2012年3月の読書記録

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ちょっと遅くなりましたが,恒例の月間読書記録。

3月は,小説3冊,写真関係3冊,自転車関係2冊を読みました。

先月までは写真・カメラに傾きかけていましたが,富士ヒルクライムを前に自転車関係も盛り返してきていて,「読書」「写真」「自転車」の脳内趣味分布がほどよくバランスしてきているみたいです(笑)

雑誌やNEX-5Nの取扱説明書(笑)を除いた3月の主な読書は以下のとおりです。

タイトル・著者プチ感想
笑い三年、泣き三月。
『笑い三年,泣き三月』
木内 昇
戦争直後の浅草の小劇場を舞台に,戦争孤児である主人公,地方から上京してきた芸人,活動屋,ストリッパー(脱がないけど)達が生き抜いていく姿を描いた小説。家も大切な人もすべてを無くした人たちを描きながら,楽しく,希望に満ちた素晴らしい小説です。今年の仮ベスト1です(^^)
とんぼの本 星野道夫と見た風景
『星野道夫と見た風景』
星野 道夫
星野 直子
アラスカの大自然に魅了され,アラスカの自然を撮り続けた星野道夫氏について,夫人の直子さんが振り返る写真集。不幸な事故により亡くなってしまった著者が,どのような想い,視線でアラスカの地を見つめていたのかが,夫人を通して語られます(本人の文章も併記されています)。個人的には,氷点下30度にもなる地で,とても小さな鳥が命の炎を燃やして飛んでいることに感嘆している,氏の姿においらも感嘆してしまいました。今月は,星野道夫関係で3冊ほど読みました。
フリーター、家を買う。
『フリーター、家を買う』
有川 浩
早くも今年のワースト1仮確定・・・。。いつもタイトルにだまされて買ってしまうのですが,今回も,薄っぺらい上にリアリティの無い小説でした(泣)
就職してすぐに会社を辞めた主人公が,うつ病の母&ダメ父を救うため一念発起するお話なのですが,単なる中途半端な恋愛小説になっています。工事会社に就職するのですが「倉庫が整理されていない→整理してPCも導入→業績急上昇!」って,あまりに世の中を単純化しすぎです。また,鬱の母の描き方・そこに至る経緯などもあまりにデタラメで,小説を成り立たせるための小道具にしかなっていません。
毎回,だめだなぁ,と思いながらも『阪急電鉄』『図書館戦争』『県庁おもてなし課』と読んでしまいましたが,もう,さすがにやめよう・・・。(Amazonのレビューで★1~3の方が多数居ますが納得です)
仏果を得ず
『仏果を得ず』
三浦 しをん
文楽(!)に青春をかける太夫の奮闘振りを描く小説。林業(神去なあなあ日常),駅伝(風が強く吹いている),辞書(舟を編む)・・・,毎回,よくいろんなテーマで書けるなぁと感心します。まだ100ページくらいしか読んでいませんが,面白いです。なんとなく,過去の小説(というか本書が古いのだけど)と似ている気もしますが,そんなの関係無しに読み進められそうです。問題は,自転車&カメラ本に圧迫されて読む時間が無いところですが・・・。来月には読み終われることでしょう。
パパライダーのための科学的ヒルクライムトレーニング (エイムック 2370)
『パパライダーのための
科学的ヒルクライムトレーニング』
中西 安弘
「パパ」「ヒルクライム」「科学的」「トレーニング」。今この時期(FHC直前)に,おいらの財布を緩める(緩めっぱなしだけど)キーワードが4つもあったため,迷わず購入。えい出版なので,FHCは完全に無視し,「乗鞍」だけに照準を定めていますが,それでもためになりそうです。FHCまで2ヶ月しかなく,いまさら間に合わない気もしますが,毎日読んで勉強しています(肝心のトレーニングは・・・)
ロードバイクQ&A 今さらきけないソボクな疑問
『ロードバイクQ&A
今さらきけないソボクな疑問 』
高千穂 遙
ロードバイクを始めたばかりの頃は,わからない事だらけで,悩んだり,とんちんかんな事をしたりしていました(今もそうですが。笑)。本書は,「ロードバイクって何ができるの?」とか,超基本的なことを中心にしたQ&Aがたくさん載っていて,すごく楽しいです(ちなみに,このQのAは「舗装道路を高速に走ること」です)。ウェアの着方や家庭内での保管の仕方,走り方,走る場所などなど,初心者じゃなくても「良かった,合ってるよ♪」と妙に腑に落ちるAもおおく,とても楽しめる良書です。




木内 昇『笑い三年,泣き三月』

NHKの書評番組『週間ブックレビュー』で紹介されていたのに惹かれて読んでみました(残念ながら,ブックレビューは終了しましたが・・・)。

戦争直後の混乱期の東京で,戦争孤児である主人公が,地方から上京してきたイマイチへんてこな芸人さんと出会ったところから話は始まり,復員兵,元活動屋,踊り子たちで小さなストリップ小屋を始めます。

戦争で何もかも失われてしまった浅草の町で,その日の飯(とすら言えない)を確保するだけでも大変な中,それでも希望を持って,生きていく登場人物たち。

AMZAONのブックレビューにもあるように,物語中にはたくさんの心に沁みる言葉があり,涙が出そうになります。

決して派手な展開もないし,お涙頂戴話ではないのですが,妙にリアリティが高いこともあり(作者はそんなに歳ではないと思うのですが),心に響いてきます。

おいらは,活字ばかりの世界に没頭していた主人公が,ひょんなことからカメラを触り,徐々に写真の世界に入っていこうとするところがとても楽しく読めました。

特に,初めて撮った写真を現像するまでのワクワク感と,その後の失望感(これは今もそうだけど・・・),ファインダーを通して覗く世界の美しさ,など,本当に写真が好きな作者さんなのでは?と思ってしまいます。

久しぶりに,心温まる小説を読みました。



中西 安弘「科学的ヒルクライムトレーニング」

FHCを目前に控えた今,練習をサボっていたおいらにはまさにピッタリの本(笑)

「心拍」だけではなく,「パワー」を考慮したトレーニング方法を紹介しています。

とはいいつつ,全般的に週5日のフルタイムワーカーにはちょっと無理っぽいトレーニングメニューだったりするので,「この本の通りやればFHCでシルバー♪」というわけにはいかなさそうです(っていうか,できない・・・)

今のところ役に立ったのは,LT(乳酸性作業閾値)とOBLA(血中乳酸蓄積開始点)の簡易測定法です。

今まではハートレートモニターだけを使って,なんとなく,「最大心拍の○%くらい」みたいに計算していましたが,パワーメーターを使うと,より精度高く求めることができます。

本物のパワーメーターを持っているわけではなく,ローラー台についているパワーメーターですが,練習だけならこれでも十分。日々,ほんの僅かながら体力が付いていくのを数字で見られるのはモチベーション向上につながります。

この辺は,もう少ししたら記事にしてまとめて見ようかな?と思っています。ヤビツ47分のへたれライダーですので参考にはなりませんが・・・(笑)

BiCYCLE CLUBの記事を寄せ集めた感もしますが,最近はほとんど自転車雑誌を買っていないので,必要な部分だけをまとめてくれる,こういう本もありがたいです(^^)


おしまい。


■「本」カテゴリー内の前後記事
2012年04月08日 | カテゴリ:  | ID: 10297
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