ロード de カメラ運搬 (後編)
バックパックにインナーバッグ,結局コレが一番(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dロードバイクでカメラを運搬する方法を紹介している「ロード de カメラ運搬」シリーズ。
前編では,カメラ運搬道(?)では比較的難易度の低い,コンパクトデジカメ(コンデジ)とミラーレス一眼(ミラーレス)の運搬方法を紹介しました。
後編は,いよいよ難易度が一気に高まり,デジタル一眼レフ(デジイチ)の運搬方法を紹介いたします。
デジイチの高難易度の理由
ロードバイクでデジイチを運搬する場合の課題は実にいろいろありますが,おいらのデジイチをロードで運搬する際の課題を整理してみました。
課題 | 説明 |
---|---|
重い&でかい | コンデジやミラーレストとは比較にならないくらい重いです。我が家のD600は,レンズ込みで大体2kgに達します・・・。 |
かさばる | サイズが大きいので,とにかくかさばります。また,撮像素子へのゴミ付着対策の観点から,レンズを上向きに運搬するのは好ましくないなど,運搬・収納時の向きまで気を使ってやる必要があります。 |
振動に弱い | シャッターやミラーなど物理的に動くメカがたくさん入っていますので,長時間にわたって振動を与えつづけるのはNGです。また,振動によって発生した埃が,撮像素子に付着することもあります・・・。 |
一番効いてくるのは,とにかくその大きさと重さです。
今,メインで使っているNikon D600はフルサイズデジタル一眼としてはかなり軽量な部類ですが,それでも850gもありますし,一番愛しているレンズNikkor 24-70mm F2.8Gは900gもありやがり,フィルターなどいろいろ入れると,結局カメラだけで2kgを超えることになります。
これに,交換レンズや予備バッテリーを含めると,だいたい4~5kgの重量に膨れ上がります。
ちょっと油断すると(?)この重量。交換レンズを1本持つと,4kgに迫る重さになります。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
最軽量状態で6.5kgしかない自転車に,5kgものカメラを背負って走る。どだい無理な気もしてきますが・・・(^^;)
いよいよ,ロードバイクカメラ運搬での最大の難関,難物である「デジタル一眼レフ」の運搬方法紹介です。
2006年にLGS SIX号に乗り始めた時から,デジイチの運搬には難儀して来ましたが,今に至るまでいろいろ試した結果をまとめてみます。
【方法1】サドルバッグに入れて運ぶ
この方法は,スポーツバイク(LGS SIX号)に乗り始めて間もない2006年に発明した方法です。
■開発の経緯
当時はコンパクトデジカメを持っていなかったので,どこに出かけるのもデジイチでしたので,なんとかカラダを軽くして運べないものかと悩んだ末に,思い至りました。
このころは比較的小さなNikon D70と35mm短焦点レンズを使っていたので,大きめなサドルバッグ(OSTRICH)にギリギリ入れてしまうことができたのです。
見た目的にも問題ありですけどね・・・。
Nikon D70 + TAMRON 17-50mm F2.8■検証の結果 → カメラが危険でボツ
論外です。絶対にやってはいけません!
確かにカラダは自由になりましたが,カメラが壊れて財政が思い切り不自由になりました。
長時間にわたってデジイチを揺すり続けた結果,あっさりとシャッターユニットがぶっ壊れてしまい,21,000円の修理代となりました。
シャッターが閉まりっぱなしになってしまった,Nikon D70。修理費21,000円なり・・・。
Canon IXY 320デジタル一眼(に限らず,カメラ全般?)には衝撃を与え続けてはいけない,ということを21,000円の授業料で学びました・・・。
【方法2】カメラ用ショルダーバッグ
2006年のサドルバッグショックから立ち直り,次のデジイチ運搬方法を開発するには実に3年の月日を要し,2009年に満を持して登場したのがこの方法です。
■開発の経緯
カメラ専用のバッグはたくさんありますが,真夏の汗だくの背中の通気を考えると,どうも背中に背負うタイプには無理がある気がしました。
そこで,デジイチ初期のころから愛用していたクランプラー(Crumpler)の中型ショルダーバッグ,『6ミリオンダラー・ホーム』を背負って走ってみることにしたのでした。
■検証の結果 → 走行が危険でボツ
クランプラーのバッグは,どれもとても頑丈なので,カメラの安全にはまったく問題はありません。
しかし,ショルダーストラップ1本で吊るタイプのバッグは,自転車の安全にはかなり問題がありました。
ほんの数回だけやってみたのですが・・・。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8足で歩くのと違って,自転車だとかなりの加速・減速があります。
加速はまだしも,減速しようとした場合,背中に背負っていたはずのバッグがくるりと前方に回ってきてしまうリスクがあります。カメラ機材を満載させると4~5kgにもなる物体がハンドル付近に飛び出してくるのは,危険きわまりないです。
というわけで,ショルダーバッグ方式はほんの数回試しただけで,自らが命を失う前に廃案になりました。
(注)ミリオンダラー自体は,現在もShiro家の主力カメラバッグです。だって,とっても使い易いんだもん♪
真四角に近いバッグなので,びっくりするくらいブツが入ります(^^)
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D
【方法3】自転車用バックパック+カメラ用インナーバッグ
サドルバッグもだめ(当たり前だ),ショルダーバッグもだめ,ということで八方ふさがりとなった,ロードバイクでのデジイチ運搬。
そこで,ショルダーバッグメソッドと同じ2009年に当時のフォトポタ研究所が総力を挙げて開発したのが,自転車用バックパック+カメラ用インナーバッグ方式です。(だんだん,書きっぷりが大げさになるのは著者のクセなので気にしないでください。笑)
■開発の経緯
デジイチの重量(軽くて2kg,重いと5kg)を安全に支えるには,やはり,(ショルダーではなく)普通のバックパックしかないという結論に至りました。
しかし,普通の,たとえばおいらが愛用するドイターに,デジイチをそのまま入れると,ゴツゴツして背中が痛いし,ゴミや埃が付着しまくるし,カラダにもカメラにも悪いことだらけになります。
そこで,2009年当時,「いつものバッグでカメラが運べますよ♪」というコンセプトのインナーバッグが各社から登場し始めていたので,これを試してみることにしたのでした。
■検証の結果 → 採用(^^)
おいらが発明した(っていうか,商品コンセプトどおりの使い方のような・・・?)2009年から現在まで4年にわたって,インナーバッグ方式を使っていますが,ロードでデジイチを運搬するにはこれしかないと確信しています。
おいらが選んだインナーバッグは,カメラ業界の小林製薬と言われるニッチアイデア満載企業のエツミ社の「モジュールクッションボックス」。
購入価格わずか2000円ですが,とにかく便利なインナーバッグです。
ちょっと見たところ,四角い巾着袋ですが・・・
SONY NEX-5N + Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA写真のとおり,要するにカメラ用の四角い巾着袋なんですが,その収容力は馬鹿になりません。
Nikon D600と,大口径標準のNikkor 24-70mm F2.8G,廉価望遠のTAMRON 70-300mm F4-5.6 VCの3点セットをくるみこんでしまう包容力には驚かされます。
ちょっときついけど,D600+レンズ×2本が入ります。
SONY NEX-5N + Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAこの状態で,ドイターの「Cross Bike」に余裕で入れることができ,上部には食パン一袋分くらいの隙間がまだ残ります。
さすがに,食パンを入れることはありませんが(笑),ロングツーリング時にはちょっとした着替えや補給食を入れています。
これだけ入れても,まだ隙間があります。
SONY NEX-5N + Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
まとめ
結局,色々試してみた結果,カメラ用インナーバッグをドイターに入れて運ぶという方法に行き着きました。
自転車用のドイターは,通気性やレインパック,ストラップのクッションなど,自転車で長距離を走る上での工夫がたくさん盛り込まれています。
背負いやすい工夫がたくさんあるドイター。カメラバッグとは一味違います(^^)
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8内部はきちんと区分けされているので,レンズとカメラはぶつかりません。
SONY NEX-5N + Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA先日の藤沢⇔小田原75kmでは,この方法で約4kg(D600,24-70mm F2.8,予備バッテリー,食料)を担いで走りましたが,特に何の問題も無く,安定して走ることができました。
もちろん,箱根やヤビツのようなヒルクライムでは,デジイチの重さがしんどいかと思いますが,普通のツーリングであれば,この方法で十分イケると思います。
というわけで,2回に分けてお送りしてきた「ロード de カメラ運搬」ですが,ようやくすると,以下の2行です(短!)
- コンデジ:防水コンデジにすればOK!
- デジイチ:ドイターにインナーバッグ
というわけで,これから新緑,初夏を向かえいい季節です。
それでは楽しい,ロードdeカメラ生活を!(^^)
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