パイの分割と無料化公約・・・

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これは,パイじゃなくてピザ。最近,あまり作ってないなぁ・・・。

これは,パイじゃなくてピザ。最近,あまり作ってないなぁ・・・。

Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D

明日に迫った衆議院選挙を控え,いろんな政党がいろんな「無料サービス」や「助成制度」を打ち出してきています。

が,そんな公約(今風だと,マニフェストですか)をテレビや新聞報道でみるたび,憂鬱な気分になります。

彼らがやろうとしているのは「富(=パイ)の分配の仕方」だけであり,「富自体を増やそう」という提案ではないからです・・・。

富の分配方法だけの政策

今,いろんな政党や政治家が耳障りのいい言葉で訴えているのは,「○○を無料にします」「○○歳まで無料です」といったたぐいの物ばかり。

でも,そのお金,原資はどこにあるのでしょう。

高度成長やバブルの頃であれば,パイ(≒富)を国民の幅広い層に分配することはとても重要なテーマでした。例えば,自動車や電機といった主力産業が創出した富を衰退しつつある農業部門に分配する,といったことです。やり方はそんなに難しくなく,法人税で集めた富を農業に対する補助金で分配すればいいことです(もちろん,それだけではありませんが)。

カズボンさん誕生日。明らかに不公平な分け方をしようとしているが・・・?

カズボンさん誕生日。明らかに不公平な分け方をしようとしているが・・・?

Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D

んが,今聞こえてくる公約では,原資が見あたりません。

どこにある富を分配しようとしているのでしょうか。国会議員を減らすなんていう凄い提案のもありますが,そんなことで数100億円なんてお金は出てきません(反対はしませんが・・・)。


答えは,たぶん,,,「将来の富」だと思います。もっと普通の言い方をすれば,国の借金,国債が富の原資なのでは?と思っています。

国債を発行して,「無料」や「補助」に使う。

これは,将来の富を現在に分配という方法です。そうやって考えると,「少子化対策のために○○歳までの教育費や医療費を無料にする」というのは,ものすごい政策です。

自分の子供(や孫,曾孫)の世代から金を巻き上げ,今の親が使ってしまおう!というのですから・・・。

ユウキチさん誕生日。ケーキを分割する前から奪い合いになっている(笑)

ユウキチさん誕生日。ケーキを分割する前から奪い合いになっている(笑)

Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D

ただ,少子化対策というのは,パイ(富)自体を大きくしていこう!という政策でもあるので決して悪いことでは無いと思います(お金がかかっても)。

悪いのは,多くの政党が「無料!」をアピールしている点です。


本当に「無料」なのか?

何かをやるには,お金がかかります。

もっと言えば,「人」や「物」も必要であり,これらにはやっぱりお金がかかります。

つまり,「何かをやるのにお金がかからないと言うことはなく,もし,『無料』をうたっているのであれば,それは誰かが代わりに負担している」ことを意味します。

例えば高速道路。

今は1000円化で大喜びしていますが,よその国では0円もあります。

が,どこの国でも道路を整備維持するには莫大な費用がかかります(SimCityをやったことがある人は分かります)。それなのに,高速道路を走る人がお金を払わないとなると,誰がお金を負担するのでしょうか。

まぁ,普通は税金でしょう。

となると,車を持っている・いないに関わらず,みんなで負担することになります。おいらの友人は都内に住んでいる人がいますが,ほとんどの人が車を持っていません。それでも,高速道路の維持費を分担することになります。

自動車を持っている人だけから取る自動車重量税なんかでまかなえるなら,まだマシですが,それでも,「おらは高速道路なんて走らん」っていう人からも徴収することになってしまいます。

結局,本当の公平性を保ちたいのであれば,「高速道路を走った人から相応の維持費用を徴収する」のが一番簡単です。



無料化とモラルハザード

子供を持っている人はよくご存じと思いますが,いま,近所の小児科に出かけると,3~4時間待たされるなんてのが当たり前になっています。

小児科医が不足している,というのが最大の理由とは思いますが,それとは別に,「ささいな症状でやってくる患者が多い」ということも絶対にあると思います。

多くの自治体(我が藤沢市も)で,かなりの年齢までの小児医療費が「無料」化されています。

最初の頃は,「うっほっほ,無料だよ♪」と喜んでいたのですが,今はうんざりしています。完全な無料化がもたらしたのは,前述のように,「やたらと混んでいる小児科」という現象でした。

無料なんだからどんどん病院に行きます。自分の負担じゃないんだから(と思いこんでいる),薬もどしどし貰います。そうして,医療費が膨れ上がり,最終的には自分たちの負担になっていきます。

そして,なにより困るのが,やたらと待たされた上に数分しか診て貰えず,十分なサービスを受けることができない,という状況です。

無料化→患者殺到→待ち時間増大・医療サービス低下・医師不足・過労

そして,最後には医療費増大。

こんな,アホみたいな制度がなんでどんどん増えていくのか不思議でしょうがないです。

人間,「無料」だったら歯止めが利かなくなるのは当たり前です。サービスを受けるからには,少しでもいいからお金を取るべきです。ただより怖いものはないのです。

子供を持たない人や中学生以上になった人は,本当にこんな風に医療費を湯水のごとく使い続ける制度に賛成するのかな・・・。と,小学生の子供を持ち,医療費無料のパパは悩むのでありました。

困ったもんだなぁ~

いつになく,妙に政治的な主義主張(?)に彩られたフォトポタ日記ですが,明日の選挙が終われば,ふつうの(?)フォトポタ日記に戻ります~


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2009年08月29日 | カテゴリ:  くらし | ID: 2076
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