スピードセンサーマグネットのパワーアップ(取り付け編)

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5個の磁石たちを装着したMV32T。生き残るのはどの磁石!?

5個の磁石たちを装着したMV32T。生き残るのはどの磁石!?

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8

前回記事で紹介のとおり,山岳決戦用ホイールのReynolds MV32T(現Thirty Two)のスピードセンサー用に,二六製作所で新たに4個の磁石を購入しました。

現状で使っている磁石と合わせて,色んな形・大きさの磁石が5個揃いました。

せっかくなので,色んな取り付け位置で試してみて,実際にMV32Tで使用する次期主力磁石を決めるオーディション(?)をやってみることにしました。

それにしても・・・,暇ねぇ(笑)

異様に長いですが,要するにこんなお話です

  • スピードセンサー用マグネットを交換しました
  • 今までより強力なネオジムマグネット数個を試して,最適なものにしました
  • 写真18枚も必要だったか!?

磁石交換の目的

そもそも,なんで磁石取り替えるんだっけ?という方に,今までのおさらいを。

MV32Tを使っていてキツイ坂を登るとき(MV32Tはキツイ坂専用です,笑)にダンシングをやると,GARMIN Edge705の速度データが欠落することがあります。

SHAMALではそのような現象は無いのですが,実はSHAMALとMV32Tでは磁石とセンサーの距離が異なっていて,SHAMALが5mmなのに対して,MV32Tでは8~9mmまで広げて使っていました。

MV32Tも購入直後は5mmまで詰めていたのですが,ダンシング時のたわみ(リム・スポーク・フレーム)で,磁石がセンサーと擦ってしまうことがありました。

そこで,やむなく10mm近くまで広げていたのですが,どうも,使用している小さなネオジムの磁力では10mmあたりが限界っぽくて,キツイ坂をダンシングで登るときにデータ欠落が起きていたようなのです。

前々回,アクションカムをフレームに固定して走行時のブレの様子を調べたのですが,実はそこまでしなくても,手でホイールを押すと比較的簡単に左右方向にぶれることが分かります。

こんなに簡単にブレるんだから,5mmのクリアランスはちょっと狭すぎるようで,やはり10mmは欲しいところです。

そこで,現状使っている磁石よりも強力をオーディションで選ぶことになったのです。

オーディション参加磁石たちの紹介・オーディションのしくみ

今回,オーディションに応募してきた5つの磁石たちを紹介しておきます。

No.形状大きさ(mm)厚さ(mm)磁力(g)お値段(円)
1角・薄7×71.51050500
2丸・薄直径92.0100096
3丸・厚直径92.51100108
4長方形・小10×52.01200107
5長方形・大15×53.01500302

No.1は,今まで使っていた磁石で,2~5が今回購入した磁石です。

No.1だけ近所のDIY店で購入したので,値段がべらぼうに高いですが,磁力(吸引力)はブービーです(といっても,十分強力なんですが・・・)。

上から,2,3,4,5番の磁石です。

上から,2,3,4,5番の磁石です。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8



オーディションの方法は実に簡単で,まずはホイールに5個の磁石たちを全部くっ付けちゃいます(このまま走れば150km/hくらい出せます,笑)。

応募者全員をスポークに付けてみました。これで,5倍の速度が出ます(^^)

応募者全員をスポークに付けてみました。これで,5倍の速度が出ます(^^)

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8

この状態で,GARMINの速度センサーの位置を調整して,センサーと磁石(というかスポーク)との間隔を変化させます。

で,だんだん,間隔を広げていって,最後までデータ欠落しなかった磁石が優勝となります。

実際にEdge705の画面で確認するのは大変(5倍だし)ですが,GARMINの速度センサーには,磁石通過時にLEDが点滅する機能があるのでこれを活用します。

また,耳を良く済ませると,センサー内部のメカ接点のメイク音でも分かります。

センサーが反応すると小さなLEDが一瞬点滅するので,これで判定します。

センサーが反応すると小さなLEDが一瞬点滅するので,これで判定します。

SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA



また,センサーとスポークの間隔は,この手の遊びでは活躍する,いつもの格安デジタルノギスで計測します。

計測は,いつもの格安デジタルノギスで正確に(^^)

計測は,いつもの格安デジタルノギスで正確に(^^)

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
明らかにヒマとしか思えませんが,撮影の様子です。

明らかにヒマとしか思えませんが,撮影の様子です。

SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA


オーディションの結果

朝から,ホイールに磁石を5個もつけて,ゆっくりゆっくり,何度も何度もホイールを回し続けて,オーディション選抜は続きます(暇だなぁ・・・)。

最小の5mm。これだと,ダンシング時に接触してしまいます。

最小の5mm。これだと,ダンシング時に接触してしまいます。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
最大の17.1mm。誰も反応してくれませんでした・・・(涙)

最大の17.1mm。誰も反応してくれませんでした・・・(涙)

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8



厳正なる審査の結果,各磁石の実力は以下のとおりであることが分かりました。

間隔
(mm)
No.1
角・薄
No.2
丸薄
No.3
丸厚
No.4
長方形・小
No.5
長方形・大
5.1
7.8
10.1××
13.8×××
15.0×××××
17.1×××××

○が反応あり,×が反応なし,△は微妙~という意味です。

5mm(最小)と7.8mm(現行設定)では全員が合格でした。

10.1mmまで広げると,No.1(現行)とNo.4(長方形・小)が脱落し,No.2(丸・薄)は微妙な感じでした。

さらに13.8mmまで拡大すると,一番強力なNo.5(長方形・大)とダークホースNo.3(丸・厚)が生き残りました。

この先,さらに間隔を15.0mmまで広げると全員が無反応になったので,13.8~15.0mmの間で設定すれば優勝者が1つに決まりそうなのですが,残念ながらGAMRINのセンサーの都合で,この中間位置にはノッチがなくて,設定できませんでした。

結局,今回のオーディションの勝者はNo.3とNo.5の2名という結果になりました(^^)

オーディション委員会の公式記録。急にアナログ手法。

オーディションの公式記録。急にアナログ手法。

SONY NEX-5N + Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA

やる前までは,「どうせ磁力順だろ?」と思っていたのですが,意外なことに,3番目の磁力であるNo.3が生き残りました(何度やっても同じです)。

磁力が弱いのに生き残ったのは,

  • 他の磁石に比べてちょい厚め(2.5mm)だから?
  • 細長~い長方形タイプに比べて,丸型のほうがセンサーに対して集中的に磁力を浴びさせられる?

なんて思っているのですが,意外な結果で面白いものです(^^)

予想外に善戦した丸型磁石。四角いのはビリだった現行磁石。不思議です・・・。

予想外に善戦した丸型磁石。四角いのはビリだった現行磁石。不思議です・・・。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8


MV32Tセンサー磁石の世代交代

No.3とNo.5のどちらも成績は優秀だったのですが,次期MV32T主力磁石には,No.3の丸型が選ばれました。

長方形の方が磁力はあるのですが,ちょっと大きすぎて,スポークに取り付けると目立ってしまいます。

もうちょっと薄いと採用だったんだけどなぁ・・・。

もうちょっと薄いと採用だったんだけどなぁ・・・。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8

一方の丸型は,テープ巻きが難しいという難点はありますが,コンパクトであり,そもそもこの工作をやっている意義(なるべく小さいセンサー磁石にしたい)を十分理解した候補者であります。

また,センサーとスポーク間の距離は現行の7.8mmのままとします。

実験の結果から13.8mmまでは反応してくれていますから,6mmもの余裕があることになります。これだけあれば,多少ぶれてもデータ欠落することなく計測できることでしょう。

今回は,オーディション審査で疲れて面倒だったせいもあり,5分ほどの適当作業で固定してしまいました。

MV32Tは鉄スポークなので磁石がくっ付く(SHAMALはアルミで付かない)のですが,この細いスポーク1本1本がマメに翼断面になっているので,まっすぐ取り付けるのは意外と難しいのですが,面倒なので両面テープで固定しちゃいました。

両面テープを貼ります。

両面テープを貼ります。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
自己融着テープはこんな量で十分。

自己融着テープはこんな量で十分。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ビヨーンと伸ばして使います。

ビヨーンと伸ばして使います。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
クリクリ巻いていって・・・。

クリクリ巻いていって・・・。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
ほい,完成(^^) 今回はちょっと雑だったかな・・・?

ほい,完成(^^) 今回はちょっと雑だったかな・・・?

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8

写真で見直してもやっぱり巻きはイマイチ美しくないので,また来週にでも,本格的に綺麗に巻きなおしましょう。

あとは,キツイ激坂がとぐろを巻いて待ち受ける(?)ヤビツにでも出かけて実証すればOK。

なのですが,肝心の体調というか,体の仕上がり具合の方にすごく問題があり,超運動不足。まぁ,サイクリング気分で,週末にでも行ってみましょう!

おわり。



【おまけ】

今回は,センサーとスポークの間隔を従来どおり約8mm(7.8mm)に設定しましたが,同じセンサー位置に固定していても,SHAMALに履き替えると,センサーとスポークの間隔は一気に狭まります。

これが,MV32Tで7.8mmに調整した状態。

これが,MV32Tで7.8mmに調整した状態。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8
センサー位置が同じでも,SHAMALだとこんなに接近します。約4mm。

センサー位置が同じでも,SHAMALだとこんなに接近します。約4mm。

Nikon D600 + Nikkor Micro 60mm F2.8

SHAMALは,スポークの付け根の幅(≒ハブの幅)がMV32Tの44mmに比べて,1cm以上も広い55mmもあるので,こういうことになります。

これだけ接近していても,SHAMALの方が丈夫のようで,センサーと磁石の接触事故は今のところありません。あんまり激坂に行かないから,というのもあるかもしれませんが・・・。


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2013年10月30日 | カテゴリ:  サイコン | ID: 10813
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