カタログスペックとは・・・
今日,会社帰りにビックカメラに寄りました。
「28mm単焦点」という潔いコンデジ,RICOHのGR Ditigalを見に行ったのですが,残念ながら展示機は無く,かわりにあまたのコンデジとそのキャッチコピーが氾濫していました。
「高画質1000万画素!」「12倍ズーム!」 まぁ,ウソはついていませんが,どうしたもんだろう・・・?
高画質1000万画素!
まずは,デジカメの性能指標の一つ(らしい)画素数から。いつの間にか市場から600万画素機はほとんど姿を消し,今や主流は800~1000万画素機。でも,印刷をやる人や,ちょっとカメラに詳しい人なら,最近の高画素化には「?」だと思います。
「高画質!」という表現は論外だとしても,要するに「高解像度でアルヨ」と言いたいのでしょう。でも,解像度とは,dpi(dots per inch)やlpi(lines per inch)で表されるように,縦横方向の画素の密度です。
例えば,おいらのD70(600万画素)とD40(800万画素)を比較すると,縦横方向の解像度は,800÷600=1.33倍ではなくて,その平方根である1.15倍です。つまり,解像度は15%の向上。一方,画素数は1.33倍ですから,感度に直結する1画素あたりの面積は1÷1.33で25%ダウンです。
結局,D70→D40の比較では,解像度が15%だけ向上し,感度は25%ダウンしています(撮像素子の技術進歩で,感度はもう少しいいのかもしれませんけど)。D200(1000万)では,解像度29%向上,感度は40%もダウンです。
「感度は犠牲にしても,解像度が大事なんだ!」というのであれば,こういうモデルチェンジもしょうがない気もするのですが,おおかたの評論家やユーザーが言ったり感じたりしているように,普通にプリント(4Lくらいまで)するなら,実は600万画素ですでに十分だったりするのです。フィルムで中版を使っていたならまだしも,デジカメで画素数にこだわる理由はプロでもない限り,無いと思います。
既に十分な解像度をほんの少し上げるために,大幅に感度低下を続ける理由が分かりません。単純にカタログスペックを向上させるだけな気がしてとても残念です。
おいらが欲しくてしょうがないD200も,無理に1000万画素も詰め込んだ上に,あちこちからノイズ,ノイズと騒がれています。最初から600,800万画素くらいにしておけば良かったのになぁ~,という気がします。
12倍ズーム!
「X倍ズーム!」と言われると,なんかもんのすごい超望遠な気がしてしまいますが,そんなことはありません。単純に,最望遠焦点距離÷最広角焦点距離,です。広角に寄るほど倍率は増えます。
そもそも,写真を撮る時に「最望遠と最広角の差」を気にして撮る人はいないと思います。悪い指標ではないですが,あまり意味のない指標のような気がします・・・。
まぁ,画素数商戦に比べると,あまり害はなさそうですけれど(10倍も12倍も画質的には差が無さそう),なんか誤解を招きやすいですよね。
24段変速!
これは自転車。全然トップスピードと関係ないんだけど,なんか数字がデカイ方が速そうな気がします。おいらのLGS SIXは,フロント3×リア9なので27段ですが,普段はフロントアウター×リア4~9くらいしか使わないので実質6段です。
でも,格安通販,特にルック車販売店などでは,重要な販促キーワードになっているようで,「驚きの速さの24段変速!」などというキャッチコピーをたまに見かけます。
本当は24段より18段,さらには20段の方がはるかにお値段高いんですけど・・・,とか思いつつ,「おぉぉぉ~! 24段変速~! すげぇ~!」と踊らされている我が家のチビ達を見ると,それなりに販促効果はあるんだなぁ,と感心しています。
(^^)
以上,珍しくブツブツぐちる(?)フォトポタ日記でした。
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