苦節5ヶ月。ネオモルフェ化完了!(中編:作業の様子)

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作業は全部トルクレンチです。持ってて良かった(^^)

作業は全部トルクレンチです。持ってて良かった(^^)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

本ブログ内の紹介記事へ前回は,Cinelliのハンドルバー「ネオモルフェ」の特徴と,取り付け結果について紹介しました。

今回は,難航を極めた(多少誇張あり)取り付け作業について,特に手間がかかった,ケーブルルート変更,STI取付位置検討,バーテープ巻き,ステムの傷防止保護の様子を紹介します。

要するにこんなお話です(^^)

  • ネオモルフェハンドルバーの取り付け作業
  • ケーブルのルーティングを大幅見直し!
  • STIの取り付け位置を決めるのがものすごく難しい(カンパ用なのか?)
  • バーテープ巻きも滅茶苦茶難しい(複雑形状,ケーブル内蔵など)
  • 各所の傷防止に3M「表面保護テープ」が活躍(^^)

ケーブルルートの変更

最近では珍しくなくなってきましたが,595はケーブル内蔵型のフレームです。

デフォルトでは,FDのケーブルはフレーム右側,RDのケーブルは左側の穴からフレーム内に入っていく構造になっています。

ヘッドチューブの前で両シフトケーブルがクロスする配線ルートなのですが,595号生誕から今回のネオモルフェ化まで,その配線の歴史(?)を振り返ってみます。

TIAGRA時代(2010年3月~6月)

TIAGRA時代の595。左右のシフトケーブルが大きなアールを描いて,フレームの反対側を通っています。

TIAGRA時代の595。左右のシフトケーブルが大きなアールを描いて,フレームの反対側を通っています。

Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8

シマノの場合,TIAGRAやSORA,旧型の105以上コンポでは,シフトケーブルはSTIから横に飛び出し,昆虫の触角のようなルートで配線されます。

595号も当初はTIAGRAだったので,この「触角ルート」で配線したのですが,本ブログ内の紹介記事へ思いの外うまく配線できていました

STIから出たケーブルは,フレームの反対側の穴まで大きなアールを描いていきますので,抵抗も少なく,また,ケーブルの余長もありますので,ハンドリングも軽やかでした。



DURA-ACE時代(2010年7月~2011年3月)

昨年7月にDURA-ACE(7900系)にコンポの入れ替えを行ったところ,本ブログ内の紹介記事へ事態は一変しました

7900系はシフトケーブルがハンドルバーに沿って配線されます。

見栄えはすっきりするのですが,シフトケーブルがハンドルバーから離れるのは,ハンドル中央のステム付近になり,ケーブル配線を難しくさせます。

バーテープから出たシフトケーブルは,短い距離で,フレームの反対側に向かって配線されます。

バーテープから出たシフトケーブルは,短い距離で,フレームの反対側に向かって配線されます。

Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8

たとえば,左にハンドルをめいっぱい切ったとき,伸びる側(FDケーブル)は問題ないのですが,余る側(RDケーブル)は外側に膨らみます。

「触角ルート」の場合はSTIからフレーム穴までの距離がありますから,その間で適当に曲がればいいのですが,7900系の場合はバーテープから出て,フレーム穴までの間の距離が短く,余る側のケーブルは短い距離で無理矢理外側に大きく曲がることになります。

このため,両シフトケーブルによって,常にセンタリングしようとする力が働き,ハンドリングがかなり重くなります。

さらに悪いことに,フレームのケーブル穴に対して,常に外側への応力がかかり続けることになるのです。

この状態を半年間続けた結果,なんと,595号のフレーム穴はこんな感じに,破損しかけていたのでした(涙)

うんぎゃ~,フレームのケーブル挿入穴にヒビが!(号泣)

うんぎゃ~,フレームのケーブル挿入穴にヒビが!(号泣)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D



コロンブスの卵的解決(^^)

今回の作業の序盤で,フレームの破損状況を見て号泣してしまいました。

すぐに,瞬間接着剤で補強した上,タッチペイントしておきましたが,同じ配線をした場合には再発することが目に見えています。

そこで,思い切って,フレーム内を通過するFDとRDのケーブルを入れ替えることにしました。やり方は簡単で,BB付近で露出するFDとRDのケーブルを入れ替えるだけです。

これで,多くのフレームに見られるように,FD→フレーム左側,RD→フレーム右側を通るようになりました。

シフトケーブルの通り道を左右入れ替えたおかげで,無理のない(というか普通の)配線になりました。

シフトケーブルの通り道を左右入れ替えたおかげで,無理のない(というか普通の)配線になりました。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

無理のない,なめらかな曲線で配線することができましたし,ハンドリングもびっくりするくらい軽やかになりました。

フレーム穴付近では,ケーブルがフレームと干渉するようになりますが,いつもの3Mの「表面保護テープ」を貼ったので大丈夫です。

今回,一番悩んだところですが,簡単な発想の転換により,一番満足いく仕上がりになった部分です。最初からこうすればよかったよ・・・。



STIの取り付け位置

ネオモルフェは,どうも,カンパ用に設計されているようです。

それというのも,STIの取り付け推奨位置が,とてもシマノではあり得ないような位置になっているのです。

カーボン製品の場合,表面がつるつるで摩擦係数が小さいことから,STIやステムをクランプする位置は,ザラザラ加工がしてあります。

要するに,「この位置にクランプしてね♪」ということなのですが,STIの位置については,ものすごく低い位置になっているのです。

メーカーの推奨取付位置(白っぽくなっている部分)の上限に取り付けても,こんなに低い位置になってしまいます。

メーカーの推奨取付位置(白っぽくなっている部分)の上限に取り付けても,こんなに低い位置になってしまいます。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

カンパであれば,この位置でSTIの上面がハンドルのショルダー部と段差無くつながるみたいなのですが,シマノの場合(少なくとも7900系の場合),とんでもなくでかい段差ができてしまいます。

仮止めした時には「メーカの推奨位置だし・・・」と思いかけたのですが,ローラー台で乗ってみると,どうしても握れる位置ではありませんでした。

そこで,7900のSTIでちょうどいいと思われる位置に,薄く自己融着テープを巻き付け,そこにクランプしました。

自己融着テープは,引っ張れば引っ張るほど薄くすることができるので,極限まで薄くして張ることで,じゃまにならないようにできました。

推奨位置より上部に自己融着テープを薄く巻きます。<br />この写真は失敗作(段差があります)。もっと引っ張って薄くして,段差をなくしました。

推奨位置より上部に自己融着テープを薄く巻きます。
この写真は失敗作(段差があります)。もっと引っ張って薄くして,段差をなくしました。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
やっとこ,常識的な位置に取り付けられました。手間取らせおって・・・(^^;)

やっとこ,常識的な位置に取り付けられました。手間取らせおって・・・(^^;)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D


バーテープ巻き

ネオモルフェは,「世界バーテープ巻きにくいハンドルバーコンテスト」優勝の最有力候補です。

おいらは,もともと,バーテープ巻きが非常に苦手なのですが,ネオモルフェの巻きにくさは別格でした。


随所に凹みがある

本ブログ内の紹介記事へ前回紹介したように,ハンドルの各所に凹みがあり,それぞれに指や掌を合わせられるので,とても握りやすくなっています。しかし,途中で凹んでいるバーに,隙間無くテープを巻くのはものすごく難しいのです・・・。

ただ,これについては,可能な限りテープを引っ張りながら巻いていけば,なんとか隙間無く巻くことができました。



巻き終わりの位置が中途半端

これは本当に難関であり,解決に約2時間を費やしました。

ネオモルフェはケーブル内蔵型のハンドルなのですが,その形状はかなり特殊です。

ハンドルの途中にケーブルを通す「穴」があるのではなく,ふつうにケーブルを通した上から「カバー」が被さっているような構造になっています。どでかく,「Cinelli」とロゴが描かれている部分がそうです。

Cinelliの部分の裏側をケーブルが通ります。このロゴ部分にテープを巻くわけにはいきません。

Cinelliの部分の裏側をケーブルが通ります。このロゴ部分にテープを巻くわけにはいきません。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

見栄えはオリジナリティがあるし,握りやすくてとてもいいのですが,この部分までバーテープを巻くわけにはいかないので,その手前でエンド処理をする必要があります。

が,その位置(巻き終わり位置)は,ショルダー部のすぐ横であり,「まだ曲がっている途中」な部分なのです。

こんな位置で巻き終わりになっても,飾りテープが巻けないよ。幅広いし,・・・ん?

こんな位置で巻き終わりになっても,飾りテープが巻けないよ。幅広いし,・・・ん?

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

普段,まっすぐな場所でのエンド処理ですら失敗しているのに,カーブ途中のエンド処理なんて,飾りテープがしわだらけに湾曲してしまうのが目に見えています。

しかも,カーブ途中であるが故に,エンド処理に使う,幅の広い飾りテープを使う幅が確保できません。

いったい,どうしたもんだか・・・。

強引に解決!

カーブ途中のエンド処理で,かつ,飾りテープを巻くスペースがぜんぜん足りない。

絶体絶命のピンチ(おーばー)で思いついたのは,「飾りテープの幅を半分にする」というアイデア。

これなら,狭いスペースに巻き付けることができるし,カーブでの皺も最小限にできるはず。

まず,幅5mmくらいに切ったセロハンテープで,巻き終わり部分を固定します。

続いて,飾りテープも幅半分に切り,先ほどのセロハンテープで処理した巻き終わり部分に,きれいに,皺にならないように巻き付けていきます。

バーテープの固定自体はセロハンテープでやっていますから,飾りテープは,文字通り,見栄えだけのためにきれいに貼ることに専念します。

飾りテープは真っ二つにチョキチョキします。

飾りテープは真っ二つにチョキチョキします。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
ようやく,この中途半端な位置でのエンド処理完了!

ようやく,この中途半端な位置でのエンド処理完了!

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
前から見ると,こんな感じになります。ふぅ(^^)

前から見ると,こんな感じになります。ふぅ(^^)

Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8

曲がった部分でも,強引に巻き終わることができました。また,飾りテープも1本を半分にして使ったので,汚れてきたら,残りの1本をまた同じように使うこともできます(^^)

いやはや,苦労させられました・・・。


ステムの固定部分保護

これは,賛否両論ある処置かとおもいます。

FSAのハンドルバーを外したとき,ステム固定部分がぼろぼろになっているのを発見しました。

ステム側の金属に削られ,塗装が剥げて地金が露出しています。

こうなってしまうのがイヤで,ネオモルフェの取り付けでは,ステム側の接触部分に薄いテープを貼ることにしました。

たまたまあったセロハンテープの表面が,妙に粘りけ(?)があるので,グリップ的にも問題は無いかと思い,こんな風に貼ってみました。

ネオモルフェの指定トルクは5Nmと,とてつもなく小さいので,細心の注意を払いながら,トルクレンチで固定して完了です。

クランプ部に,薄いテープを貼ってみました。

クランプ部に,薄いテープを貼ってみました。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

気になるのは,「滑るんじゃないか」ということですが,今のところ,ヤビツアタックも含めて全力で握ってみても,特に滑るような気配はありません。

ただ,夏場に接着剤部分が溶け出すこともあり得ないことではないので,あまりおすすめはできない処置です。

STI部分と同じように,自己融着テープをきわめて薄く巻くという方法もありかもしれません。この方法だと,グリップについてはまったく不安はありませんから,締め付けトルクをさらに小さくできるという裏ドラが付いてきそうです。

いずれにせよ,まねする際には(しないか・・・)自己責任でお願いします~



またも,続く

次回はいよいよ使用編(インプレ)です~

次回はいよいよ使用編(インプレ)です~

Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8

たかがハンドル交換作業,されどハンドル交換作業。

簡単に終わるとは思っていなかったのですが,丸2日もかかってしまいました。

その分,ブログネタも2回では終わりきらず,肝心のインプレの方は次回持ち越しになってしまいました。

ただ,インプレ自体は,たかがハンドル(笑)なので,あんまり期待しないでください。

見栄えくらいかな・・・?(^^)

つづく


■「ハンドル」カテゴリー内の前後記事
2011年04月20日 | カテゴリ:  ハンドル | ID: 10014
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