ダウンヒル・単独・ノーヘルの転倒事故に遭遇しました・・・。

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ヘルメットは減る滅人,ノーヘルは脳減る (駄洒落ですが・・・)

ヘルメットは減る滅人,ノーヘルは脳減る (駄洒落ですが・・・)

Panasonic LUMIX GM1 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8

ちょっと前の出来事ですが,ロードバイクの単独転倒事故に遭遇しました。

ダウンヒルで転倒したようで,頭から出血し,最初はピクリとも身体が動きませんでしたし,呼びかけにも無反応。

幸い,付近の車ドライバーが救急車手配や気道確保,給水,交通整理など積極的にやっていただいているうちに息を吹き返しました。

おいらも微力ながらお手伝いしていたのですが,すごく気になることがひとつ。

転倒者は頭しか怪我してないのだけど,ノーヘルなんです・・・。

事故の状況

事故の場所は,勾配9%程度,見通しが良い,緩やかなカーブの下り坂。

路面はとても良く整備されている道で,通る自動車も少なく,簡単に言えば「とても走りやすい道」です。

この道を,仲間3人で50~60km/hくらい(仲間の証言より)でダウンヒルしていて単独転倒してしまったようです。

転倒しなかった2人はそのまま麓まで下りきった時点で,1人がいないことに気が付き,引き返して坂を上り始めました。

おいらは,ちょうど同じタイミングでタイムアタック(もちろん上りね。下りは大嫌い)を始め,その2人を追い抜いたところで,転倒者を発見した次第。

事故現場の上流50mほど。ほんとに良く整備された,広い道です。

事故現場の上流50mほど。ほんとに良く整備された,広い道です。

SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9

おいらが発見したときには,既に,とても親切な自動車のドライバー2人が救急車手配を完了し,声掛けや気道確保に取り組んでいました。

最初は呼びかけにも無反応でしたが,大声で呼び続けるとともに,濡れタオルで首や身体を冷やしたりしているうちに,目が覚めたのか,僅かながら反応を示すようになりました。

おいらは,水を提供したり,通りがかりの人から借りた日傘で日陰を作るくらいの,僅かな手伝いしかできませんでした・・・。

ノーヘルでダウンヒル60km/hって・・・

勾配9%の下り坂を60km/hでダウンヒルしていた3人は,いずれもノーヘルでした。

こんなに条件のいい道で単独転倒しているようでは,そもそも60km/hを出す技量・資格があるかどうか怪しいものですが,ノーヘルが事態をより深刻にしてしまいました

幸か不幸か,それだけの速度で転倒した割には身体には目立った傷が無く,頭だけが血を流している状態でした。

救護をしていた方々も,みな口々に仲間2人に「なんでノーヘルなんだよ!」と怒っていましたし,通行人も「ノーヘルじゃねぇ」とつぶやいていました。ごもっともです。

おいらは,ヒルクライム途中だったので,はっきり言ってクソ暑かったのですが,ヘルメットは脱がずに救護に参加し続けました。救護の方々には「仲間の人かい?」とも尋ねられましたが,両手を振って否定。冗談じゃない。

自転車に乗るのにヘルメットは法的には義務付けられていません。

中には「ヘルメットなんて自己責任で被らなくてもいい」なんてホザいている著名人もいます。

その人が自己責任で死ぬのは勝手なのですが,どんなに走行技術を磨いても,ご自慢の青い自転車を完璧に整備しても,不可避な事故に巻き込まれる確率はゼロではありません。

どんなにアホな命でも,どれだけ沢山の人たちが,そのアホな命を救うために一生懸命頑張るのかを考えた方がいい。

付近を走っていた自動車の方々,歩行者,一緒に下った仲間,救急隊員(3名),おいらなど,総勢10名程度。病院に着いたらもっと沢山の人たちの手を借りて,ようやく一命を取り留めるのでしょう。

なにが「自己責任」なんだか・・・。

じゃあ,這ってでも家に帰れよ,と言いたい。


最低限のマナーを・・・

ハイヒールで富士登山している人がいたら,だれでもアホと思うでしょう?

リーシュ(流れ止め)を付けないサーファーには近づきたくもないでしょう?

富士山をハイヒールで登ってはならないし,リーシュを付けない奴はサーフをやってはいけません。

ヘルメットを被らない奴はダウンヒルなんかやらない,法律うんぬん以前のマナーの問題だと思うのです。

だいたい,そんなにイヤなもんですかねぇ? おいらは,着けない方がイヤですが・・・。

だいたい,そんなにイヤなもんですかねぇ? おいらは,着けない方がイヤですが・・・。

Panasonic LUMIX GM1 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8

たまに,「ママチャリだって事故るんだから同じじゃん」とかいうボケナスも見かけますが,事故の発生確率の高さ・ハザードの大きさ,どちらもママチャリとロードバイクでは比較にならないでしょう。

そもそも,ママチャリとロードバイクは全く違う乗り物なんだから・・・。

自家用車とF1(ちとオーバー?)は違いますがな。

ママチャリで転んで命を失うことはまれでしょうけど,圧倒的にスピードが出るロードバイクで転んで無傷でいるほうが珍しい。

こういう,「誰が見てもバカな自転車事故」が全国各地で増えていき,だんだん走りにくい世の中になっていかないことを祈るばかりです。

だって,ロードバイクには興味の無い,救護に駆けつけた一般の人たちみんなが「なんでヘルメットかぶってないんだよ!」と口々に怒るくらいなんですから。

愛するヤビツもバカライダーが増えているみたいで,少し心配です・・・。


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2014年08月20日 | カテゴリ:  自転車コラム | ID: 11139
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