富士山ヒルクライム初挑戦!(後編:山中湖~藤沢まで)
前編がまだの方は,こちらからどうぞ~
前編では,富士スバルラインを2合目付近まで登ったけど,雷雨で引き返してきたところまで書きました。
大月~富士吉田は妙に距離あって疲れたし,体調はイマイチだし,せっかく登った富士山も途中で雷雨だし,徒労感に襲われながらも帰り道についたのですが,本当の地獄(ちょいオーバー)はこれからでした……。
富士吉田~山中湖(1:00~1:45)
富士スバルラインの料金所付近ではいったん雨がやんだのですが,山中湖に向かった途端に,また激しい雷雨になります。
山中湖に向かうR139は渋滞していて,車の横を通らなければならないのですが,風雨(この辺はなぜか風が強かった)が激しくて,まっすぐ走るのに苦労しました。何度か,富士急のバス停(屋根付き)に非難しようかとも思ったのですが,やむどころか雷雨はますます激しくなるので先を急ぎます。
しかし,雷雨の中を走っているため,補給がろくにできません。カロリーメイトやどら焼きは沢山持っているのですが,なんせ土砂降りなのでどうにもこうにも……。
そこで,山中湖畔のデニーズに入り,昼食と採ることに。
去年の富士山一周では,ウィンドブレーカーを持っていなかったために全身ずぶ濡れで,とても店に入る状態では無かった(店も無かったけど…)けど,今年は平気。上半身はぜんぜん濡れていないし,レーパン(ビブニッカー)はすぐに乾いてくれたので,怪しまれることなく(十分怪しいか…)ゆっくりと昼食を採ることができました。
山名湖~道志みちへ(2:00~3:00)
帰り道の選択肢はいくつかあったのですが,輪行して帰るにはパッキングする気力が起きないし,篭坂峠や乙女峠を越える元気もありません。
そこで,基本的には下り坂一辺倒のはずの「道志みち」を通って厚木経由で帰ることにしました。
しかし,走り初めてすぐに「ありゃ?」ということになりました。山名湖を離れた途端,結構登り始めるのです。ずっと下りと思っていただけに驚きつつも,なぜか急にやる気が出てきて,ぐんぐん坂を上ります。
午前中から調子が悪くてエンジンのかかりが悪かったのですが,今頃になってようやく本調子です(遅すぎだよ!)
一部,8%近い坂もありましたが,軽く腰を浮かしてガンガン登ります。なんだかんだ言って,今日一日で一番調子が良かった時間帯かもしれません。
峠の頂上のトンネルで一休みし,今度は数十キロに渡る長~いダウンヒルに突入します。雨はまったく止む気配もなく,激しく体にたたきつけます。が,ウィンドブレーカーのおかげで寒くも冷たくもなく,また,パーカーなのでヘルメットごとカバーできるので頭も濡れません。ただ,風切り音が激しいので車の接近はバックミラーに写るヘッドライトが頼りです。
もっとも,こちらも40km/hくらいで走っているので,そんなにじゃんじゃん抜かれるというわけではないので,そんなに危険も感じず,シャ~っと快調に下り続けました。
さぁ,今日の「そのとき」です(4:00)
急にNHK的になりますが,今回のツーリングでも,やはり,コレがやってきてしまいました。
ずっと続くダウンヒル。雨は降っているけど意外と気持ちよく下り続け,ちょっと気がゆるんできたのかもしれません。
前方に小さな水溜まりが見えたのですが,避けるのが遅れ,そのまま通過してしまいました。その直後,車体の前の方から,「ジュッ,ジュッ」という音が聞こえ始めます。
「まさか…」と思って車速を落としてみると,前輪が路面に触れるたびに,貯まった水をかき分け,「ジュッ」という音とともにエアーが漏れていることが分かりました。
そう,パンクです…。前輪に,大きな金属物が刺さっていて,激しくエアーが漏れています。指で金属物に触れた途端に飛んでいきました。
雷雨の中を走り続け,ここまで80kmもがんばってきました。時刻は午後4時。藤沢までは残り約90km。
シューシュー抜け続けるエアーと共に,おいらの気力も大気中に放出されていきました……。
このタイヤにしたとき,「63年間はパンクしない♪」とか思っていたのですが,「今日がちょうど63年目でして」などという,落語みたいなオチを考えながら,途方に暮れるおいらでした……。
雨中のパンク修理(4:00~5:00)
さて,おいらの気力はすべて大気中に放出されてしまいましたが,パンクを修理しないことには家に帰ることができません。「せめて,景色のいいところで直そうかな…」ということで,渓谷にかかる橋の上で修理することにしました。
しかし,眼前に広がる絶景を前にパンク修理は難航を極めました。
もともと,今使っているPanaracerのExtreme EVO3 Protexは最初の交換の時から,嵌めづらくて苦労したのですが,雨中を走行した後では,その苦労は何十倍にも跳ね上がりました。
雨中走行をしたことがある人なら分かると思うのですが,タイヤは路面の油や砂埃などがこびりつき,真っ黒(もとから黒いけど)になっています。
このヘドロのような汚れのおかげで,タイヤをリムから外そうにも,どうやっても外れてくれません。レバーは滑るし,手も滑る。肝心なタイヤはゴムがふやけているのか,いつもよりさらに粘り続けます。背中に雨を受けながら格闘し続け,なんと30分もかけて,ようやくタイヤをリムから外すことができました。
しかし,今度はチューブが出てきません。普通なら,するっと抜けるはずなのに,これまたどうしても出てきません。そこで,家の鍵に付いているミニスイスアーミーナイフで切り裂き,細切れにして外に引きづり出しました。
そして,今度は替えチューブを入れ,タイヤをリムに戻します。新品の時のように,リムに入れるのにも死ぬほど苦労するだろうな,とげんなりしたのですが,神は見捨てていませんでした(おーばー)。あれほど苦労して嵌めたExtrem EVO3 Protexでしたが,このときに限って,素手で,タイヤレバー無しですんなり入ってくれました。
そして,いつもの(ってのもイヤな話だけど),TOPEAKのマイクロロケットでエアを入れて,RHC号とおいらは,失意のどん底から立ち上りました。
修理時間は約1時間。現在時刻は夕方5時。暗くなる前に,雨が小降りのうちに終わっただけでも,世界一運が良かったかもしれません(運が良ければパンクしないよ…)。
ものすごい時間と体力のロスでしたが,藤沢までの残り90kmを走り始めました。
やたらと長い「道志みち」,そして藤沢へ(5:00~8:30)
猛烈に苦労したものの,なんとかパンク修理を完了し,藤沢に向けて再スタートしました。
ようやく雨も小雨になってきましたし,しばらくは緩い下り坂が続くので,なんとか調子を取り戻して走り続けました。
んが……,長い。妙に長いんです,道志みち。
地図をコピーして持ってきていたのですが,家のインクジェットプリンタ(複合機)でのコピーなので,雨に濡れてしまい,「水墨画」のような状態になっており,自分が今どこにいるのかさっぱり分かりません(涙)
しかも,ずっと下りだと思っていたのに,最後の方には何度も何度も上り坂があり,その都度に心が折れそうになりました。
が,幸い,コンパクトクランクですので,どんなにクタクタになってもファイナルローにしてやれば,歩行者より遅いかもしれませんが,どんな坂でもゆっくりと登ることができます。
そうやって,ひとつひとつ山を越え坂をこえて,厚木の街に着いたのが夜7時。
さすがにここまで来れば道も分かりますし,ポラール様の目標到達距離に頼らなくても,感覚で分かります。もう力を残す必要も無いですから,軽くダンシングをしながら,藤沢までの20kmを走り抜けました。
結局,藤沢に着いたのは夜の8時半。朝の8時から走っているので,丸一日,自転車に乗っていたことになります。
今回のツーリングでは,楽しかったこと(少ないけど),辛かったこと(多い),今後のノウハウなど,様々な発見がありました。これらは,また次号,「まとめ編」にて紹介することにしますが,とりあえず一番楽しかったことを一つだけ記して,本日のところはこれにおしまいにします。
今回発見した新しい楽しさ,それは,「雨の中を自転車で走ること」です。(準備さえできていれば)意外と楽しいことが分かりました。
それではまた~(^^)~~
初めての富士山ヒルクライムチャレンジ,フォトアルバムはこちら~!
【本日の走行データ】
コース :大月→富士吉田→富士山2合目→山中湖→津久井→厚木→藤沢
所要時間:8時00分~20時30分
走行距離:165km
最高速度:62km/h
最高到達:1512m(無念!)
合計登坂:2383m
平均心拍:104bpm
消費エネルギー:4832kcal+α(パンク修理。1000kcal?笑)
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