富士ヒルクライム参戦記(その5:総まとめ編)
べらぼうな量の家財道具(笑) 満載である・・・。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8前回まで,3回に分けて富士ヒルクライムの事前準備からレース本番までをつづってきました。
最終回(たぶん)の今回は,様々な準備をしてきたパーツや工夫の効果についてまとめて終わりにしたいと思います。
役に立った物
今回のレースは,結果としては目標としていた90分を切ることができ(10秒ですが),おいらとしては大成功のレース初体験でした。
この大成功を振り返り,役に立ってくれた物を紹介します。
DURA-ACE 12-27T スプロケット
今回一番の功労者(DURA-ACE,12-27T)。家に帰ってキレイに清掃してあげました(^^)
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8これまでの記事でもさんざん書いてきましたが,今回の成功は,すべてこのスプロケットのおかげと言い切っていいと思います。フロントのコンパクトクランクとあわせ,27Tという低いギア比には本当に助けられました。
「助けられた」には2種類あります。
- 高いケイデンスを維持できる
- 当たり前のことですが,これが一番大事です。どんなに疲れても,70rpmを下回らずに走ることができました。疲れる→速度が落ちる→ケイデンスが下がる→脚のトルクが大きくなる→ますます疲れる,という魔のスパイラルに陥らないですみました。
- 疲労除去ができる
- ある程度の速度で走っていて疲労してきたとき,短時間でもいいから27Tや24Tに落とし,トルクを下げてケイデンスを上げると,かなり疲労が回復します。おいらは,緩斜面でかなり頑張って飛ばしたので,緩斜面の終わり付近で27Tで疲労回復をやっていました。「27Tで疲労回復」,隠れた効能です♪
雑誌のヒルクライム攻略記事では,「ギアの段差が大きくなって不利」なんて書かれていますが,おいら個人の感想では,全く気になりませんでした。LGS RHC号は9速であるにもかかわらず,です。
通常の坂を上っているときは,2~4段目(24T,21T,19T)を使っていて,27Tは非常用・休憩用でしたから段差は関係ありませんし,そもそもケイデンスを「○○rpm±5」とかシビアに走るわけではなく,「少しでも軽く回して疲れを貯めたくない」というのが目的ですから,段差なんて全然気になりませんでした。
「ヒルクライム用」として購入した12-27Tでしたが,当面はこれで普通のツーリングにも出かけようかな?と思っています。
サドルバッグを外してツール缶にしたこと
パンク修理セット+携帯工具をボトルに入れ,サドルバッグは装着しませんでした。このときからやっている工夫ですが,300gもあるマスをサドルからおろしたために,かなり低重心化されています。
下山後の様子。今回はこのスタイルで上ってきました。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8おかげで,ダンシング(今回はおもに緩斜面で実施)の時の,車体の扱いが非常に軽くなりました。
これをやっちゃうとドリンクボトルは1本しか装着できません。しかし,おいらの場合,クマボトル(750cc)1本がほど良い補給量で,5合目に到着したときにはちょうど空になっていました。
ミシュランPRO3 RACE タイヤ
他のタイヤで上ったことがないので分かりませんでしたが,実に多くの方がPRO3 RACEを使われていました。今回は,麓→5合目の気圧低下を見込み,7.4気圧に調整して上りました。
すごい効果があった!というわけではありませんが,パンクもせず,安定したグリップで登り切り,また下ることができました。
心拍計ベルトのお掃除
これも助かりました♪ レースの一週間前まで,POLAR心拍計がやたらと「Check WearLink!(意味:通信できねぇぞ!)」というエラーを出しまくっていました。
電池を替えても,センサー位置を変えても全くダメ。が,センサーベルトとセンサーの結合部の金属接点を磨いたら,ウソのように治りました。
レース直前,心拍計ベルトを濡らし忘れていたのですが,そんなの関係なく,一度もエラーを出すことなく登り切ることができました(下りも)♪
軽量であること
これは,LGS RHC号ではなく(←現在8.8kg),おいら自身のこと。
昔から痩せ形体質でして,レース前日の体重は54kg(体脂肪8.9%)でした。
おいらの身長(175cm)では,70kgくらいあってもおかしくないと思うのですが,それと比べると16kgも軽量なことになります。
これでデカイです・・・。背中にロードバイクを2台背負って走っているようなもんですから,このハンデはヒルクライムでは相当こたえる思います。
たいした練習もせず,自転車もアルミのエントリーモデル。それでも90分を切れたのは,この体型によるところも大きそうな気がします。
役に立たなかった物
ここまで,役に立った物・事を紹介していましたが,実は全然役に立たなかった物も多数あります。ひた隠しにしていました(?)が,来年へ活かすためにも,紹介しておきましょう~。
工具全般
今回は,レース初挑戦ということもあり,考えられるすべての工具や消耗品,おいらの全財産(^^)を持ち込みました。
アーレン,ニッパー,ペンチ,スプロケ回し,ロックリング外し,モンキー,ドリル,ドライバー,タイヤ×4,チューブ×5,シフトワイヤ,ブレーキワイヤ,各種ケミカル(ワックスまで含む),いろんなネジ,サンドペーパー,テープ類,タイラップ×無数,はんだごて,とんかち,のこぎり他の日曜大工用品一式・・・。
いくら何でも,多すぎる気がします。夜逃げ・・・?
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8
「家でも建てるのか?」というくらい持ち込んだのですが,ほぼ全部使いませんでした(笑)
唯一使ったのはニッパー。富士ヒルクライムでは,前日受付で渡されたタイム計測用チップをフロントフォークに取り付けるのですが,そのためのタイラップを切るために役立ちました・・・。(他の人にも貸しました♪)
結局,幸か不幸か,このほかの膨大な家財道具の出番はありませんでした(^^) 来年は,もう少し厳選して持っていきます。のこぎりなんて,いつ使うんだ・・・。
ローラー台
出かける日の朝まで悩んでいたのですが,大会当日朝のウォームアップのために車に積んで持っていきました。
当日の朝は,多くの方が駐車場や大会会場,自転車預かり場(体育館),いろんな場所でローラー台(3本ローラーも多数)に乗られていました。が,我が家の駐車場は,会場から約1km離れたドギーパークの砂利駐車場。
おいらは砂利駐車場だったので,ローラー台を出すのもためらってしまいました・・・。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8わざわざ砂利の上にローラー台を広げてやるくらいなら,会場近辺を走ってしまった方が早いということで,車から降ろすことなく,出番はありませんでした。
レースの種類によるのでしょうけど,富士ヒルクライムの場合,6時台であれば会場の近辺(パレードコース含む)を走れますし,会場がべらぼうに広いので,その中を適当に走ることもできます(速度は出せません。高ケイデンスでアップかな)。
でも,本当に体を温めるためには,無風状態ですぐに温かくなるローラー台の方がいいのかな・・・?
補給食料
いつものツーリングでは,2年前のプチハンガーノック体験のトラウマから,必要以上に食料(どら焼き,カロリーメイト,ゼリー食料など)を持ってしまっています。
が,試走の時も本番の時も,北麓公園→5合目まで走って消費したエネルギーは1300kcal程度。そもそも,これを全部,携帯食料でまかなうのは絶対に無理です(カツ丼でも背負っていかないと・・・)。
体内に蓄えられたわずかな炭水化物と,比較的多い脂肪(おいらはカラカラですが・・・)を燃やしながら走るしかありません。
というわけで,今回は「アミノバイタル」2個だけです。1袋で100kcalしかないので,何の足しにもなりませんが,スタート前,延々と待たされる(約1時間)ので,口寂しさを紛らわすのにちょうど良い感じでチューチューしていました(^^)
背中のポッケに入れたもう一つは念のためでしたが,結局食べませんでした。
ボトルは1本だけで,CCDを2袋入れましたから,これを全部飲めば200kcal。人によっていろいろ作戦はあるかもしれませんが,おいらはこれだけで大丈夫でした。
(そもそも,上りながら食べるのって無理な気がする・・・)
ステムに貼ったラップタイム表
字が小さくて読めませんでした(涙)
バカみたいですが,よりコンパクトに,より多くの情報を盛り込もうと試行錯誤して作っているうち,新聞記事のようなフォントサイズになっていました。しかも,レースは全般的に渋滞していましたから,手元(ステム)に目線を落とせる時間はほんのわずか。よそ見は禁物です。というわけで,ほとんど読みとることができませんでした。
が! 数日前から,何度も何度も作り直して,完成度を上げてきた(のか?)ラップタイム表。笑ってしまいますが,「見ないでも諳(そら)んじることができる」ほどに暗記してしまっていました(^^)
完成度が高いと思っていたんだけど,,,文字が小さすぎました(涙)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dカンニングペーパーづくりに精を出しすぎて,中身を覚えてしまったバカ学生(おいらだ・・・)のようです。
来年は,もう少し多きな文字で書こうっと。
木製サイコンホルダー
世界初(?)と思われる木製サイコンホルダー。
上りはもちろん,50km/h前後で走り続ける下りでも,まったく強度的に問題ありませんでした。もちろん,ハンドルバーに取り付けるよりもずっと見やすいですし,いいことずくめです。
が,せっかく,TOMMYさんを始め,フォトポタ日記をごらんいただいておられる方達に出会えたのに,この木製サイコンホルダーの完成度の高さ(?)を自慢することができませんでした。
残念至極であります・・・(笑)
左脚・・・
本当に役に立ちませんでした(ぶつぶつ・・・)。
毎年春先に膝下が痛むのですが,今年は5月まで痛くて,出場できるか冷や冷やしていました。5月になってほぼ全快したので安心していたのですが,どういうわけか,大会2日前くらいから激痛に変化。
前日には,「車に乗っていても振動で痛い」という最悪の状態になりました。
もちろん,歩いたり走ったりすると激痛になるし,正座もできない,寝てても痛い,という悲しい状況です。でも,不思議なことに,自転車でペダリングする分にはあまり痛みを感じないのです。
ただ,これは右脚が,踏む&引く,両面で頑張ってくれているからです。ローラー台に乗ると分かるのですが,元気なときは問題ないのに,左足が痛むときにはリアタイヤがローラーとスリップしてしまいます。つまり,それだけ,ガタガタのペダリングをしているということです(左脚の踏み込みが全然できていない)。
今回は,だましだまし5合目まで行ってしまいましたが,全部,右脚におんぶにだっこです。
レース後,整形外科に行ったら「半月板損傷」という診断結果。これから数ヶ月,ゆっくりゆっくり治していくことになりました(とほほ・・・)
む? 完治すれば,脚2本で走れるわけだから,45分で登り切れるって言うことか? コースレコードだ!(←バカである)
まとめ
なんだか最後の方は,若干悲しくなってきましたが,レースで役に立った物・役に立たなかった物のまとめは,これにておしまいです。
今年は,おいらにとって40才という節目の年。
自分がどこまで行けるのか,どれだけ羽ばたけるのか。
そんな想いで,家族(ツマ)の反対を押し切っての初挑戦でした。
が,ゴール直前で聞こえてきた家族の声援,それに応えられた火事場のバカヂカラ,ゴール後に笑って家族と写真が撮れたこと,苦しかった上りで目に入るチビ達のプリクラシール・・・。
「自分が・・・」「自分は・・・」,と一念発起して望んだ初レースでしたが,終わってみると,家族に囲まれ,支えられていることを,改めて認識できた貴重な体験でした。
夜はブンブンローラー台で安眠妨害し,朝練をやり過ぎて眠くて昼寝してたり,なにかとダメパパぶりを発揮していましたが,しばらくは(だよな?)レースはオヤスミ。
ちょうど左脚も痛いし,土日の朝に平地をほどほど走って,昼間はチビ達と遊ぶ。いつもののんびりパパ&フォトポタ日記に戻ります~(^^)
- ■「2009年」カテゴリー内の前後記事
-
- 1件新しい記事:富士ヒルクライム参戦記(フォトアルバム完成編)
- 1件古い記事 :富士ヒルクライム参戦記(その4:5合目&下山編)