第1回 チューブレスタイヤパンク修理総合訓練

1件新しい記事(VELOFLEX Record受難・・・) 1件古い記事(Shiro家チューブラータイヤパンク対策要綱)
初のパンク修理訓練に備えるFUSION3チューブレスタイヤ(前輪だす)

初のパンク修理訓練に備えるFUSION3チューブレスタイヤ(前輪だす)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

おいらは,ここ3年ほどパンクしていません。

年間走行距離が2500kmしかなかったり,運が良いというのもありますが,とにかく全くパンクを経験していません。

しかし,寺田寅彦の「パンクは忘れた頃にやってくる」の警句の通り,いつ,あの絶望的な「ズバーン!」がやってくるか分かりません。

LOOK号のメインタイヤは本ブログ内の紹介記事へチューブレスのFUSION3ですので,「ズバーン!」とパンクすることはなく,「プスゥ~」とエア漏れしてくらしく,落車のおそれは少ないのですが,パンク自体のリスクが無いわけではありません。

そこで,梅雨の走れない週末を利用して,パンク修理の練習をしてみました。

パンク修理練習の必要性

冒頭にも書いたとおり,もう3年も出先でのパンク修理をやっていないため,そろそろ,出先でのパンク修理技術自体を忘れかけている不安があります(というか,そもそも苦手です。1時間とかかかるし・・・)

また,クリンチャーと違い,ビードがとても固くて着脱が難しいチューブレスを,本当に出先で修理できるのかが不安です。

この二つの「不安」を解消するため,暇な梅雨の休日に,チューブレスタイヤのパンク修理訓練をやってみることにしたのです。



パンク修理総合訓練実施要項

修理に当たっての条件は以下の通り。



修理方法は「チューブ化」とする

普通のクリンチャー用チューブを入れる,「チューブ化」で修理します。

普通のクリンチャー用チューブを入れる,「チューブ化」で修理します。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

チューブレスタイヤのパンク修理は,「パッチを貼る方法」と「チューブを入れる方法」の2種類があります。

このうち,パッチを貼る修理方法にはチューブレス特有の問題があります。

クリンチャーの場合は,最初から密閉されたチューブにエアを入れますから,携帯ポンプでゆっくりと入れていっても,いつかは満タンにすることができます。

一方,チューブレスは,タイヤのビードがリムに密着して初めて密封される構造になっています。つまり,ある程度勢いよくエアーを入れてやらないと,いつまでたっても,ビード部分からエアが漏れ続けることになります。

なので,出先での修理は,チューブを入れてしまうのが普通です(または,パッチを貼ってCO2ボンベ)。

入れるチューブは,クリンチャー用のチューブであればなんでもOKですが,今回は,家に転がっていたVittoriaのEVO55にしてみました。



石鹸水は使わない

チューブレスタイヤの装着は,石鹸水でビードを濡らし,滑りやすくして行うのが一般的です。

しかし,出先での荷物軽減を目的に,石鹸水を使わないで着脱できるかどうか試してみました。



IRCのチューブレス専用タイヤレバーを使う

左端のハッチンソン純正はあてになりません。使うのは,IRC(真ん中)とパナレーサー(右端)の2本。

左端のハッチンソン純正はあてになりません。使うのは,IRC(真ん中)とパナレーサー(右端)の2本。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

以前,紹介してますが,IRCのチューブレス専用のタイヤレバーは,非常に強い力でビードを引っ張ることができる,特殊な形状をしています。

今回は,このIRCのレバーと,パナレーサーのレバーの2本で対応してみました。



パンク修理訓練の様子

それでは,パンク修理訓練を開始しましょう!

まず,バルブを開けて,エアーを大気圧まで落としたところから作業スタートです。



【手順1】タイヤを外す

基本的に,クリンチャーの場合と同じで,タイヤレバーをつっこんでコジるだけですが,チューブレスはビードが固いですから,少しだけ難航します。

先に,パナのタイヤレバーをつっこみ,次にIRCのタイヤレバーをつっこみ,2本一緒に倒すことで,なんとか外すことができました。

この2本で外すことができました(^^)

この2本で外すことができました(^^)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

ただ,思っていたよりは,ずっと楽です。もちろん,石鹸水は不使用です。



【手順2】バルブユニットを外す

おいらが使っているホイール,シャマルはチューブレス&クリンチャーの2-way fitのため,クリンチャー用のチューブを入れるためには,リムに固定されているバルブユニットを外す必要があります。

リムにがっちりと固定される,バルブユニット。なかなかの強敵です。

リムにがっちりと固定される,バルブユニット。なかなかの強敵です。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

が,こいつが予想外に固い!!

バルブユニットとリムの密着が悪いと,ここからエアーが漏れてしまうわけですから,とてもきつく作ってあります。

しかも,これといった工具はありません(まさか,ペンチを出先に持っていかないでしょう)ので,ド根性で手で外すしかありません。

個体差もあるのかもしれませんが,5分くらいは,こいつを手先でグリグリいじり続けて,ようやく外すことができました。ふぅ。

今回の訓練で,一番大変だったかも・・・。

ひたすら手でコジるしかありません。あと少し!

ひたすら手でコジるしかありません。あと少し!

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
こいつが悪さをしていました。ふぅ・・・。

こいつが悪さをしていました。ふぅ・・・。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D



【手順3】チューブを入れる

クリンチャーの時と同じです。

バルブ位置から順にリムに納めていきます。

バルブのところからチューブを入れていきます。

バルブのところからチューブを入れていきます。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

このまま(ぺっちゃんこ)だと入れづらいので,携帯ポンプで少しだけエアを入れて軽く膨らませておくのがコツですが,クリンチャーと同じで,特に難しいことはありません。

ちょっとだけエアを入れてやったほうが,ねじれたりしなくてやりやすいです。

ちょっとだけエアを入れてやったほうが,ねじれたりしなくてやりやすいです。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D



【手順4】ビードを填める

さて,いよいよ,タイヤ修理のクライマックス,「ビードを填める」作業になってきました。

初めてFUSION3を装着したときは,そのビードの固さのために装着に手こずり,本ブログ内の紹介記事へなんと5時間(!)もかかっていました。

しかし,その後,本ブログ内の紹介記事へコツ(先に填めたビードをリムの谷間に落としこむ)をつかんだおかげで,かなり楽に装着できるように進歩していました。

今回は,さらに,石鹸水なしでの挑戦ですが,やってみたら,あっさりと成功。5時間もかかりませんでした(笑)

確かにビードは固いのですが,IRCのタイヤレバーさえあれば無敵です。

こいつはチューブレスタイヤ専用に設計されており,内部に傷を付けないように配慮しながらも,テコの原理で,ものすごく強い力でビードを引き上げることができます。

このレバーを,早い段階からちょいちょい使って,徐々にはめ込んでいきます。

こうやって差し込んで・・・

こうやって差し込んで・・・

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D
よいしょ,と持ち上げると簡単に填まります。これを,数回繰り返せばOKです。

よいしょ,と持ち上げると簡単に填まります。これを,数回繰り返せばOKです。

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

石鹸水を使っていないので滑りにくいですが,逆に言えば,作業途中で元に戻ってしまうこともないので,チビチビ進めていけば,いつか全部填めることができます。

というわけで,石鹸水も使わず,一本のタイヤレバーだけで5分もかからず装着完了となりました。



【手順5】エア注入で完成!

残るはエアーの注入だけ。

もちろん,クリンチャーと全く同じです。

少しだけエアーをいれ,それからタイヤの両サイドの内部を見て,ビードがチューブを噛み込んでいないかを確認します。

確認できたら,後は,たったの300回くらいポンピングすれば完成です!

よっしゃ~! あとは,たったの300回ほどポンピングするだけだ!(笑)

よっしゃ~! あとは,たったの300回ほどポンピングするだけだ!(笑)

Nikon D90 + Nikkor 35mm F2D

・・・,疲れたのでここで,フロアポンプ君にバトンタッチ(^^)

わずか,5回くらいのポンピングで7気圧まで入りましたので,これにて,第1回パンク修理総合訓練は終了です~



まとめ

「チューブレス」という新しいタイヤシステムのパンク修理には,出先での修理経験の少なさもあって,ずっと一抹の不安を持っていました。
(その割には,もう1000km以上使っていますが・・・)

が,やってみれば,クリンチャーとたいして変わりません。

心配していた修理時間も約20分と,おいらとしては上出来なタイム(エア注入の分を忘れていますが・・・)

今回やってみて分かったのは,

IRCのタイヤレバーは必須
こいつは,本当に無敵です。固い,填めづらい,と各所で不満が聞かれるチューブレスタイヤですが,こいつを一本持っていれば,簡単に装着できます。ただ,こいつ一本では,タイヤを外すことまではできないので,普通のタイヤレバー1本とあわせ,2本持っていけば大丈夫です。
石鹸水は必須ではない
結局,今回は石鹸水は不使用でした。IRCのタイヤレバーの強大な力の前では,石鹸水なんて無くても大丈夫です。が,持っていったところで,大した荷物でもないので,念のために持っていくのもアリかと思います。
意外な落とし穴,バルブユニットを外すのが大変
今回は,写真撮影込みで20分で修理完了したのですが,その多くの部分をバルブユニット外しに費やしています。解決策は思いつかないのですが(グリスでも塗っておく?),一度は,自分の手だけで着脱をしておくことをオススメします。固かったな~。

というわけで,なんとなく,「パンク修理難しそう」という雰囲気のあるチューブレスタイヤですが,チューブ化方式で修理する限り,クリンチャーと全く同じであることが分かりました。

クリンチャーでのパンク経験が豊富な方(笑)は,特に気にすることはなさそうですし,経験が少ない方も,1回やってみれば,不安は払拭されることでしょう。

さぁ,すばらしき,パンク修理ライフを歩みましょう!(イヤだ~)

おいら最後のパンク風景。3年前の,雨の道志道でした。つらかったな~

おいら最後のパンク風景。3年前の,雨の道志道でした。つらかったな~

RICOH GX100

■「タイヤ」カテゴリー内の前後記事
■ネットで詳細情報を探す

[楽天で最安値検索]

チューブレスには無敵のレバーです
IRC チューブレス専用 タイヤレバー(2本) レッド
Amazonでも売っています

2011年06月23日 | カテゴリ:  タイヤ | ID: 10085
トラックバック: 0
http://garneau.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/6768