やがて楽しき自転車乗り(第2回)
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8
自転車馬鹿と世間一般の方々とのギャップを描いた問題作(?)の第2回目。
今回は,いじられる側の自転車にスポットライトを当ててみました。
「自転車」という趣味には,大きく分けて2つの要素があると思います。
「自転車に乗ること」と「自転車をいじること」。前者の傾向が行き過ぎると,前回紹介したように,驚異的とも思える距離を走ってしまうようになります。
じゃ,後者の「自転車をいじること」の方はどうかというと,これまたすごいのであります・・・。
職場の人や友人と話していると,自転車(特にロードバイク)という物に対する,我々自転車馬鹿とのイメージのギャップに,お互いが驚くことになります。世間一般の方々からみた我々の乗り物の異様さとは・・・。
- 高すぎる
- 別にサドル高が2mもあるとかではなく,お値段の方。ロードバイクの超軽量なヤツや,MTBですんごい機構のヤツとかになると100万円を超えてしまいます。そこまで行かなくても,普通,自転車馬鹿の人々は,大体20~30万円くらいの自転車に乗っていると推定されます。まぁ,何から何まで全部カーボンで作るとなると,そうなっちゃうのかな。F1の人力バージョンですから・・・。
- 軽すぎる
- ママチャリの1/2から1/3くらいです。初めてロードバイクに触ると,みんな例外なく驚きます(おいらもでした)。そして,乗ってみようとすると,例外なく転びそうになります(おいらもでした)。軽すぎて安定しないのです。おいらのRHC号ですら,チビ達の20インチ車より軽かったりします(すまぬ)
- 自立しない
- 軽さと関係するのですが,スタンドがありません。理由は「重いから」。なので,駐輪する時は,何かに立てかける,横倒しにする,逆さまにするの3つの選択肢から選ぶ必要があります(が,3つ目のは家の中でしか見たことがありません)。Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8
- 乗り心地が悪い
- 乗り心地軽快(とも言い切れないけど)のママチャリに比べ,ロードバイクはかなり乗り心地が悪いのは事実です。理由は,サドルがカチカチに硬い,タイヤがカチカチに硬い,フレームがカチカチに硬い,というカチカチトリオによるところが大きいと思われます(でも,すぐに慣れます♪)。この点ではMTBは素晴らしいモノがあります。週末にRHC号で遊び,ご近所散歩でLGS SIX号の乗り心地の良さに感心する毎週月曜日です。
と,ここまでは,いわゆるスポーツバイク一般の特性でありますが,それをいじる人達の特性になると,かなりクセがあり・・・
- 軽さ命!
- とにかく軽さが命です。たとえ本人の体重が90kgあろうと,1週間便秘していようと,1gでも軽いパーツに交換するのです。それが正義なのです。これはもう,あらゆる部位に行き渡ります。ホイールやハンドル,ペダルやサドルなんて言っているうちはまだ軽症(?)です。そのうち,ボトルケージ,クイックシャフト,タイヤのキャップ(!!),ネジ(!!)などという,もともと数gしかないのでは?という分野にまで行き渡るようになると,正真正銘の自転車馬鹿であります。
- 空力命!
- これもねぇ・・・。なんせ高速に走るためには,出力を上げるか,軽くするか,そして空力を良くするしかありません。前の二つが限界に達すると,今度は空力の改善に取り組みます。パーツに「エアロ」という枕詞を付けると,それだけで魅力さえ感じるようになります。例えば,ハンドル。まぁ,単なる鉄パイプみたいなもんですが,コレを上下に押しつぶして翼断面のようにすると,「エアロタイプなハンドル」になり,飛ぶように売れます(ウソ)。どう考えても,ハンドルの後ろにひかえる人体の方が抵抗デカイようにみえるのですが,そういうことを言ってはイケマセン。おいらのケイデンスセンサーも空力を考慮して,こういう取り付けになっているのデス。
- カーボン命!
- なんでもかんでもカーボンで固めたくなります。強度の割に軽いのは分かるのですが,いくらなんでもこれはカーボンの必要が無いのでは?というものも多々あります。が,ちゃんと商品として存在し,ちゃんと我々ユーザーがいるのです。例えば,カーボン製のステム(あんな短いのに…),ボトルケージ(もともと軽いのに…),サドル(痛そう…),シューズの裏(すごすぎる…)などなど。とりあえず,カーボン柄にしておけば売れるような,売れないような・・・
- 材質博士!
- 普通の人が「軽量アルミ製自転車!」という広告を見たら,「ほほ~ 軽くて良さそうだなぁ」と思うところですが,自転車馬鹿はそうはいきません。添加物の配合度合いで様々なグレードがあり,おいらのだと,LGS SIXは6061アルミ,RHC号は7005アルミです(たぶん)。そのほかでは,ご存じカーボン,さらにはチタン,なんだか怪しいスカンジウム,など,様々な材質が登場するのが自転車鉱山なのです。しかし,チタンで車体を作るかねぇ,すごいなぁ・・・
- 「プロも愛用」に弱い・・・
- これは他の特性とおもむきが違う気もしますが,とにかくみんな,「プロも愛用」というフレーズに弱いのは確かです。おんなじようなパーツでも,「プロも愛用」と一言付け加えるだけで,なんか良さそうな気がしてくるから不思議です。プロが愛用するホイール,ハンドル,ペダル,シューズ,サドル,ボトル,腕時計,サドルバッグ,パンツ,靴下,手袋,おやつ。何でもかんでも「プロが愛用」すればOKです。「東京でおおはやり!」とかと同じ販促フレーズのような気もしないではないですが,おいらもご多分に漏れず,「プロが愛用する」EASTON Eliteフレームにしてしまいました(笑)Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8
とまぁ,どんどん怪しい世界になっていきますが,月刊の自転車雑誌を読んでいると,それが普通になってくるのが恐ろしいところ。
おいらは,ようやく最近気が付いて,一歩引いたところから「軽量化なんて,家出る前に,う○こすれば十分」という悟りを開くに至りました。
長くなりましたが,お後がよろしいようなので(?)このへんにて,オヤスミナサイ~
(^^;)
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2007年09月10日 | カテゴリ: 
その他
| ID: 593
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