第5世代 自転車動画撮影装置,SONY アクションカムHDR-AS15(前編)
超久しぶりの自転車用ニューパーツ(と言ってもカメラだけど)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8超久しぶりの自転車用ニューアイテムの登場です。
2008年の超しょぼい自作マウントから始まった,我がロードバイク動画撮影人生(と言うほどでは・・・)に新たな秘密兵器が登場しました。
フォトポタ日記では第5世代に当たる新たな動画アイテムは,SONYのウェアラブルカメラ「アクションカム(HDR-AS15)」です。
フォトポタ日記における動画撮影挑戦の歴史
フォトポタ日記では,「バイクで見ている気持ちいい映像を残したい」という思いから,今まで数多くの動画撮影技術を開発(?)してきました。
世代 | 開発技術 | 動画品質 | 評価 |
---|---|---|---|
神話世代 (2008年) | D2U字型方式 ケーヨーD2で買った,U字ボルトをステムに固定し,その先に手元にあった柔な三脚雲台を取り付けました。 | Ricoh Caplio GX100 320×240 30fps 最長40秒 光学手振れ補正 | 初のロードバイクカメラ固定方式として内外の注目を集めるが,雲台,カメラともに振動に弱く,ガタガタ動画を量産。 |
第2世代 (2008年) | 雲台&カメラ強化 D2Uで課題だった雲台の弱さを,Velbonの自由雲台に変更して解決。カメラも,より頑丈そうなCanon IXY Digital320に変更。 | Canon IXY Digital320 320×240 15fps 最長45秒 手振れ補正なし | 雲台剛性アップにより,安定した動画撮影が可能に。一方で,カメラへの振動は大きくなり,IXY Digital320はあっけなくご臨終となり,動画撮影冬の時代が始まる。 |
第3世代 (2012年) | TX-10型方式 振動に弱かったIXYのあとを継ぎ,防水,防塵,耐衝撃のSONY TX-10にカメラを変更。 | SONY DSC TX-10 1920×1080 60i 最長29分59秒 光学手振れ補正 | タフな上に光学手振れ補正搭載のTX-10により,動画品質が飛躍的に向上。無駄にハイビジョン画質でヤビツ峠動画を多数撮影。 |
第4世代 (2012年) | ミノウラ方式 4年間使い続けたD2U字型の代わりに,ミノウラのカメラマウントVC-100を導入。 | 〃 | 取り付けの容易さが超改善。しかし,ヤビツ&FHCでは連続撮影時間の短さ,走行時の操作性の悪さがネックになる。 |
★一部,特許情報を含みますので情報の取り扱いにはご注意ください(うそ)
神話時代の取り付け方法。三脚そのままじゃん・・・。
Nikon D70 + Nikkor 35mm F2D最初のころは,カメラの耐振動性能が低かったせいで,とにかくやたらとガタガタする映像でしたが,2012年にSONY DSC TX-10に切り替えてからは画質が飛躍的に向上しました。
しかし,TX-10はタフで便利なデジカメではありますが,もとはデジカメですから,ロードバイクで動画撮影するには少し無理がありました。
- 【最長でも連続29分59秒しか撮れない】
- 最長録画時間が30分を超えると,欧州への輸出では「ビデオカメラ」と分類されて関税がかかってしまうようで,これが各社デジカメの撮影時間が29分止まりとなっている理由だそうです。ちょっとした撮影には十分な長さなのですが,ヤビツアタック(約45分)や富士ヒルクライム(約90分)では,何回かに分けて撮影する必要があります。
- 【走りながら操作するのが(かなり)難しい】
- 背面の液晶モニタで撮影アングルや,各種設定をしますが,走行中の目線(かなり高い)から見下ろしても,ほとんど液晶画面を見ることができません。また,素手で操作することを前提としているので,非常に小さい録画ボタン(直径2mm)や,タッチパネルでは,走行中に操作するのは至難の業です。
大きな課題は後者であり,録画ボタンを押しても「本当に録画開始したかどうか」がぜんぜん分からず,真横から液晶画面を覗こうと不自然な姿勢をとったり,ボタンを押し間違えたり,いつも苦労していました。
録画ボタン(赤いやつ)が小さすぎるんですよねぇ。画面も見えないし・・・。
Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8特に昨年のFHCでは,走行しながらメモリカードフォーマットをせざるを得ない状況になったり,肝心の5合目ラストスパートが丸ごと録画されてないなど,散々な目に遭いました。
また,同じく去年の藤沢→甲府140kmでは,「自転車に固定して動画を撮るか,手に持って静止画を撮るか」という,ツーリングならではの悩みにも直面しました。
そこで,TX-10は静止画専用カメラとして使い(普通,そうなんですけど),新たに録画専用のウェアラブルカメラを導入することにしたのです。
SONYのウェアラブルカメラ,「アクションカム(HDR-AS15)」登場!
スマホと比べると,その小ささが分かります。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8最近になって,自転車やスキー,ダイビングなど,いわゆるアクション系の動画を撮る「ウェアラブルカメラ」は,急に選択肢を増やしています。
この分野のパイオニアと言える「GoPro」や「Contour」,自転車乗りにはおなじみCatEyeの「INOU」あたりが有名どころだと思っていたのですが,いつの間にか,VictorやSONY,Panasonicという普通の家電メーカーまで参入しています。
今回は,ほとんど悩まず(他製品ともろくに比較せず・・・)SONYの「アクションカム(HDR-AS15)」にしてしまったのですが,いちおう,理由はこんな感じです。
- 【サンプル動画がすごくきれいだった(手振れ補正)】
- YouTubeに乗っていた,一般の方による投稿動画がすごくきれいで,これが決め手でした。自動車(車内)に取り付けたカメラでダートを走っているのですが,手振れ補正の効果がすさまじく,がたつきの無い動画になっていました。
- 【冗談のように軽い】
- 筐体がチープなプラスチックということもあり,本体重量はわずか65g。バッテリー込みでも90gというと超軽量ブリが,ヒルクライムバカのハートを鷲づかみです(笑)。ただ,この重量は,スタンドアローンの状態であり,ここからバイクに取り付けるためにはかなりの重量増加があることを,この時点では知る由もありませんでした・・・。
- 【なんとなくSONYが好き♪】
- SONY品は耐久性を始めとして,いつもいろんな点で裏切られるのですが,なぜかいつも買ってしまいます。気が付いたら,家に4台あるPCはすべてVAIOですし,デジカメも2台がIt's a SONYで,やっぱりなんとなくSONYが好きなんだと思います(笑)。また,購入を考え始めたころに,ちょうどSONYのサイトにAS15のファームアップ情報が載っていました。このアップでは,動画品質が30fps→60psに向上,操作音設定が追加など,ちゃんと機能向上していたので「本気でやってますよ」感を勝手に感じ取ってしまいました。
というわけで,詳細なスペック調査をしたわけでもなく,単に「画質も良さそうだし,なんとなくSONYが好きだし♪」程度の軽いノリで購入してしまった感じです・・・。
買ってから調べた,AS15の主なスペックは以下のとおりです。
項目 | 仕様 |
---|---|
名称・型式 | アクションカム (HDR-AS15) |
撮像素子 | 1/2.3型 "Exmor R" CMOS |
焦点距離 | 15.3mm(35mm版換算) |
手振れ補正 | 電子式 |
露出制御 | 自動 |
動画形式 | MPEG4 AvC/H.264 |
動画サイズ | 1920×1080/60P(SQ) 1920×1080/30P(HQ) 1280×720/30P(STD, SLOW, SSLOW) 640×480/30P(VGA) |
静止画サイズ | 200万画素相当,16:9 |
コネクタ | マイクロHDMI,USB,マイク |
防水/防塵/耐衝撃 | ウォータープルーフケース使用時 |
記憶媒体 | マイクロSD/SDHC (class4) メモステマイクロ (mark2) |
重量 | 65g(本体),90g(バッテリー込み) |
連続撮影時間 | 140分(SQ,HQ) / 185分(VGA) |
実撮影時間 | 80分(SQ,HQ) / 110分(VGA) |
撮影容量(8GB) | 60分(HQ),160分(STD),VGA(295分) |
たぶん,画質には無関係だと思いますが,なんちゃってZEISSです(^^)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8各種設定操作は面倒だけど,録画操作はボタンも大きくて分かりやすい(^^)
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
自転車への取り付けは意外とハードルが?
実は,AS15単体では三脚穴などの,取り付け・固定用の機構をぜんぜん持っていません。
ボディ側面は液晶,下部はUSBやHDMIなどのコネクタ部,後部は電源やメモリカードの出し入れ用カバーがあり,どこも固定するための器具をつける隙間がありません。
つまり,AS15単品ではウェアラブルどころか,三脚に乗せることすら<できないのです・・・。
ウォータープルーフケースには,ちゃんと三脚用ねじ穴があります。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8では実際にどうするかというと,キットに同梱されている「ウォータープルーフケース」というケースに入れて使います。
このケースは,名前のとおり防水構造になっているのですが,それだけでなく,以下のようなパワーアップを果たしてくれるケースです。
- 防水機能
- 防塵機能
- 耐衝撃機能
- 三脚固定用ネジ穴
逆に言うと,カタログなどで宣伝されている,防水・防塵・耐衝撃などの性能は,すべて,このケースに入れることによって初めて実現されます。カタログを良く見ると,ちゃんと「※同梱のウォータープルーフケース使用時」と書いてあります・・・。
こんな風にして中に入れます。蓋の脱落防止用にコードがついています。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8専用品だけあって,一体感はなかなかのモノです。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8操作は録画開始・ストップのみ。とても押しやすい。
Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8この,ウォータープルーフケースを介した装着になかなか課題があるのですが,ここまで書いていてあまりに長くなってきたので,前編はここまで。
後編では,自転車への取り付けと実際にヤビツで撮影した動画を紹介します~
- 【2013.7.14追記】
- ウォータープルーフケースが重く大きいので,スケルトンタイプの純正ケースを使ってみたところ,すぐに破損してカメラが落下,修理送りになりました。カメラ本体は1年保証ですが,ケースは無保証なので場合によっては有償修理となりそうですのでご注意を! 最近のおいらはテグスで落下防止しています・・・。
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