奇蹟のラルプデュエズ越え
先週,ラルプデュエズ(L'Alpe d'Huez)に行ってきました。
もちろん,新しく走り出したばかりのLOOK号で。そして,もちろん,全部自走でです。
はて・・・?
神奈川のラルプデュエズ,尺里峠(ひさりとうげ)
神奈川県の西部,南足柄市と松田町の間の「山北」地方に,尺里峠(ひさりとうげ)と呼ばれる峠があります。
標高は550mしかなく,本場フランスのラルプデュエズ(1850m)の1/3以下しかありませんが,頂上に至るまでの見事なまでの「つづら折れ」がすばらしく(もちろん,自転車乗りにとって,ですが),一部の人の間では「神奈川のラルプデュエズ」として讃えられている峠です。
また,峠の途中には,神奈川県唯一の「分校」である川村小学校 高松分校があるので,岩手や青森の田舎で育ったおいらには必見のポイントでもあります。
そんなわけで,LOOK号初,そして,ガングリオン手術後初のロングツーリングは,藤沢から尺里峠を往復する110kmのコースとなりました。
藤沢→国府津
家を出たのが朝9時半というのんびりぶりだったため(行くと決めたのが当日朝だからです),少しでも急いで目的地に行こうとして,いつもの海岸沿いのR134ではなく,内陸の国道1号を最短距離で走ることにしました。
が,いきなりの失敗です。
せっかく,シャマルを装備したLOOK号で35km/hで巡航しようとしても,すぐに無数の信号に引っかかってしまうのです。
いつも箱根や下田に出かけるときに,藤沢→小田原間の意外な遠さ(約30km)に驚いてしまうのですが,きょうは,それに加えて,多数のスタート&ストップでだいぶ疲れてしまいました(結果的に時間かかっているし・・・)。
国道1号。渋滞しているし,見所もなく,つまらない限り・・・。
RICOH Caplio GX100唯一の見所(?)はコレ。「ナニコレ珍百景」で紹介されていた,魚に見える電柱のゴムカバーです(^^)
RICOH Caplio GX100国府津についたのは11時になってしまったので,そそくさとマックで昼食。LOOK号初の駐輪はドキドキもので,窓から見える位置に停め(自動車用なんだけど),かた時も視線をはなすことなく監視し続けての昼食でした(笑)
国府津~山北
西へ西へ進んできたコースは,国府津からは90度右に曲がって,酒匂川を北上し始めます。
今回はろくに地図も調べないで出かけてしまったので,あちこちで止まっては,港サイクリング編の『関東サイクリングコースマップ』を参照しつつ,山北を目指します。
国府津を出てしばらくすると,酒匂川サイクリングコースに入りますが,平日ということもあって,人も自転車もほとんどいないので快適に飛ばせます。
のどかな酒匂川サイクリングコース♪
RICOH Caplio GX100・・・,のはずだったのですが,ミニ(でもないのだけど)トラブルが発生します。
国府津を出たあたりから挙動が不審だったPOLAR様の心拍センサーが反応しなくなってしまいました。もともと,WearLinkの金属接点部分の腐食がひどくなってきていたのですが,今回,いよいよ完全に無反応になってしまいました。
心肺停止状態のおいら・・・。
RICOH Caplio GX100これから,ラルプデュエズを越えようとしているのに,心拍をモニターできないなんて!! 高度計無しで飛行機を操縦するようなもんです(操縦したことないですが)
と,グチっていてもしょうがないので,あちこちで写真を撮りつつも,尺里峠への入り口を目指します。
やっとこ,尺里峠の入り口まできたよ・・・
遠かったですよ・・・。
国府津を出たらすぐに尺里峠,と思っていたのですが,なんと20kmもありました。藤沢からだと51kmにもなります。
脚も不安だし,時刻は12時を回っていますし,「これから上るのかよ・・・」というのが本音でしたが,逆に「ここまで来たからには上らないと」という思いもあり,なんとも中途半端な思いのまま,尺里峠に望むことになりました。
尺里峠の入り口にて。あぁ,上るモチベーションが下がる・・・。
RICOH Caplio GX100おまけに,上り始めた途端に菜の花が咲いているところを発見し,休憩してしまうと,ますますやる気が低下気味・・・。
尺里峠アタック
やっぱり,ここまで来たからにはアタックするのだ! と,気合いを入れて走り始めると,すぐに噂通りの急坂が始まります。
最初のうちは5~7%くらいの「ふつうの坂」が続くのですが,そのうち,くねくね曲がったつづら折れが始まり,15%以上という激坂も現れます。
こんな感じで,折り返しつつ高度を稼いでいきます。お気を付けて下ってください~
RICOH Caplio GX10016%!! この写真を撮ること自体が大変(笑)
RICOH Caplio GX100ここのつづら折れは本当に見事なつづら折れで,ほんの50mほど直線で進むとすぐにUターンして,という感じでコンパクトに折り畳まれた坂道です。
直線部分で下界をみると,たった今自分が上ってきた道が何段にも重なって見えて楽しくなります。たまに下の方から車(軽トラが多い)が来るのですが,なんせ,階段状ですから「ここから2フロア下を走っている」というような感じでみることができます。
ふぅ,登り切ったよ。見事なつづら折れでした。さすが,ラルプデュエズだ(^^)
RICOH Caplio GX100しかし,きつかったです。
体調のよいときならガンガン行けるのかもしれませんが,なんせ,手術をした左脚がダメダメで,結局,ほとんどダンシングすることなく,右脚頼みで上ることになってしまいました。(まぁ,去年のFHCもまったく同じ状態でしたから,今が特別に悪いというわけではなく,いつものおいらの状態と言えなくもないのですが・・・)
奇蹟の峠へ
激坂のつづら折れ区間を終えると,本日の立ち寄りスポットである高松分校はすぐです。
高松は山北町立川村小学校の分校ということですが,本当,昔懐かしい木造校舎。都会の,周囲を高いフェンスで囲まれた小学校とは異なり,「ここら辺からが校庭なのかな?」という感じで,壁もフェンスも,境界線もありませんでした。
おいらは,小さい頃は東北や長野の田舎に住んでいたので,初めてきた場所なのに,どことなく懐かしさを感じてしまいました。だけど,この坂。やっぱり,大変だろうなぁ・・・。
高松分校から峠の最高地点は,またも急坂になりますが,距離は短いのでなんなくこなし,いよいよ,本日のクライマックスです。
冒頭から,やたらと奇蹟,奇跡と書き立てていますが,それは,このことです↓。
ようやく峠のてっぺんに到着! 気になる高度は・・・?
RICOH Caplio GX100むほ~! 595で595m!
RICOH Caplio GX100そう,尺里峠の最高地点でPOLAR様を見たら,なんと,ぴったり「595m」だったのです!!
595で「ぴったり」というのも変ですが(笑),LOOK595で上っていった峠のてっぺんが595mというのは,なかなか珍しいかと思います(^^)
しかし,尺里峠の本当の標高は550mです。POLAR様はいつも標高をちょいと多めにサバ読んで表示してくれていますが,今日はかなり多め,45mもサバを読んで595mにしてくれていました。
本当の標高は540mだったりします。なかなか粋な計らいをしてくれるPOLAR様(誤差がデカイだけだ)
RICOH Caplio GX100きっと,「普段は20mくらいサバ読んでるけど,今日は,ちょうど595mにしてやって喜ばしてやるか」という,粋な計らいがあったのでしょう。すばらしいです,POLAR様(笑)
後半はぐずぐず・・・
尺里峠を越えて松田側に下る道は,山北側に比べると「つづら折れ度」が低く,普通の日本の山道という感じです(山北側も日本だけど)。
やっぱり,自転車バカとしては,山北側から,本場のラルプデュエズに思いを馳せながら,えっちらおっちら上るのがよろしいかと思います(^^)
この後は国道246号を走り,松田を通って,また国府津まで戻りましたが,帰り道はもうクタクタでした。手術前の元気なときなら,距離110km・標高差800mくらいなんて,なんともない感じでしたが,まだ全快にはほど遠い状態ですので,左脚がぐったりし始めるし,それを補う右脚も疲れがたまっています。
とはいえ,手術後初,そしてLOOK号初のロングツーリング。電車に乗ることなく,無事に帰ってくることができました。
季節は春。これから,徐々に距離を伸ばして,あちこちに出かけていきたいな(アレルギーの方が心配ですが・・・)
奇蹟のラルプデュエズフォトアルバムはこちら~
【本日の走行データ】
コース :家→国府津→酒匂川CR→尺里峠→松田→国府津→家
所要時間:9時30分~17時00分
走行距離:110.6km
走行時間:6時間18分23秒
平均速度:20km/h
最高速度:189km/h (明らかに混信ですが・・・)
平均ケイデンス:72rpm
最大斜度:17%
最高高度:595m
合計登坂:835m
(おまけ)本日のLOOK号
初めて100kmを越えて走ったLOOK号。だんだん,新しいフレームの良さが見えてきました。
- やっぱり上りは軽い
- 普段,鎌倉界隈では5~7%くらいの坂が多い山を登っています(鎌倉山・源氏山)。尺里峠も最初のうちはこのくらいの斜度ですが,やっぱり,軽快に登れました。さすがに10%以上になるとしんどいですが,それでも片手でカメラ持ちながら上っているくらいですから,やはり,上りに強い自転車になってくれました(^^)
- FD絶好調(^^)
- 新Ultegraのフロントディレイラ(FD-6700)は他グレードと互換性が無いとの公式見解ですが,実際に使ってみると,ものすご~く調子がいいです。アウター,インナーともに全段数で異音や擦れがまったくありません。動作もキビキビしているし,とても気に入っています!
- ダウンヒルは超安定(かえって怖い)
- LOOK号のフォークはかなり太く,また,ヘッドチューブも大口径化されています。それらが相まって,ダウンヒルは本当に安定しています。まぁ,もともとプロが80km/hオーバーで下るための機材ですから,おいらが50km/hで走ったって何ともないのは当たり前と言えば当たり前ですが。ただ,安定しすぎていて,「高速でダウンヒルしている」というリスクを忘れがちになります。おいらは特にダウンヒル技術がダメダメなので,気を付けて50km/hを越えないようにしないといけません。
- シャマルいいっす
- 平地の巡航では,エアロスポークの影響もあるのか,35km/hオーバーで走り続けることができます(信号が無ければですが・・・)。帰り道はR134を東に走りましたが,かなり快調に飛ばせました。来週は,またEASTONに戻してみて,その差を実感してみたいな。
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