[第10回]お尻の痛み・・・
シートはサンマルコに変わりましたが,これは見栄えだけ(^^) セライタリアと特に変化無しです。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2Dスポーツバイク,特にロードバイクに初めて乗ると,すぐにお尻が痛くなります。
おいらの場合,LGS RHC号に乗り始めたときは「痛くなる」どころでは済まず,激痛になってしまい,100kmを越えるロングライドはおろか,ご近所ポタすらままならない状態でした。
しかし,自転車本で学んだり,走り込んでいく(それほどではないですが・・・)中で会得した小技などのおかげで,今では少なくとも100kmまでは「お尻が痛くて困る」ことは皆無となりました。
「体の痛み」に対する悩みは多いようで,毎年のように(毎月?)どこかの自転車雑誌で特集されていますが,それでも,敢えておいらなりの痛み解決法を紹介してみます。
お尻の痛みを緩和する方法は色々あるのですが,おいらがやってみて,個人的に効果があると思う順番に並べてみました。
第1位:シート高さの調整
これが一番効果があるんじゃないかと思います。
LGS RHC号に乗り始めた頃,あまりの痛みにたまらなくなり,いろんな本で勉強してみたところ,ライディングポジション,特に「シート高さ」がとても大事なことを知りました(おいおい,当たり前だよ・・・)。
最初の頃は,可能な限り高いシートが格好良く,かつ,ペダリング効率がいいと信じていました。両方ともほぼ真実ではあるのですが,限度っちゅうもんがあります。
膝が伸びきってしまうほど高いシートだと,足でお尻を支えるのが難しくなりますから,路面の衝撃はすべてお尻で受けることになります。この頃はレーパンもはいていなかったので,痛みは耐え難いものでした。
BB~シート面が77cmって,いくらなんでも高すぎるって・・・。
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8痛かった頃のシートの高さはBB~シートトップで77cmもありました。おいらが,ヨーロッパの選手のように90cmくらい股下があれば問題ありませんが,コテコテの日本人ですから,80cmしかありません。80cmの股下でシートの高さ77cmって,いくらなんでも無理ですがな・・・。
そこで,一般的に推奨されていると思われる「股下×0.893」で計算して71cmにしてみると,あら不思議!痛みはほとんど無くなってしまいました。しかも,かえってペダリングが軽快に回せるようになるし,いいことだらけでした。
自転車雑誌の写真よろしく,べらぼうに高いシートに無理して乗ると,いずれ,乗れなくなるほどの痛みが帰ってきます。
かといって低すぎるセッティングにした場合には,今度は全体重がシートにどっかりと乗ってくるようになります。
何事も程々がよろしいようです(^^)
第2位:秘技! ケツ浮かしの術!
猛烈に効果がある上,コスト0円の必殺技です。簡単な割にはどこの本にも書いてあるのを見たことがないので,本邦初公開です(いや,周知の事実だったりして・・・)
ロードバイクは,タイヤがカチカチ,フレームもカチカチ(アルミだし。ちぇっ・・・),シートもカチカチという「カチカチトリオ®」のせいで,路面の凸凹がそのままシートに伝わってきます。
この「路面の衝撃をシートが拾う」は,どうしようもないこと(後述のように,ある程度緩和できますが)なので,衝撃から逃げるためにはただ一つ,ちょっとだけ尻を浮かせるのです。
前方に小さな段差や横断歩道のペイント(これだって痛いのヨ)を見つけたら,ほんのちょっと尻を浮かせる,実際に浮かべなくても加重を抜くだけでもOKです。
「は? それだけかよ・・・」と侮ってはいけません。
この,秘技の効果はかなりあり,特にロングライドでは長い走行時間中に喰らう,小さな衝撃の積み重ねもバカにできません。後半になるほどボディーブローのように利いてきます(涙) また,シートにどっかりと加重している状態では,タイヤで踏んだ段差(=衝撃)は,ホイールやフレームとお尻で吸収しなければなりませんが,お尻を浮かせば,ほとんどを優秀なサスペンションである「脚」が吸収してくれるので,お尻だけじゃなく,自転車本体にも優しいと思われます。
第3位:ライディングポジション改善
前述の,「シート高調整」と「ケツ浮かしの術」でかなり緩和されたのですが,次点でよかったのが,ライディングポジションの改善です。
LGS RHC号の前は,MTB(LGS SIX号)でしたのでアップライトなポジションに慣れていて,ほぼそのままの姿勢でロードバイクに乗っていました。アップライトな姿勢では上半身体重はお尻に集中し,やはり,痛みの原因になります。
そこで,もっと前傾姿勢を深くとれば,腕と足(と腹筋)に力が分散してくれます。やってみればわかります(というか,自然にそうするかもしれません)が,お尻の痛みはすぅ~っと引いてくれます。
しかし,あんまりやりすぎると,前は見えないし腰痛になったりするしで,これまた困ったことがありますので,要はバランスです。お尻が痛いなら前傾姿勢を深く,腕が痛いならもうちょっと起こして,と言った感じでベストポジションを探しましょう♪
また,ハンドルまでのリーチを縮めるためにステムを短めに交換したのですが,このことで下ハンドルを握りやすくなりました。下ハンドルを握るということは,それだけ前傾姿勢になることですから,お尻への負担はさらに減ります。
ただ,このころは07年式LGS RHC号標準のドロップの大きいハンドルでしたので,下すぎて腰が痛くなるという欠点があり,翌年,FSAのコンパクトなドロップハンドルに交換することで,腰痛からも解放されました(完全ではないですが・・・)
分かりにくいけど,サドルが下がり,ハンドルがコンパクトになっています。
RICOH Caplio GX100第4位:ようやくレーパン
ここまで,全然お金のかからない対策ばかりでしたが,ようやく王道のレーサーパンツ,レーパン様のお出ましです。
おいらがレーパンを買ったのはかなり遅く,LGS RHC号に乗り出してから半年後のことで,それまでは普通の「短パン」で走っていました。
富士山一周ですら,普通の短パンです(恐るべし!)
初めて買ったレーパンは,ショーツではなく冬用のタイツである,パールイズミの「ブライトタイツ」でした。初めてはいてみたときは,まずは,お尻の痛みよりも,タイツの伸縮性によるペダリングの軽やかさに驚きました。そして,100km程度のロングライドをやってみると,さすがにみなさんがおすすめするだけあって,自転車専用のパッドが付いている効果は絶大! お尻が全く痛くありません!!
さらに,去年の夏にはAdidasのビブショーツを導入しましたが,こちらの方がさらにパッドの性能が良いというか,おいらのお尻に合うのか,もっと快適に座っていられるようになりました。
見た目がアレですが,着込んでしまえば,普通の短パンです♪
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8適正な前傾姿勢で痛みが和らぐのは確かですが,レーパンをはくことによって,前傾姿勢に疲れたときは完全に直立姿勢でリラックスしてみたり,ハンドルのフラット部分を握って走ったり,ロングライドではライディングポジションの幅が広がります。
まぁ,見た目がアレですが,やはり,スポーツバイクにはレーパン(冬はタイツ)が似合います。
第5位:タイヤ空気圧の適正化
最後はタイヤの空気圧です。
こちらはつい最近のことですが,エアーゲージを格安で買ったため,タイヤの空気圧をまじめに管理してみることにしました。
自転車生活2年目にして,ようやくエアーゲージを導入!!
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D以前は,少しでも軽く速く走りたくて,推奨空気圧の上限いっぱい(10気圧とか,11気圧とか)にしていたのですが,そもそも体重55kgで10気圧はいくらなんでもおかしいです。
かといって,あまり下げすぎるとパンクのおそれが出てくるので,まじめに空気圧を管理してみたのですが,おいらの体重の場合,推奨空気圧の下限をちょっと上回るくらいでちょうどいい感じです。
今はPanaracerの「Extreme EVO3 Protex」ですが,下限7気圧に対し,7.3~7.5気圧くらいで乗っています。
以前より3気圧ほど下げたわけですが,衝撃はだいぶ柔らかくなったのに,軽やかさ(転がり抵抗)については,ほとんど変わらない気がします。技術不足で感じ取れないだけかもしれませんが,お尻への衝撃の低減は確実に感じられます。
というわけで,ほとんど差が感じられないない転がり抵抗と,だいぶ変化するお尻への衝撃を天秤にかけ,なんとなくこの値で落ち着いています。
着外:サスペンションシートポスト
最初の頃,あまりのお尻の痛さに,LGS SIX号で使っていた,サスペンションシートポストを使ってみました。
KING OF 役に立たないパーツ,サス付きシートポスト。すぐやめました・・・。
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8が,ロードバイクにとってはものすごい重量増加(500gくらいか?)がある割には,意外と効果がなく(=やっぱりお尻が痛い),すぐにやめました。
もっとも,仮に効果があったとしたら,この後,適切なライディングポジションやシート高さを見つけることができなかったでしょうから,まさに失敗は成功の元でした。
まとめ
というわけで,2年間のロードバイク人生(ってほどじゃないでしょ・・・)で学んだ,お尻の痛み回避法でした。
ほぼ間違いなくお尻の痛みが消えるありがたいお話(?)の上,そのうち3つは0円という,お財布への痛みも無い,すばらしい提案です。
実際,自転車雑誌等の記事では,必ずと言っていいほど,
- カーボンフレーム
- カーボンホイール
- カーボンシートポスト
- ゲル入りバーテープ
- ゲル入りサドル
なんていう,「痛み緩和パーツ」が登場します。
しかし,これらの,(比較的お高い)パーツを試してみる前に,費用0円で試してみることは結構あります。
「ワシは金はいくらでもあるが,時間が無いんじゃよ」というお方はさておき,まずは,だまされたと思って,シート高さ,ライディングポジション,ケツ浮かしの術あたりから試してみてください。
きっと,痛みのない,晴れやかなロードバイク人生への道が開けることでしょう~(^^)
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