究極のドライオイル,イノテック(innotech)105-まとめ
再施工前のチェーン。汚れにくさはピカイチです。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D今年の6月,猛烈な手間をかけて施工した究極のドライオイル,イノテック(innotech)の「105」。
パーツ類の完全な脱脂(鍋で茹でたんでしたっけ・・・)も大変でしたが,施工後の強烈な臭いにも悩まされました。
それから3ヶ月が経過し,潤滑性能が落ちてきた感がありますので,使用レポートも兼ねて,再施工をしてみました。
意外なほど,簡単でしたけど(^^)
気に入った点
- 3か月経ってもピカピカ。汚れにくさは本当でした
- 潤滑性能は500kmくらいが目安
- 再施工は脱脂作業は不要で,105を塗るだけなのでそんなに手間ではない
- 晴れてれば半日で乾く
- 近所から苦情が来るほど臭わない(^^)
イマイチな点
- 導入時の完全脱脂作業だけは面倒くさい
3ヶ月の使用レポート
そもそも,6~8月の3ヶ月間で,どれくらいの距離を走ったのかです。
3000kmくらい走っていると自慢しがいがあるのですが,なんと脅威の409kmしか走っていません・・・。
というわけで,以下のレポートは,「3ヶ月&500km」という非常にユルいテスト条件であることをご承知置きください。
おいらの評価ポイントは以下の2つ。
- 汚れにくさ(掃除しないで,どこまで清潔さを保てるか)
- 潤滑性能(再塗布しないで,どこまで滑らかさを保てるか)
イノテックの場合,1.の清潔ブリについては折り紙付ですが,2.の潤滑性能についてはイマイチ良く分からないまま使用していました。
さて,3ヶ月・500kmではどのように変化したのでしょう?
【評価1】汚れにくさはピカイチ!
さすが,究極のドライオイルと言っているだけあって,本当に汚れません。
この3ヶ月間は,海辺ばかり走っていたので路面は砂が多く,駐輪時も地面は砂だらけなんてことがザラでした。
しかし,写真の通り,ほとんど3ヶ月前の施工時と同じ清潔さを保っています。
LOOK号から外したチェーン。本当に全然汚れてないや・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dサイドのプレート面は少し汚れているように見えますが,汚れが「固着している」というのではなく,軽く付着しているだけで油分はほとんど感じられません。
肝心のリンクの方も全然汚れてなく,指で触っても,少ししか付着してこないくらいです。
指で触ってもこんな感じ。普通のオイルだったら,黒くなるしベトベトしちゃう!
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D「本当に塗ってあるのか?」と心配になるくらいクリーンさを保っていました。
さすが,イノテック105の汚れにくさはピカイチでした。
【評価2】潤滑性能は500kmくらいで低下中
心配だった潤滑性能は,やっぱり走行距離とともに低下していました。
今まで使っていたFINISH LINEの「ROAD」等の少しウェットなオイルに比べると,初期状態では互角でしたが,少し劣る気がします(でも,ウェットなオイルの汚れを考えたら・・・)
これはFINISH LINEの「ROAD」を4ヶ月使ったときの様子。潤滑はいいけど,真っ黒じゃん・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D施工から3ヶ月目に入ると,走行時のチェーン駆動音が耳障りになってきました。
リアのスプロケ・ディレイラよりも,フロントのチェーンリング付近でのメカニカルノイズが大きくなってきました。
斜めがけ(インナー×トップなど)ではなく,チェーンラインがほぼ真っ直ぐになるような組み合わせにしても,キャリキャリキャリ・・・とノイズが発生していました。
「く,重くて回らん!」ということは無いですが(当たり前ですが),チェーンの駆動音をキャリキャリ発しながら走るのはちと恥ずかしい感じでした。
とはいえ,ほぼ500km完全にノーメンテで走れたのだから,100kmごとに注油していたCryTECH WAXなんかと比べると,はるかに超寿命です。
イノテック105は,思っていた以上に潤滑性能は長寿命でした。
イノテック105の再施工実施!
イノテック105は,クリーニング成分を含んでいる(そいつは施工後の乾燥工程で揮発する)ので,再施工時にパーツクリーナーなどによる清掃は不要です(というか厳禁)。
もしやってしまうと,また,鍋で茹でるなどして,あらゆるケミカル成分をパーツから除去してやる必要があります。
どうやって再施工するかというと,輸入代理店によると,こういう感じです。
- パーツ(チェーン・ギアなど)を自転車に装着したまま,新品の105をジャンジャンと大量にぶっ掛ける
- 汚れが落ちたら,また105を塗って,クリーニング成分を乾燥させるため1日くらい干す
代理店はジャンジャン使って欲しいのかもしれませんが,決して安くはないオイルなので,フォトポタ研究所の財政が悪化してしまいます(すでに悪化してますが)。
そこで,メーカー推奨の,「チェーン付けたままぶっ掛ける」ではなく,ミッシングリンクでチェーンを外し,金属トレイの上でチマチマと清掃することにしました。
作業準備完了! 100均で買った金属トレイだけだけど・・・。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9105のボトルに付属するブラシで,チマチマと塗りこんでいきます。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9コーティングされていた105が全部融けて流れます。汚れてないようで,汚れはあるのね。
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9見た目にはあまり汚れていなかったチェーンですが,105で洗浄していくと,それなりに黒い汚れが出てきました。
が,普通のオイルを塗布したチェーンをクリーナーや灯油で洗浄したときの,ドス黒い液体に比べればはるかに綺麗だと思います。
スプロケ・プーリー・チェーンリング達はほとんど汚れていなかったので,ウェスで簡単にふき取るだけにしました。
天気が良かったのでベランダで半日乾燥。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D施工後にはクリーニング成分を揮発させるために,1日くらい干してやる必要があるのですが,この日は幸か不幸か,晴天なのに家事で走れないという状況でした。
なので,ベランダに適当にぶら下げていたら,半日でちゃんと乾いてくれました。
やっぱり,お日様パワーは偉大です。
また,幸い,ご近所で異臭騒ぎは発生しませんでした。ほっ。
再施工後の状態・まとめ
再施工完了後,久々にローラー台で走ってみました。
やたらと静かなことで気に入っている,固定ローラー台(Elite Super Crono Fluid ElastGel Digital Trainer)でやってみたのですが,完全に無音で回ってくれます(^^) すごいです。
ノイズが気になっていたフロント部分(チェーンリング)も,リア部分(RD,スプロケ)も完全に無音です。
もともと,ローラー台が静かなせいもあって,ローラー台をやりながらでもTVを小さな音で鑑賞できます。
初使用のときは,いきなり屋外走行していたので気が付きにくかったのですが,室内走行してみて,105は(少なくとも施工直後は)非常に滑らかな潤滑性能を発揮していることが分かりました。
完成~(^^) これで年末までノーメンテだ!
SONY DSC-RX100m2 + Carl Zeiss Vario Sonnar T* 10-37mm F1.8-4.9
以上の結果をまとめると,
- 汚れにくさ・クリーンさは素晴らしいです
- 潤滑性能は,400~500kmくらいで落ちてきます
- 潤滑性能が落ちてきたら再施工。それまでは完全ノーメンテですごせます
- 再施工は脱脂が不要なぶん,そんなに手間かからないです
こんなところです。
やっぱり,3ヶ月はノーメンテで過ごせるというのは大きいですね。
副次的効果(?)としては,不注意でチェーンやギアに触ってしまっても,ほとんど汚れが付かないというのもアリガタイ。
月1000kmも走るヘビーライダーには不向きだと思いますが,おいらのように,月100kmしか乗れないウルトラライトライダーにはぴったりのオイルだと思います。
あと気になるのは,冬場のお日様パワーダウン時の乾燥工程だけ。
干しっぱなしにしたら朝の結露でややこしくなりそうだし。この点は,次回12月ごろに試してみましょう。
それではまた~
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