FD-6700 & ST-7900互換性疑惑事件(発覚編)
今回の主役,FD-6700 (Ultegra)です。
Nikon D90 + TAMRON 17-50mm F2.8おいらのLOOK号は,STIはDURA-ACE(7900系)ですが,すべてのコンポーネントを7900系で統一できているわけではありません(というか,DURA-ACE以外のコンポーネントのほうが多い状態・・・。涙)
シマノの公式見解では,いろいろと互換性の制約があるのですが,「使ってみたら動いた」という感じで,いろんなグレードのコンポを混在して使っています。
しかし,愛用しているULTEGRAクラスのフロントディレイラ,FD-6700くんの調子が悪くなってしまいました。調整が悪いのか,互換性が無いからなのか,どうしたもんだか・・・?
要するにこんなお話です
- いい加減な変速(トルクかけたままアウターに)したら,チェーンが外側に脱落・・・
- 元に戻す際に,FDプレートとチェーンリングの間にチェーンが挟まり,プレートが変形した模様
- この事故以来,FDプレートがチェーンと擦るようになる
- 色々やったけど直らない(涙)
- 解決は次回を見てね
チェーン脱落事件
先週末,いつものように朝ポタで鎌倉界隈を走っていたとき,交差点付近で後ろからトラックにあおられ,やむを得ず加速しなければならない場面になりました。
このとき,ギアはインナー×7速くらいの状態。これではスピードが出し切れないので,チェーンにトルクがかかったまま,「うぉりゃ~」とフロントをアウターに切り替えました途端,チェーンがクランクの外側に落っこちてしまいました。久しぶりの,チェーン脱落事故です。
写真はイメージです(笑) ※2年ほど前のRHC号の同種事故写真
RICOH Caplio GX100そのまま惰性で走って交差点を抜け,左足を外して(ゆるゆるです)歩道に上がって退避。
いつの間にか,フロンとディレイラー(FD)のトップ調整ボルトが緩めになっていたため,FDがアウターの外側までスイングしてしまったようです。
ポケットからコンビニビニール袋(持っているとすごく便利です♪)を出し,手を入れて手袋代わりにしつつ,外れたチェーンを元に戻してあげました。
それから,普通に海岸沿い(R134)を通って家まで20kmほど走ったのですが,どうもFDの調子が悪くなってしまいました。ワイヤが緩んでしまったのか,ちゃんとアウターに乗ってくれなくなってしまいました。ま,朝ポタは急ぐ走りではないので,その後は全部インナーでクルクル回して無事家に到着しました。
FD調整→だめ→FD修理→だめ→ふて寝
家に帰り,さっそくFD周りの調整をやり直します。
FDのワイヤをがっちりと固定し,インラインアジャスタで調整を始めます。
しかし,どう調整しても,最適な状態を復元することができません。ワイヤの張力を増してアウターにかかりやすくすると,インナーに落ちなくなります。逆に,インナーに合わせると,アウターにかかってくれなくなってしまいます・・・。
そこで,LOOK号組み立て以来,初めてFDを外してみることにしました。すると・・・,
外したついでに,きれいに掃除してあげました(^^)
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dプレートを真上から見たところ。ありゃ~,歪んでるでござるよ!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dおぉ,ナンタルチア,サンタルチア(おやじギャグ)。FDのプレートが歪んでいるじゃありませんか!
外側のプレートが,外向きに膨らむ形で歪んでいます。
チェーン脱落から回復させるとき,FDとアウターの間にチェーンが挟まっていたのを,無理やりクランクを回して解消したのが原因かもしれません。
外側のプレートは比較的やわらかい(内側のプレートは縁を折って強度を高めている模様。力がかかる部分ですしね)ので,手でぐいぐい押して,ほぼ元通り,真っ直ぐな状態に直しました。
で,再度組み付けてFDの調整を行いました。
しかし,今度は違う症状で,どうやってもうまくいきません。
アウター×トップ,インナー×ローのどちらでも,プレートとチェーンがこすってしまうのです。しかも,かなりキツク。
アウター×トップは,あまり使わない(90rpmで52km/hですから)のであきらめることもできます。で,ヤビツで多用するインナー×ローでこすらないようにワイヤの張りを調整してみると,今度はアウターにしたとき,トップから3速くらいがこすりまくりになります。
トップは使わないにしても,3速目からこすっているようじゃ,どうにもなりません。
FDの取り付け角度をいじってみたり,チェーンリングとの距離を近づけたり離したり,色々やってみましたがどうにもダメでした。もちろん,FDの調整ボルトはHもLも無効にしてあります(自由に動ける状態)
ん~,いったいどうしたもんだか。とりあえず,寝るか・・・。
謎は深まる一方
インナー×トップで外側のプレートがこすれるのは当たり前ですし,そんな組み合わせはめったに使わないので問題にはなりません。でも,インナー×ローで内側のプレートがこすってしまうというのは大問題です。
用語が入り乱れて分かりにくいので,表にしてみるとこんな感じです。
フロント | リア | こすれる部位 | 評価 |
---|---|---|---|
アウター | ロー | 内側プレート | こすって当たり前。しかも,普通は使わない。 |
インナー | トップ | 外側プレート | こすって当たり前。しかも,普通は使わない。 |
インナー | ロー | 内側プレート | こするはずが無い。しかも,とてもよく使う。 |
アウター | トップ | 外側プレート | こするはずが無い。ま,あまり使わないけど。 |
上二つはよくあることですし,普通は使わないギアの組み合わせですから,特に問題にはなりません。
しかし,下二つは,まずいです。正しいギアの使い方なのに,こすってしまうのは問題ですし,インナー×ローがNGでは,ヤビツを上ることもかないません(涙)
それにしても不思議です。
FDの調整ボルトは無効にしたので,FDの位置を決めているのは純粋にワイヤの張りだけです。
この状態で,インナーでこすらないように調整すると,アウターにしたときプレート外側がこすってしまいます。逆に,アウターでこすらないように調整すると,インナーにしたときプレート内側がこすってしまいます。つまり,FDのスイング量が足りないのです。
そこで,自転車事故等対策委員会(座長:おいら,委員:おいら)を召集し,この事態の原因について机上検討を行いました。
【仮説1】DURA-ACE(7900系)とUltegra(6700系)FDの互換性問題か?
冒頭に書いたとおり,LOOK号はSTIが7900系で,FDは6700系となっています。
シマノの公式発表では,7900系のフロント駆動関係(STI,FD,クランク)は他のグレードとの互換性は一切無く,7900系でまとめなくてはいけないことになっています。ひょっとすると,これが,「こすれ」の原因なのかもしれません。
ST-7900とFD-6700は,親(シマノ)が認めない結婚なのです・・・(悲)
FD-6700とFC-5650はギリギリ許してもらえる結婚です(買っちゃった婚?)
しかし,よく考えてみると,必ずしもそうとは言い切れないような気もしてきます。
7900系は,ご存知のとおり,FDの「トリム操作」が不要になっています。
フロントのアウターギアとインナーギアの間隔を広げ,FDのプレート間隔も広げています。それにあわせて,FDのスイング量を増やしています。スイング量を増やすために,STI側でのワイヤの巻き取り量を増やし,FD側のレバー比も変更しているそうです。
しかし,今,おいらのLOOK号で起きている問題は「FDのスイング量が足りない」という事象です。巻き取り量を増やした7900系STIと,従来のままのULTEGRA FDの組み合わせでは,むしろ,スイング量が必要以上に増えてしまう,となるはずであり,今LOOK号を襲っている事態とは真逆であります。
う~む,謎であります・・・。
【仮説2】プレートの変形のせい?
今回のアウターチェーン脱落により,FDの外側プレートが変形してしまいました。
それを,手作業でぐいぐい曲げ,元に戻したつもりになっていますが,正直言って,初期状態の形状を覚えているわけではないので,「たぶん,こんなだべ?」みたいな感じでやっています。
これで真っ直ぐに直したつもりなんだけど,いまいち,不十分?
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dひょっとすると,ここに落とし穴があるのかもしれません。
素人目には真っ直ぐなように見えるプレートも,実は微妙にアーチを描くように設計されてるのかもしれません。曲がっている状態が,実はシマノの特許だったりするかもしれません(んなわけないか?)
こればっかりは,手元に新品があるわけではないので分かりかねるのですが,いずれにせよ,「手でまげて元通り」というのは,不安材料のひとつであることは間違いありません。
【仮説3】もともとこすっていた?
ひょっとすると,これもあるかも。
インナー×ローを選んでいるときは,たいてい,静かな山奥を黙々と,しかも低速で上っているときです(蓑毛とか)。
なので,この状態で,チェーンがFDとこすった場合には,その音にすぐ気がつくと思います。
一方,アウター×トップを選ぶときは,かなりの速度で巡航しているので,こすれ音に気がつきにくいと思います。
これが,アウター×トップの状態。外側(←)のプレートに思いっきりこすっている・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dつまり,ひょっとすると,「組み立て当初からアウター×トップではこすり放題だったのだけど,今まで気がつかなかっただけ」という可能性も否定はできません。
だとしたら,ちょっとしょぼいメカニック&ライダーですねぇ・・・(いずれも,おいらだけど)
解決編に向けて
案1にしても案2にしても,新しく7900系のFDを買ってくれば解決できることですので,新ホイールの偵察がてら,Y'sROAD横浜にFD-7900を買いに行ってみました。
「5000円くらいかな。痛い出費だなぁ」と思って行ったのですが,なんと,9500円もしやがりました。論外です。却下。
我が家(いや,おいらだけか)は,総力を上げて次期主力ホイールに向けて貯金をしている最中です。一日に数回しか変速しないFDのために1万円近くも出費することは,言語道断であります。こんなもん(酷い言い方)に金を出すくらいなら,TIAGRAブレーキをなんとかしたいです(泣)
というわけで,100%問題が解決できそうなFD-7900購入はあきらめ,いつものように,費用0円のDIY方式の改善策に取り組むのでありました。
と,ここまで書いておいて,あまりに長くなってきたので,解決編はまた次回に!
(一応解決していますので,ご安心を♪)
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