新年工作第2弾(?),Qステアの修理成功!
復活した,Qステアのマリオ号。ふぅ,大変だった(^^)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8昨年のクリスマスに購入したサンタさんからもらった,タカラトミーのチョロQ型ラジコン,「Qステア」(楽天で最安値検索)が動かなくなってしまいました・・・。
Qステアは,赤外線コントローラーで操縦する超小型(チョロQサイズ)のラジコンです。ユウキチがマリオ,カズボンがヨッシーなのですが,マリオの方が左方向にステアリングが切れなくなってしまいました。
購入からサンタさんからもらってわずか2週間で動かなくなってしまっては悲しすぎるので,なんとかしてやらなければなりません。が,価格は1,500円と格安のため,修理に出すなら買ってしまった方が安いくらい。いったい,どうしたらいいやら・・・?
自分で直すに決まっています!!
おいらにはお金はないけど,暇と根気だけはあります。
早速,ヨッシー号とコントローラーを入れ替えてみましたが,症状(左折だけできない)は変わらないので,問題は本体にあることはすぐ分かりました。
が,なんせチョロQサイズの超小型ラジコンですから,これから先の修理は結構大変でした。結果的にはなんとか修理できたのですが,その軌跡を追ってみましょう。
本体内を見てみる
ボディーは車両後部にパチンと挟まっているだけなので,小さなドライバーでも差し込めば簡単に開けることができます。
が,内部は冗談のように細いリード線が張ってあるので,気をつけて開けないと,ドライバーや指なんかで切断してしまいますので注意が必要です。
開けてみると,内部はこんな感じです。
ボディーをはずとこんな感じ。極小の基板に赤外線受光部が乗っかっています。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8てっぺんに基板が乗っています。そこから,べらぼうに細いリード線が延びているようです。さらに,フロント部分をバラすと,極小のコイルが二つ並んでいます。
フロント部分のカバーを外したところ。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8さらにステアリング部を外すと,小さなコイルが出てきました。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8でも,これだけでは何がなんだか分からないので,まずはテスターでチェックしてみることにしました。
動作原理判明
手持ちのテスターをDC電圧レンジにして,マイナスを電池(LR44×2)のマイナス,プラスを基板の各部にあてます。この状態でユウキチ君にリモコンで操作してもらい,ステアリングを切ったときの各部の電圧を測ります。
リモコンを操作しつつ,テスターでA,B,Cの3カ所の電圧を測定します。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8すると,コイル部分へのリード線が出ている写真のABCの3つの部分について,Aの部分は常にマイナス(0V),Bは左折操作時だけプラス,Cは右折操作時だけプラスになることが分かりました。
どうやら,曲がりたい方向のコイルに電流を流して磁力を発生させ,ステアリングロッドに付いている永久磁石と引き合ってハンドルを切っていることが分かりました。
また,BもCもリモコン操作時にはプラス電圧が発生していることから,基板部分では問題は起きていないことも分かります。
となると,不具合箇所は「リード線」か「コイル」のどちらかということになります。
原因箇所判明
リード線は,とてつもない細さです。例えようがないのですが,髪の毛ですら太く見えてしまうほど細いのです。
このリード線をピンセットでつまみ,ちょいちょい揺らしてみて,断線の有無を確認してみますが,とりあえずはきちんと接続されていそうです。
続いて,左折用のコイルを調べてみようと,同じくピンセットでつまもうとしたところ・・・,シャーシから外れて,テーブルの上をころころと転がっていきました。
転がっていった犯人(コイル)をつまむ。しかし,小さい・・・。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
犯人判明です。コイルを励磁する2本のリード線がともにコイル部分で断線していたのです。また,コイルを固定している接着剤もはがれていました。
故障の進展モードは,チビ達が激しく遊ぶ→接着剤がはがれる→コイルが揺れる→コイルのリード線接続部に応力がかかる→金属疲労で断線,といったところでしょうか?
さぁ修理だ(コイル接続部分)
原因が判明すれば,あとは修理するだけです。
どんなに小さくてもコイルというからには,(単相ですから)2本のリード接続部があるはずです。ぱっと見たところ,単なる金色の固まりに見えるのですが,電線を巻いて作るという構造上,少なくとも1本は内側(芯)からでているはずなので,つまようじでちょいちょいつついてみると,案の定,金色の線が出てきました。
コイルの中心をつつき,波平さんの髪の毛を引っ張り出すことに成功(^^)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8まるで波平さんの1本髪みたいですが,これが命綱です(^^)
後で基板からきているリード線と接続する必要がありますから,サンドペーパーでちょっとだけこすって皮膜をはがしておきます。
で,もう1カ所の接続部ですが,これがなかなか見つかりません。そこで,ユウキチ君が科博で購入した10倍拡大鏡を使って10分ほどかけて隈無く探し続けた結果,リードの接続部を発見しました。コイルの巻き終わりの部分でぽっきりと断線していました。
拡大鏡でコイルを観察すること10分。ようやく切断箇所を発見しましたが・・・。
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8この,巻き終わりの部分を引っ張り出してやればOKなのですが,コイル全体は樹脂でコーティングされて固めてあるため,再度引き出すのはかなり難しい状態です。
つまようじは論外としても,ピンセット,裁縫針,千枚通し,何を使おうとしてもコイル線の何倍も太いので,巻き終わり部分を引き出すことができませんでした。
そこで最後の手段として,接続部分のコイル線の皮膜を強引にこすって,リードを直接接続することにしました。
コイル本体の接続部分のところを,千枚通しでなんどもこすり,皮膜(たぶんエナメル)をはがします。さらに,その後のリード接続を簡単にするために,極細のハンダごてでハンダをつけておきます。
ようやく,リード線と接続する準備完了!
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8また,念のため,このハンダ部分と「波平さんの1本髪」の導通をテスターでチェックしておきます(もちろん,OKでした♪)
修理(リード接続)
コイル部分の修理が完了したので,今度は基板からでているリード線と接続します。ここは,今までの作業に比べればだいぶ楽ちん(とは言え,激細リードの接続なので大変ですが・・・)でした。
リード線接続完了! あと少しで完成だ!
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8基板側からきているリード線の先端もヤスリで磨いて皮膜をはがします。そして,極細はんだごてでコイルと接続して,とりあえずは,電気的な修理は完了。
コイルを元通りの位置に戻して,とりあえず,電気的には修理完了!
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8そして,コイルを嵌める場所にほんの少し接着剤を付け,コイルを元の位置に戻します。また,リード線をピンセットでつまみ,シャーシにきれいに沿わせます。後はボディを元通りにして,写真を何枚か撮って,修理完了です。
修理結果
修理完了後,リモコンでステアリング操作をしてみると,きちんと左・右にタイヤが曲がってくれました♪
リモコンで操作すると,右,左,右,左・・・,完璧だ(^^)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8実際に走らせてみると,修理をした左折側は,ちょっとアンダーステア気味。コイルを削って強引にハンダ付けしたため,何ターンかは使えなくなってしまったはずなので,磁力が少し弱くなって左側だけアンダーになっているようです。
とはいえ,チビ達同士でレースをやるには十分な完成度合いです。
最初,修理のためにボディをはずして極細リード線を見たときには,「げっ,これを修理するのか。歯科技工士かいな・・・?」と思いましたが,実際にやってみると,脳神経外科手術レベル(?)でした・・・。
髪の毛なんだか,リード線なんだか・・・。左に見えるのはピンセットです(でかっ)
Nikon D70 + SIGMA 50mm MACRO F2.8修理時間はおよそ2時間。そのうち,最低でも30分は虫眼鏡を使っていました。「よくこんな細かい製品を作って1,500円で売れるよなぁ」と思いつつも,「もう少し頑丈に作ってくれたらいいのにナ」と思いました。
手術後,軽快に走るユウキチ号(マリオ)
Nikon D70 + VR24-120mmこちら,カズボン号(よっしー)
Nikon D70 + VR24-120mmきっと,全国には,ふつう~に使っていただけで動かなくなってしまい,泣いているチビちゃん達がたくさんいることかと思います。
そんなかわいそうなお子さま達のためにも,参考になれば幸いです。
【必要な物一覧表】
- 極細はんだごて
- 虫眼鏡
- ピンセット
- つまようじ
- 精密ドライバーセット
- テスター
- やる気 & 修理代を払いたくないケチさ
- ど暇な時間
- チビ達の切実な訴え
です(^^)
修理用品達。コレを片づける気力も必要です・・・。
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