三転び三起き - カーボン末端処理やり直しの巻

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一見,すごくキレイに見えますが,爪でつついてエポキシを剥がしたあとのISPです。<br />爪でこんなキレイに剥がれてしまうとは・・・。

一見,すごくキレイに見えますが,爪でつついてエポキシを剥がしたあとのISPです。
爪でこんなキレイに剥がれてしまうとは・・・。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

本ブログ内の紹介記事へつい数日前にコラムカット作業が完了してほっと一息したのもつかの間。切断したコラムの末端処理としてエポキシ接着剤を使っていたのですが,「それじゃだめですよ~」というご意見を頂いておりました。

以前のISPやBB周りの修理の時にも,ひらひらさん他,いろんな方が「瞬間接着剤でやるけどな~」というご意見をいただいておりました。

というわけで,完成したばっかりですが,もう一度ふたを開けてみて検証することにしました。

カーボン末端処理の目的

おさらいですが,カーボンの切断面や破損面(涙)には,接着剤による末端処理が必要とのことです。

末端処理には目的が二つあります。

  • カーボン繊維が吸湿するのを防ぐ
  • カーボン繊維がばらけてくるのを防ぐ

LOOK号では,本ブログ内の紹介記事へインテグラルシートポスト(ISP),ステアリングコラムの2カ所をノコギリで切断,末端処理しています。また,本ブログ内の紹介記事へチェーン事故によって傷ついたBBハンガー部の修理もしています。

そして,いずれの処理も,「樹脂っていうくらいだからエポキシかな?」ということで,エポキシ接着剤を薄く塗る処理をしていました。


現状処理の検証結果

対象となる3カ所のうち,一番気になるのはISP。なぜなら,切断面に力が直接かかるのはここだけだからです。

LOOKのISPはE-POSTと呼ばれ,設計上はポスト内部で膨らませるゴムで支えていることになっていますが,実際にはISP上部の切断面にもかなりの応力がかかっています。

そこで,まずはISPの末端処理状況から確認してみました。

E-POSTを外して切断面を見てみる。お~,ちゃんとしているじゃん~(^^)

E-POSTを外して切断面を見てみる。お~,ちゃんとしているじゃん~(^^)

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

E-POSTを外してみると,写真のように,非常にきれいな仕上がり状態を保っています。

「特に何もないじゃん。驚かして~(^^)」と思いつつも,爪でちょいちょいつついてみると,なんと,簡単にはがれ落ちてしまいました(驚!)

夏の終わりに,日焼けした皮がむけるみたいに,簡単にポロポロと白いエポキシが落ちていきます。

o.kさんには「ケレンすると分かりますよ」と言われていたのですが,指だけでこんなにきれいに剥がしきってしまいました。

爪でつつくと,あれ? 簡単に剥がれるぞ??

爪でつつくと,あれ? 簡単に剥がれるぞ??

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
数分後。きれいサッパリ脱皮(?)したISP。

数分後。きれいサッパリ脱皮(?)したISP。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

おぉ,なんたるちあ,さんたるちあ!(=おやじギャグ)

そして,最新施工後のステアリングコラムもごらんの通り,全く同じように簡単に剥がれます。施工後1週間ですから,劣化でもなんでもなく,最初からくっついていないということです。

コラムも剥がれます。しかし,分厚いな・・・。

コラムも剥がれます。しかし,分厚いな・・・。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

最後に,BBハンガーの修理部の検証に入ります。なんで,最後にやるのかと言えば,この部分を見るためにはチェーン・クランクを外さなければならないので,ISP・コラムで問題がなければいじらないで済まそうと思っていたからです。

しかし,ISPもコラムもボロボロ(いや,ポロポロか?)だったので,しぶしぶチェーンを外し,クランクを外して調べてみることにしました。

BBハンガー部。こちらは,「日焼け肌」とうより,「かさぶた」という感じ。

BBハンガー部。こちらは,「日焼け肌」とうより,「かさぶた」という感じ。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

結果はごらんの通り。3カ所のうちで,一番,「ポロポロ度」が高かったです。

エポキシで固めた上にクリアスキンでカバーしていたのですが,カバーを外して指でつつくと,かさぶたのようにポロリと剥がれ落ちてしまいました・・・。

以上,3カ所ともだめだめ状態であることが判明しました。いやぁ,早めに気が付いてよかったであります・・・。



修復処置完了!(^^)

o.kさんや多くのネット情報によると,カーボンの末端処理で大事なのは粘度が低い接着剤を使うことで,瞬間接着剤が理想的とのこと。

というわけで,おいらも素直に瞬間接着剤を使って修理することにしました。また,プライマーを使う人と使わない人がいるようですが,おいらは使ってみました。

検証したときと同じくISPから取り組んだのですが,切断面に瞬間接着剤を垂らしたとたん,カーボン繊維の間にす~っと吸収されていきました。

今回は,細~いノズルの付いた瞬間接着剤でやってみました。ぐんぐん浸透していきました。

今回は,細~いノズルの付いた瞬間接着剤でやってみました。ぐんぐん浸透していきました。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

やってみてすぐに「あぁ,これか~」と分かりました。おいらが使ったエポキシ接着剤は,粘度がものすごく高いですから,カーボン繊維の隙間に入り込むなんてことはなく,切断面の表面だけに蓋をするようなものです。

それに対して,瞬間接着剤は,低い粘度・表面張力によって,繊維の中まで浸透していって固化します。これは強いであります。

ただ,瞬間接着剤の性質上,「指でならす」というのは難しそうです。おいらは,細~いノズルが付いた奴を使ったので,このノズルで薄~く伸ばして塗ることができました。この辺は,もっとうまくやるためのノウハウがあるのかもしれません(刷毛とか?)

で,できあがりはこんな案配。

ちょっと白化してしまいましたが,まぁ,こんなモンでしょう。固くて剥がれないですし(^^)<br />今週末に細かいサンドを買ってきて仕上げようっと。

ちょっと白化してしまいましたが,まぁ,こんなモンでしょう。固くて剥がれないですし(^^)
今週末に細かいサンドを買ってきて仕上げようっと。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

ちょっとだけ白化してしまいましたが,薄~く頑丈になってくれました。つついても剥がれません(喜)

本当は目の細かいサンドがあればいいのですが,あいにく手元には200番台とかしかなかったので,今週末に細かいのを買ってきて,再度しあげてあげましょう
(^^)

そのほかの,ステアリングコラム,BBハンガー部も同様に修繕しておきました。ハンガー部の所は,本当にぐんぐんと接着剤が染み込んでいきました。エポキシ接着剤ではとても真似できません。

BBハンガー部。左の大きな傷が修理完了。次は右側の小さな傷を処置しましょう。

BBハンガー部。左の大きな傷が修理完了。次は右側の小さな傷を処置しましょう。

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8
しかし,なんとも大作業である。まぁ,とても楽しいからいいんだけど(^^)

しかし,なんとも大作業である。まぁ,とても楽しいからいいんだけど(^^)

Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8

いやはや,3回処理して,3回やり直すとは手の込んだ作業ですが(笑),おかげで良い勉強になりました。

カーボンの切断面や破断した箇所は瞬間接着剤。これからは,Shiro家の家訓として末永く語り継がれていくことでしょう。

o.kさんをはじめ,みなさん,ありがとうございました~


■「LOOK」カテゴリー内の前後記事
2010年05月24日 | カテゴリ:  LOOK | ID: 9786
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