バーチャルトレーナーに黄色信号!(VTTTM)

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長年,愛用してきたバーチャルトレーナー(VT)機能。そこに潜む危険とは・・・?

長年,愛用してきたバーチャルトレーナー(VT)機能。そこに潜む危険とは・・・?

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

富士ヒルクライム(FHC)2015の記事の中で,「バーチャルトレーナーを使ったタイムトライアルの問題」について少し触れました。

長すぎるので,この問題のことをVTTTMVirtual Trainer Time Trial Mondai)と呼ぶことにしましょう。

VTはすぐにコースアウトしていなくなるのも問題ではありますが,もっともっと根本的な問題です。

新たに発見されたVTTTM,それはいったい・・・?

序盤を飛ばしすぎるバカ・・・

ご存知の通り(?),おいらのヒルクライムは,序盤に飛ばしすぎて,終盤でヘタれてしまうというペース配分

終盤どころか中盤からパワーダウンしてしまうことも多々あり,非常にまずい走りです。

FHC2014でのパワー変化グラフ。<br />芸術的な(?),「序盤頑張りすぎて,後半ヘタる」様子が分かります。

FHC2014でのパワー変化グラフ。
芸術的な(?),「序盤頑張りすぎて,後半ヘタる」様子が分かります。

自転車に限らず,昔マラソンをやっていたときも同じで,

  • とにかくパワーがあるうちに使っておかないとモッタイナイ
  • 最終盤でパワーを余らせたら大変
  • おっ,かわいい女子発見!こっち見てる!

とか,色んな思惑と誤解が絡んだ,複雑なメカニズムです(笑)

ゴール後にデータを確認しては(っていうか走行中にも気が付いている),直したいなぁとは思うのですが,また次回も同じ過ちを繰り返しています・・・。

しかし,上に上げた3つの原因の他にも,もっと重大な原因があることが長年の研究の末に分かってきていて,それが,バーチャルトレーナーなのです。

「序盤飛ばしすぎバカ」にとっては最悪のペースメーカー(?)

「序盤飛ばしすぎバカ」のおいらが愛用しているのが,Edgeシリーズに搭載されているバーチャルトレーナー機能(以下,VT)。

過去の自分の走行データにあわせて進むキャラ(=VT)が画面に描かれるので,それよりも少しでも前を走るように頑張れば,自然と自己ベストが更新できるという素晴らしい機能です。

ヤビツでの様子。VTから109m遅れています。

ヤビツでの様子。VTから109m遅れています。

SONY DSC-TX10

この機能のおかげで,ヤビツへの挑戦を始めたころは,毎週のように自己ベストを更新するバラ色のヒルクライム人生を謳歌しておりました。


しかし,良く考えると,VTとして使用する走行データは,もれなく,序盤飛ばしすぎて終盤にヘタった自分の走行パターンです。

このデータを長年用いていると,以下のような悪循環に陥ることが,フォトポタヒルクライム研究所(PPHCL)によって解明されました。

  1. 序盤飛ばしすぎで走る(&後半ヘタる)
  2. 翌週,前回のデータに基づくVTとスタートする
  3. スタート直後からVTはバカみたいに飛ばす
  4. おいらはVTより少しでも前に出ようと頑張る
  5. 当然,後半ヘタる
  6. 前回よりも「さらに序盤飛ばして,さらに後半ヘタる」データが作られる
  7. 2.に戻る

どうでしょう,このバカバカしいほどのダメスパイラル。

「序盤飛ばしすぎバカ」を純粋培養するかのようなスパイラル。

この現象を,VTDSVirtual Trainer Dame Spiral)と名づけましょう。

アカデミックに表現すれば(?),「VTTTMの原因はVTDSである」ことが世界で初めて分かったのです。

VTDSによって,序盤で300W,後半で100Wみたいなどうしようもない走りをするバカライダーが純粋培養されていくのでした。

怖いですねぇ・・・(笑)

こちらは去年のヤビツ。今年はもう少し改善されていますが・・・。

こちらは去年のヤビツ。今年はもう少し改善されていますが・・・。


初心に戻って「紙」!

というわけで,おいらのような「序盤飛ばしすぎバカ」にとっては,VTは極めて危険な機能であり,バカに刃物であることがわかりました。

もともとフラットな走りができる人であれば,全体をコンマ数%持ち上げてタイムアップなどの芸当ができると思うのですが,おいらの場合は,やればやるほど悪化していきます。

そこで,FHC2015でも大活躍した,紙ラップ表の出番です。

目標タイムから逆算し,勾配に応じたラップタイムと速度を記載しておくことで,ほぼ一定パワーでの走りができるようになります。

今年のFHCで活躍した「紙ラップ表」。<br />ポイントごとの通過タイム(上部)と,勾配に応じた目標速度(下部)が書いてあります。

今年のFHCで活躍した「紙ラップ表」。
ポイントごとの通過タイム(上部)と,勾配に応じた目標速度(下部)が書いてあります。

SONY NEX-5N + Carl Zeiss Vario Tessar T* E 16-70mm F4 ZA

勾配変化が激しいコースだと(Edgeの勾配表示はタイムラグが大きい)難しいところもあるのですが,闇雲にパワー全開で走るよりはるかにマシだと思いますし,FHC2015本番と,2回のヤビツアタックで照明されています。

本当はパワーメーターを買えば一発なのですが,買えるまで貯金していると,自転車に乗れない歳までかかってしまいそうなので,秋シーズンのヤビツでは「紙ラップ表」を積極的に使っていくことに決定です。

そして,秋には夢の40分切りです。

早くしないと,ラップ表の細かい文字が読めなくなってしまいそうです(笑)

近いうちに,「紙ラップ表」の具体的な作り方も紹介していきたいと思います。

おしまい(^^)


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2015年07月10日 | カテゴリ:  サイコン | ID: 11437
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