶりの重松清。

大人になった今,小学生や中学生だったころの自分を思い出すと,必ずしもいい思い出ばかりではなく,恥ずかしかったり,悔しかったりする場面もあるはず。そんな「なんかうまく行ってなかった自分」と再開する物語が6つ入った短編集。

あまりに若いうちに読むと生々しすぎて駄目かもしれないけど,40を過ぎると,「あぁ,そんなこともあったな」と多少の切なさを持って読むことができます。

こういう小説を書かせたら重松清は最高だなぁ,と改めて感心しきり。

「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL) (幻冬舎文庫)
『「わたしは甘えているの
でしょうか?」(27歳・OL)』
村上 龍

村上龍の小説は読んだことがないのですが,エッセーや経済関係の本はよく読んでいました。

本書は,主に女性読者から寄せられた「自分への投資と思って,最高に上等な食事やワインをと思っているのですが,お金がなかなかたまりません。どうしたらいいのでしょうか?」などいう問いに,村上龍が答える形。

もともと,雑誌の相談コーナーをまとめただけなのですが,村上龍の「実もふたも無い」ストレートな回答に,かえってスッキリしてしまいます。ちなみに,先の相談への答えは「それは投資ではない,浪費である。上等なものを食べても,それで誰かが感動してくれるわけではない。」です。

9月以降の見通し

ひょんなことから,井坂幸太郎を読み始めてしまいました。

今まで,「ゴールデン・スランバー」しか読んだことがなかったのですが,「フィッシュストーリー」を読破してからスイッチが入ってしまい,一気に全国のBOOK OFF(うそ。通勤路の4軒です)から井坂幸太郎の小説を買い占めてしまいました。

今月の未読本。伊坂幸太郎が山積み(嬉!)

今月の未読本。伊坂幸太郎が山積み(嬉!)

Nikon D600 + Nikkor 24-70mm F2.8

てなわけで,来月は,

  • 伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』
  • 伊坂幸太郎『重力ピエロ』
  • 伊坂幸太郎『オーデュポンの祈り』
  • 伊坂幸太郎『ラッシュライフ』
  • 伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
  • 伊坂幸太郎『モダンタイムス』
  • 伊坂幸太郎『チルドレン』

あたりを紹介予定です~。

『終末のフール』,『陽気なギャングが地球を回す』も探しているのですが,なかなか105円では見つからないなぁ・・・。


■「本」カテゴリー内の前後記事
2013年09月21日 | カテゴリ:  | ID: 10786
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