新DURA-ACEへの遠き道のり(ケーブル張り失敗編)
ブラックがカッコイイ,新DURAのSTIレバー。格好はいいんだけど・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D長年の夢(ちょいオーバー?)が叶って始まったLOOK号の新DURA-ACE(7900系)化計画。
しかし,悲しいかな見習い職人(=おいら)の技術力不足のために,いきなり「失敗」になってしまいました。
10速化でやるべき作業って?
LOOK号はDURA-ACE化うんぬん以前に,現状がTIAGRAの9速コンポ構成ですから,10速のDURA-ACEにするためには,チェーン・スプロケットまで交換しなければならず,かなりの作業が必要になります。
今回の作業を列挙すると,こんな感じです。
- ハンドルのバーテープを剥がす
- シフト×2,ブレーキ×2のインナー・アウターワイヤをすべて取り外す
- 9速チェーンを取り外す
- 9速スプロケを取り外す
- リアディレイラのプーリーを外して,洗浄して,組み立てる
- 10速スプロケをセットする
- 10速チェーンを取り付ける
- 左右のSTIをハンドルバーに取り付ける
- 前ブレーキのアウターを洗浄した上で張り直す(再利用)
- 前ブレーキのインナーを洗浄した上で張り直す(再利用)
- 後ブレーキのアウターを洗浄した上で張り直す(再利用)
- 後ブレーキのインナーを洗浄した上で張り直す(再利用)
- 前シフトのアウター(インラインアジャスタ含む)のルーティングで悩む
- 後シフトのアウター(インラインアジャスタ含む)のルーティングで悩む
- 前シフトのアウターを適正な長さに切断&切断面のヤスリがけ
- 前シフトのインナーを注油しながら配線
- 後シフトのアウターを適正な長さに切断&切断面のヤスリがけ
- 後シフトのインナーを注油しながら配線
- 前ディレイラのSIS調整
- 後ディレイラのSIS調整
- ハンドルバーテープを巻き付ける
- ぐったりして寝込む
正直言って,LOOK号を一から組み上げたときと,作業量はほとんど変わりません。違うのは,作業対象のRDとFDとブレーキが最初から付いているくらいで,残りのはほぼ同じ作業量です。
作業の様子
前述のように,作業量は(おいらにとって)かなりの分量。
しかし,ここ2週間ほどLOOK号に乗れていなかったため,土曜日中に完成させて日曜日には快適なDURA-ACE生活を始めてみたい一心で,意地でも土曜日中の作業で完了させてみました。疲れた~。
STIレバーの固定ボルトはてっぺんにあります。すごく奥でやりにくいなり・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
超久しぶりのチェーンカッター。2年ぶりくらいに使いました。
簡単にチェーン着脱できる「クイックリンク(SM-CN79」は不具合が出ているようで,市場から姿を消しています・・・。
写真ではコマを噛んでいませんが,作業ではちゃんと噛ませて無事接続しています(^^)
ついでなので,セラミックプーリー(夢屋)もきれいにしてあげました。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D10速(12-27T)スプロケに交換! きれいだな~(←アホ?)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dアウターワイヤーを仮止め中。この時点で気が付いていれば・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dシフトのインナーはこんな場所から入れます。ものすご~~~く入りにくく,イライラします!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dブレーキはもっと予想外の所。ネームプレートを剥がすと,タイコを押さえるフックが出てきます。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dとりあえず完成~! おぉ,もの凄くスッキリしている!!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
で,作業結果は?
我が人生初のDURA-ACE体験は「むお? こんなはずじゃ・・・」という,イマイチなものでした。
日曜日は江ノ島界隈を25kmほど走ってみたのですが,まず,シフト操作がモッサリと重い状態でした。
特にフロントは激烈に重く,アップは「(カーボン製の)STIレバーが折れるんでは?」という感じでしたし,ダウンですら「なんか,操作間違えたか?」と思えるほど重いものでした。
リアについてもやっぱり重く,しかも,操作頻度が高いですから,たった1時間走っただけで右手が疲れて握力がなくなってきてしまうほどです。しかも,リリース操作をしても,戻りがモサーっとしています。ワイヤの「引き」だけじゃなく「戻り」も重いのです・・・。
さらに,これは完成写真を見られた,3姉妹パパさんに指摘されてしまいましたが,シフトワイヤーが短すぎたせいで,ステアリングもものすごく悪くなっていました。
左右に切りきれないわけではないのですが,重いのです。直進性の高いと言えなくもないですが(言えないか・・・),要するに「曲がらない」わけですから,恐ろしいセッティングです・・・。
あ,全体的には失敗作でしたが(涙),FD・RDの動作やブレーキの効き等では全く問題なしでした。この辺は次回以降にご紹介しますが,特に心配だったFDの互換性については,今のところ(って,25kmしか走ってないじゃん)杞憂で終わったようです(^^)
なにが原因だったのか?
せっかく,喜んで組み上げたDURA-ACEが期待を裏切るダメダメぶり。一体,誰の(おいらだよ),何が原因だったのでしょう・・・?
激重シフトの原因
7900系DURA-ACEでは,カンパのようにシフトワイヤがハンドルバーに添う形に変更になりました。
昆虫の触角のように,ハンドル前方に張り出していたシフトケーブルが目の前からなくなるわけですから,かなりすっきりした感じになります。自分では使う気はあまりありませんが,ハンドルバーにつけるタイプのバッグの装着も簡単そうです。
しかし,肝心なことを失念していました。
従来に比べて「シフトワイヤが曲がる部分」が増えるわけですから,よほど注意して配線をしないと「引き」が重くなってしまうわけで,見た目のすっきり感を優先して,この点にあまり気配りしかしなかったおいらは,激重シフトになってしまったのでした・・・。
ここが人生の分かれ道。
写真ではハンドルバーに真っ直ぐ向かうルートに差していますが,実際には左斜めの穴に差し,ハンドルの内側を通るルートを選んでしまいました。
7900系のシフトワイヤのルーティングは,ハンドルバーの内側と外側の2種類あり,ハンドルバーの形状によって選べるようになっています。
おいらは,「ハンドルバーの内側ルート」を選択しました。たいした理由は無かったのですが,なんとなく,自分から見てハンドルバーの向こう側をケーブルが通っている方が,見た目がいいのでは?と思ってのことです。
しかし,おいらのFSAのコンパクトドロップハンドル(WING PRO31 COMPACT)は,文字通りリーチがとても短いので,「内側ルート」を選択した場合には,STIを出てすぐに直角に近い角度の急カーブが待ち受けています。
しかも,この部分(ハンドルバーの「肩」)については,今回の作業では念入りにビニールテープとバーテープで,シフトワイヤを丁寧にハンドルバーに沿わせまくったため,かなりきついアールになっていました。
これが,「激重シフト」の主要な原因です。
このほかにも,
- 必要性の低い(リアはディレイラ側で調整できる)インラインアジャスタの挿入
- BB~リアディレイラ間のダストカバー
- アウターの切断面のできばえの悪さ(ワイヤーカッターが壊れているのです・・・)
なんかも,重さの要因になってきていると思われます。
曲がらないステアリングの原因
コレは簡単。シフトケーブルが短すぎたからです(笑)
シフトケーブルが短すぎです。アジャスタがゴチャゴチャしているし・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
しかし,簡単そうでいて,意外と難しい問題があったりします。
LOOK 595はシフトワイヤはフレーム内蔵式です(リアブレーキも)。最近でこそ,ワイヤ内蔵式のフレームは珍しくなくなってきましたが,595はちょいとした特徴があります。
- シフトケーブルのフロント・リア配置が,一般的なフレームとは逆さま(?)
- フレームへの入口が,ヘッドチューブに近い位置に設けられている
1.についてですが,一般的なフレームでは,前から見て,右側がフロント,左側にリアのシフトケーブルを通すようになっていることが多いと思います。
LOOK 595は,写真の通り,全く逆で左がフロント,右がリアのケーブルを通すようにフレームに穴が開いています。
この配置,従来のシマノのようにシフトケーブルを外出しで配線するには非常に都合が良いのです。左STI→右側へ,右STI→左側へ,という具合に配線されるので,急激なアールがどこにもなく,とてもスムーズな配線が可能です。
これは,TIAGRAの時。シフトワイヤが無理なくきれいに配線できています(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D一方,7900系のようにシフトケーブルをハンドルバーに沿わせるルーティングになると,バーテープから出てきたワイヤは,すぐにフレームに入っていくことになります。ここで,教科書通り「ハンドルを切ったときにも余裕のある長さ」で合わせると,ハンドルを真っ直ぐにしているときの余長がかなり長くなってしまいます。
要するに,シフトケーブルが露出している区間が非常に短いので,調整シロが少ないのです。
また,2.についても気が付きにくいですが,フレームへの入口(穴)が他のフレームに比べて上部に設けられています。一般的な,露出タイプのフレームに比べたら,かなり上方を通ることになります。
で,ハンドルバーとフレームへの入口の距離が近いわけですから,1.と同じように,ケーブルの露出区間がとても短くなる要因になっています。
ケーブルの露出区間が短いこと自体は,見た目的には美しく仕上げられるような気がするのですが,「遊び」が少ないのでうまくやらないと,今回のように「曲がらないセッティング」になってしまうという教訓を得ました。
リベンジに向けて
シフトワイヤを張ること自体は,自転車作業の中で特段に難易度が高いわけではないですから,軽~い気持ちで組んでしまったことが最大の敗因でしょう。
ネットで検索すると,同じように7900系DURAで「引き」の重さに悩まれている記事が多数ヒットしました。万国共通(?)の悩みのようです。
というわけで,引きの軽いシフトを取り戻すべく,雑誌等でいろんな自転車の配線状況を見てみました。残念ながら,近年ではLOOK号がバーンと大きく紙面を割くことは少ないので,他の,ケーブル内蔵式のフレームを参考にしてみます。
作戦としては(失敗の裏返しですが),
- ハンドルバーの外側を通るルートを選ぶ
- リアのインラインアジャスタを外す
- リアのダストカバーを外す
- アリゲーターのPTFEケーブルを使ってみる(シマノよりもさらに滑りそう)
- アウターの切断面を徹底的にきれいにする
あたりを考えています。うまくいくかな~。うまくいってくれ~!(叫)
リベンジに向け,お休み中のLOOK号。待っててね・・・。
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