チューブレスタイヤ FUSION3の中間評価(^^)

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「Road」の文字はかっこいいんだけど,全般的には地味なんだなぁ(^^:)

「Road」の文字はかっこいいんだけど,全般的には地味なんだなぁ(^^:)

RICOH Caplio GX100

次期決戦ホイールにうつつを抜かしている最中で,説得力がまったくありませんが,チューブレスタイヤFUSION3のインプレをまとめてみました。

地味な見た目・意外と重たい重量・着脱の大変さなど,ネガティブな第一印象でしたが,4ヶ月乗ってみて少しは好転したかな・・・?

本ブログ内の紹介記事へクリンチャーのミシュランPRO3 Raceから,チューブレスのFUSION3に乗り換えたのは,2010年の9月。それから4ヶ月,一日の最長ライドは130km,累計走行距離は800kmとなっています。

インプレを書くには少し早すぎる気がしないでもないですが,いつまで待っても,しょせん,おいらレベルのライダーではまともなインプレは書けない(涙)ので,この段階での感想を中間報告としてまとめてみることにしました。


取り扱いについて

着脱の難易度はコツさえつかめばOK

インプレの冒頭が「着脱の難易度」というのはいかがなもんか?という気もしますが,チューブレスタイヤの場合,タイヤ着脱難易度はクリンチャーの比ではない(無体策の場合)ので,一応,書き留めておきましょう。

結論からいえば,「ちゃんと手順を踏み,IRCのタイヤレバーを使えば,とても簡単」です。

初めてやったときは何もわからないままやってしまい,本ブログ内の紹介記事へ5時間もかかりましたが,2回目の時は,正しい手順とIRCのタイヤレバーで8分ほどで完了です。
(詳細は本ブログ内の紹介記事へこちらの記事をみてください~)

なので,チューブレスだからといって,着脱に関しては恐れることは無いと言いきっていいと思います。

ただ,装着にあたっては石鹸水が必要になるので,出先でのパンクに備え,小さな化粧品入れにでも石鹸水を入れて持ち運ぶ必要があるので要注意です。



エア漏れは許せる範囲

クリンチャーと違い,タイヤ(ビード)とホイールの密着で封がされているチューブレスタイヤ。

事前に調べたときは,「エア漏れしやすい個体もある」とのことでしたが,おいらのFUSION3は「あたり」だったのか,エア漏れに関してはぜんぜん気にならないレベルです。

これに関しては,11月にデータ取りをしたので紹介します。

日曜日の夜に,普段よりもちょい高圧の7.0barまで入れておき,翌日から毎晩,寝る前にエア圧を測って記録をつけました。(なんてマメなんだ。仕事しろよ・・・)

その結果は,こんな感じ。

1日目の低下が少し大きい(7→6.5bar)気もしますが,その後はゆっくりしたものです。クリンチャーの時(Vittoria EVO55)はもう少しましな気がしますが,おいらレベルでは,エア漏れについては特に気にしていません。

どうせ,乗車前には必ず入れますから,一日持てば十分ですし(^^)



耐パンク性能はたぶん良い

残念ながら(?)一度もパンクしていないので,なんとも言えませんが,少なくとも「パンクに弱いタイヤ」ではなさそうです。

チューブレスタイヤの美点として,「パンク時にも一気にバーストしない」というのがあります。クリンチャーの場合,インナーチューブに強度はありませんから,針のような穴があいても,一気に穴が拡大して「ズバン!」となりがちです。

一方,チューブレスはインナーチューブに相当するゴム膜がタイヤ本体と合体しているわけですから,そう簡単に穴が大きくなることなく,ゆっくりとエアが抜けていきます(スローパンクチャー)。

そういう安心感もあって,かなりラフに乗ったり,砂利道なんかも走ってしまっていますが,まったく問題ありませんでした。

FUSION3と一緒に購入したパッチキット。出先でパンクしたときは,とりあえず,チューブドにして帰ってきて,このパッチキットで修理します。今のところ出番無し(^^)

FUSION3と一緒に購入したパッチキット。出先でパンクしたときは,とりあえず,チューブドにして帰ってきて,このパッチキットで修理します。今のところ出番無し(^^)

また,直前まで使っていたミシュランPRO3 RACEはトレッド面のゴムがとても柔らかいせいか,よく砂を巻き込んだまま走っていることがありました(なるべく停まって手で払っていました)。FUSION3のトレッド面に,そういう「粘り気」は無いので,砂を巻き込んで(くっつけて)回っていることがほとんどなくなりました。

異物を踏まないに越したことはないですが,踏んでもしつこく付け続けない,というのもパンクしにくい要因とおもわれます。



耐久性はかなり良い

過去に使ったタイヤたちは,意外と耐久性が弱いところがありました。

本ブログ内の紹介記事へPanaracer(Extreme EVO3 Protex)はすぐに「とんがりトレッド」が磨耗して普通のタイヤになっちゃったし,PRO3 Raceは磨耗の前に劣化が激しく,トレッド面がヒビだらけになってしまいました。

FUSION3は,まだ4ヶ月&800kmしか乗っていない段階ですが,写真のように,ぜんぜん磨耗していませんし,ヒビなどの劣化も見られません。

4ヶ月&800km走行後のリアタイヤの様子。ぜんぜん磨耗していませんし,傷ひとつありません。

4ヶ月&800km走行後のリアタイヤの様子。ぜんぜん磨耗していませんし,傷ひとつありません。

第一印象の悪さから,「早く磨耗させて次のタイヤに乗り換えたい」と思っていましたが(ひどい!),今ではこの耐久性の高さが気に入っています(^^)

走行感

大変待たせしました。

いよいよ,肝心な走行感についてです。一番自信が無いところですが・・・(笑)

お尻に優しい

推奨空気圧が低い(おいらの体重で,6.0bar!)ので,とても柔らかいです。かといって,走行抵抗が大きいわけでもないので,ロングライドにはもってこい,です。

おいらの場合(56kg),推奨空気圧は6barだったりします(低!)

おいらの場合(56kg),推奨空気圧は6barだったりします(低!)

これは,最近のクリンチャーにも言えることですが,タイヤの構造体(ケーシング)の剛性が上がってきたことで,低い空気圧でも形状を保てるようになった恩恵だそうです。

先日の三浦半島一周でも,それを実感できました。本ブログ内の紹介記事へVittoria OPEN CORSA EVO CXで10barで走っていた頃に比べたら,乗り心地は雲泥の差です(^^)



グリップは問題なし

おろしたては,表面がつるつる状態でグリップが非常に低くなっています(滑りました・・・)。

しかし,数10kmも走れば本来のコンパウンドが出てきて,まったく問題ありません。

ヤビツの激坂で,きつめのブレーキングをしても,踏ん張ってくれました。あきらかに,PRO3 Lightよりはグリップがあります。

ただ,PRO3 RACEと比べると,PRO3 Raceの方に軍配が上がってしまいます。やっぱり,トレッド面の「粘り気」の差なんでしょうか・・・?



軽快さはぜんぜん無い

「チューブレス」と言うくらいですから,インナーチューブを入れる必要はなく,その分,軽量になるのではないか,と思っていました。

しかし,実際はそんな簡単ではなく,基本的な構造はクリンチャーとあまり変わりません。

タイヤの内側には,空気漏れを防ぐための薄いゴム膜が張ってあります。簡単に言ってしまえば,「インナーチューブに相当するものが,あらかじめタイヤ裏側に張ってある」という感じです。

ですので,クリンチャーに比べて軽量ということはなく,むしろ,重たいです・・・。

手持ちのミシュランPRO3 RACEやPRO3 Lightとの比較では,下記の通り,かなりの重量増になります。

FUSION3PRO3 RacePRO3 Light
タイヤ290195180
チューブ05555
バルブ1000
合計300250235

特に,軽量タイヤであるPRO3 Lightとの比較では,1輪で65g,前後2輪で130gもの重量増加です。

これだけ重たいと,おいらレベルのへぼライダーでも,その慣性重量を感じることができます。

11月に,FUSION3→PRO3 Lightに1日だけ乗り換えてヤビツにアタックした日は,あまりの回転の軽さに驚いてしまいました(記録更新は諸般の事情からできませんでしたが・・・,涙)

というわけで,常に慣性重量と戦い続けるヒルクライムに,FUSION3はまったく向いていないかもしれません。いや,絶対に向いていないと断言しちゃいます(下りはバーストしないアドバンテージがあるのですが・・・)



平地巡航はかなり快適(^^)

前述の通り,その重さが災いして,ヒルクライムにはいまいち不向きなFUSION3。

しかし,平地巡航は割と,いや,かなり快適です。

平地巡航であれば慣性重量はあまり気にしなくてもよくなります。むしろ,重たい方が,速度が下がりにくくて好都合なくらいです。

タイヤ(ホイールもですが)は,縦方向に常に変形しながら走っています。

クリンチャーの場合は,その変形の都度,タイヤとインナーチューブの「こすれ」が発生します。

チューブレスの場合は,タイヤとインナーチューブ(に相当するゴム膜)は密着していますから,変形に伴うロスが少ないのが特徴です(と,BicycleClubに書いてありました。笑)

で,実際に30km/hでの平地巡航をしてみると,喧伝されているように,とても走りやすいことに気がつきます。

速度維持が楽(^^)
おいらの場合,平地で30km/hの速度を維持するには,それなりにがんばらないといけません(涙)が,クリンチャーに比べると楽に感じます。ただ,この原因が「チューブレスの構造」によるものなのか,単に「重たいタイヤ」だからなのかは,いまいち分かりませんが,とにかく楽になりました。
最高速度が上がった
無風の平地走行で,40km/hくらいでしばらく走れるようになりました。瞬間的であれば,45km/hでも出せますので,駅間が短い場所であれば,本ブログ内の紹介記事へ江ノ電と互角に勝負できると思います。これは,チューブレスならではの走行抵抗の少なさに起因しているのではないかな,と素直に感心しています。本当に,高速領域の伸びがよくなりました。

平地巡航はこんな感じであり,信号等でストップ&ゴーを繰り返す場面でなければ,とても快適に長距離を走ることができるようになりました。

まとめ

まだ800kmしか乗っていないので,乗り心地や耐パンク性能などは,今後も継続的に評価していく必要があるとは思います。

現時点での感想をまとめると,こんな感じです。

ロングライドにはぴったり♪
お尻に優しく,平地巡航が早く,耐久性も耐パンク性能も十分。また,出先でパンクしたとしても,普通にチューブを入れればいいわけですから,特に不便はありません。というわけで,FUSION3はロングライドにはぴったりと思っています。
ヒルクライムには不向き
重たいです。一度,軽量タイヤを使ってしまうと,その重さを十分に感じることができます。なので,FUSION3はヒルクライムには不向きです。

ヤビツや富士ヒルクライムなどには,PRO3 Lightや,次期クリンチャーホイールなどで望み,普段の散歩やロングライドにはFUSION3を使う。そんな風にして使い分けしていこうかな,と思っています。

最後に,今まで使った主要タイヤとの比較を載せておきます(PRO3 Lightは1回しか履いていないので評価対象外)

評価項目Vittoria
OPEN CORSA
EVO CX
Panaracer
Extreme EVO3
Protex
Michelin
PRO3 Race
Hutchinson
FUSION3
空気圧10bar10bar6.5bar6bar
尻への優しさ
転がり抵抗
グリップ力
耐パンク性能◎?
重量×
耐久性×
見た目××

それではまた,半年後にお会いしましょう!


■「タイヤ」カテゴリー内の前後記事
2011年01月15日 | カテゴリ:  タイヤ | ID: 9942
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