ヘッド周りでいろいろ起きました(ヘッドセット分解清掃編)
完成状態のヘッドセット&ステムなど。ここまで来るのに,どれだけ紆余曲折したやら・・・。
SONY NEX-5N + E30mm MACROフォトポタ日記を始めてから6年になりますが,自分でも「よくネタが尽きないな・・・」と思うことがあります(笑)
が,またも新たなネタが発生してしまいました。
8月末にステアリング関係で色々事件が発生してしまいましたので,以下の2回に分けてご紹介していきたいと思います。
- 第1回目:595号初のヘッドセット分解掃除編
- 第2回目:ボルト破断事件編
今日は第1回目ですので,595号で購入後初となるヘッドセットの分解掃除について紹介します。
要するにこんなお話です(^^)
- 雨中走行の影響か,ステアリングがゴロゴロするようになってきた
- 購入以来初めて,ヘッドセット(HEAD-FIT)を分解清掃した
- 驚くほど汚れていたけど,無事に清掃完了!
- だけど,それから次々と難事件が・・・
ヘッド部分から異音が・・・?
最近,595号のヘッドセット部分から異音が聞こえるようになりました。
前輪を浮かせてハンドルを切ったときは音がしないのですが,前輪に荷重した状態で左右にハンドルを切ると,「ゴロゴロ」とか「ゴリゴリ」という音が聞こえてくるのです。
思い当たるのは,7月末にNoguさんと一緒に走った藤沢→甲府140km。雨の中を何時間も走ったのに,ヘッドセットを何もメンテしないで放置していたのですから,内部で何か異変が起きているのかもしれません。
雨でどろどろのホイール。こんな状態でしたからねぇ・・・。
SONY DSC-TX10こりゃ,なんとかせねば・・・。
595号のヘッドセット,HEAD FITとは?
おいらの595号は09年モデルなのですが,この年から,ヘッドセットが普通の「アヘッド」からLOOK独自の「HEAD FIT」という方式に変更になりました。
アヘッド方式は,「ステムの固定」と「ステアリングの玉アタリ調整」をステム固定部に集中させた方式で,最近のロードバイクは,ほぼ全部この方式だと思います。
それ以前のノーマルヘッド方式に比べて構造がシンプルですが,玉アタリ調整をするためにはステムの固定を緩める必要があり,ハンドルのセンタリングなどをやり直したり,結構面倒くさいものでした。
一方,HEAD FITは,「ステアリングの玉アタリ調整」をステムではなく,トップチューブ側のアジャスタに役割を持たせたシステムです。
こうすることで,玉アタリ調整とステムは無関係になり,ステムには手を加えることなく,いつでも玉アタリ調整ができるようになっています。
595フレームの取扱説明書。なんだか,難しい構造をしているのだ・・・。
SONY NEX-5N + E24mmなかなか便利(&格好いい)HEAD FITシステムなのですが,イマイチ,分解方法が分かりませんでした。
普通のアヘッドであれば,あまたあるメンテナンス本に分解清掃方法が詳しく載っているので,それを参考にすればいいのですが,HEAD FITはLOOKオリジナルのため,そのような解説本は見たことがありません。
以前,アヘッドと同じように分解しようとして,ステムを外し,アジャスタも外してみたのですが,フォークは何かで固定されているみたいで引き抜くことができませんでした。
昔の写真ですが,矢印の部分に「C」の形をしたリングが挟まっているため,簡単に分解することができないのです・・・。
Nikon D90 + Nikkor 35mm F2Dどうしたもんだか・・・。
ようやく,ヘッドセット分解成功!
595号のマニュアルを読んでみると,ヘッドセットを分解するには,この「Cリング」(マニュアルでは“Retaining ring”や”Snap ring”なんて書かれています)を外す必要があることが分かります。
肝心の写真を撮り忘れたのですが,フォークコラムに溝が切ってあり,そこに「輪っか」がはめられていて,脱落防止になっていると思っていただければ大筋合っています。
ちょっと前のモデル(08年式まで?)は,Oリングで固定してあったみたいですが,少なくとも09年式は金属製のCリングで固定となっています。
これがEリングであれば,専用工具を使わなくても(使ったほうがいいですが)細いドライバーやラジオペンチで引き抜くことができるのですが,Cリングの場合,どこも掴むところが無くはまっているので,簡単に外すことができません。
このCリングを外すオススメの工具として,マニュアルではFacom社の411A.17やSAM社の192-J15などのスナップリングプライヤーが挙げられているのですが,当然,我が家にそんなマニアックな工具はありません。
そこで,苦肉の策ですが,非常に細い模型用ラジオペンチ×1,精密マイナスドライバー×4本を駆使し,「外科手術でもやってるのか?」というくらい,Cリングにいろいろな棒を差し込み,ようやく外すことができました。
Cリングさえ外せば,後は普通のアヘッドと同じく,簡単にバラせます(^^)
SONY NEX-5N + E30mm MACROいやはや,専用工具を持っていないと苦労します・・・(コラムに傷を付けるとアウトですから,「外科手術方式」は決してオススメできないですし)
やっぱり,Facomの買おうかな・・・。
595号ヘッドセット,初のご開帳
ヘッドセットの分解に1時間もかかってしまいましたが,Cリングさえ外してしまえば,後は普通のアヘッドシステムと同じで,あっさりとフォークを引き抜き,ヘッドセットをバラバラにすることができます。
で,バラしてみると・・・。
ヘッドセット上ワン。真っ黒けであります・・・。
SONY NEX-5N + E30mm MACROフォーク上部。グリスと砂などが混ざって,もう,タールっぽくなっています。
SONY NEX-5N + E30mm MACRO無事に引き抜くことができたけど,無事じゃない,HSC-6フォーク。
SONY NEX-5N + E30mm MACRO595号フレームの購入から2年半,約7000kmに亘ってノーメンテ状態だったヘッドセット内部は,炭鉱のように(?)真っ黒けになっていました。
特に,雨や埃の影響をモロに受ける下部(ヘッドセット下ワン,フォーク上部)はひどい状況で,グリスと砂埃がドロドロになって,タール状の物質に包まれていました。
これだけ,異物が混入しまくっていれば,異音もするでしょう・・・。
クリーニング完了! キレイさっぱり・・・,のはずが・・・
ヘッドセットの汚れ具合に驚きつつも,「いやぁ,気が付いてよかった。清掃しよう♪」と前向き思考(?)で各パーツをクリーニングしました。
キムワイプで一拭き,きれいさっぱり汚れが落ちた,HSC-6フォークさま。これからも,よろしくお願いします。
SONY NEX-5N + E30mm MACROヘッドパーツもみんなクリーニング。右上にある小さいリングが,問題の「Cリング」。
SONY NEX-5N + E30mm MACRO左が上部ベアリング,右が下部ベアリング。595号は上下異径ベアリングです。どちらもきれいになってよかった(^^)
SONY NEX-5N + E30mm MACRO分解には1時間もかかったのに,バラしてしまえば個別のパーツは単純な形状なので,クリーニングは15分ほどで完了。
また,分解と違って組み立て時には,Cリングはコラムの溝にパチンと嵌めればいいだけなので,組み立てもあっさりと完了。
外側からは分からないけど,内部は見違えるようにクリーンになったヘッドセット。最後にステムをコラムに取り付ければ作業完了です。
トルクレンチをちょっと緩めの6Nm(DedaステムはMAX 8Nm)にセットして,グイグイとステムの固定ボルトを締めていって・・・,げは~っ!! (後編に続く)
一目で,とても悪いことがおきたことが分かる,優れた写真。
Nikon D90 + SIGMA 50mm MACRO F2.8- ■「ハンドル」カテゴリー内の前後記事
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